SharePoint あるある:リストの詳細設定の「アイテムごとの権限」の罠!

リストに対して閲覧権限を付与されたユーザーは、他人の投稿したアイテムを編集しようと思っても、ボタンがグレーアウトされてクリックできません。わかりやすいし罠の臭いも感じません。

次にリストに対して投稿権限はあるけど、リストの詳細設定の「アイテムごとの権限」の設定を変更した場合。ここにイジワルとも言うべき罠が潜んでいるんです。

初期設定では「読み取りアクセス権」「作成/編集のアクセス権」が共に「すべてのアイテム」になっています。

ここで問題なのは「作成/編集のアクセス権」を「ユーザー本人のアイテム」にした場合。

つまり自分以外のアイテムは編集できないという事です。
この設定がなぜ罠かというのは実際にやってみるとわかります。

▼この設定にして他人のアイテムをまずは開きます。ん?リボンの「アイテムの編集」ボタンはクリックできる?? …とりあえずクリックします。

▼あれ?編集画面になった!編集できるんじゃん。編集しよう。

▼内容を編集して「保存」ボタンをクリックすると…このタイミングでNG!?

そうなんですよね。編集できそうに見せかけて最後の最後でやっぱできないんですよね。「編集できますよ!できますってば!ほら、やってみて!…うっそぴょ~ん!」というイジワルな声が聞こえそうな罠です。

このイジワル仕様による弊害は立場的には2点あります。

【1】リスト作成者の弊害

この仕様を知らないリスト作成者が、自分のアイテム以外を編集できない要件のあるリストを作成した際に、この設定を施します。その後、検証をしてみると編集ボタンはあるし編集画面に行けるから「あれ?うまく動作してない?」と勘違い。普通編集画面まで行けてしまった時点でうまく機能していないと思ってしまうから、そこから更に実際に「保存」までのアクションをテストせずに悩んだり調べたりしちゃいますよね。この仕様がわかった時に、無駄な時間をすごしてしまったと思っちゃいます。

実は実際に僕はこの罠に陥った一人です。ホント仕様を知った時に心の中で「orz」になりましたよ。

【2】投稿者の弊害

該当リストがそういう仕様だという事に気がつかずに、他人のアイテムを編集する機会があったとします。ボタンがグレーアウトしていたり事前にそういう仕様であると示唆するメッセージなどがないので、知らずにメッチャ気合い入れて編集し、保存ボタンをクリックしたら…。
俺の気合いを返せ!となります。

実は実際に経験談ですが、これで苦情を受けたこともあります。仕様なので仕方ないんですけど、苦情を入れたい気持ちもわかる。

アイテムごとの編集の設定を変更したら、リスト作成者はこの仕様を忘れずに。また、投稿者には何かしらの手段でしっかりアナウンスする必要がありそうです。

SharePoint 投稿者向け:カラフルにすれば良いってもんじゃない

SharePointに限らずですが、社内の情報共有の場で情報発信をする立場の人は、自分が発信した情報が受信者に読まれ、理解され、活用されているかは気になるところですよね。その中から今回「読みやすさ」について考えたいと思います。まずは今まで自分が投稿してきた投稿物を思い出してみてください。以下のような事をしていませんですか?

  • ページスクロールを抑えたいために文字サイズを小さくした。
  • 文章内に太字・斜体・下線などの装飾をふんだんにしていた。
  • 文字色をカラフルにした。

これらは一例ですが、心当たりがある場合は、以下を読んで何かしら気付きになっていただければ幸いです。(一概に悪い例という事ではありません。)

人に読んでもらえる記事を書くヒントはネット上にたくさんあります。大手ニュースサイトを「読みやすさ」という観点で読み漁ってみてください。概ねこういう傾向がある事に気がつくと思います。

  • 文字サイズは実は大きめ。
  • 行間や段落間が結構広い。
  • テキストエリアの横幅はそんなに広くない。
  • 文字に装飾(太字、斜体、下線、など)がない。
  • 文字色はほぼ1色。
  • 背景色と文字色のコントラストがとれている。(だいたい白背景に黒字)
  • 文章中のテキストリンクはリンクだと視認できる。または文章中にはテキストリンクを配置せず、文章下にリンクがある。

今までご自身が投稿してきたアイテムの内容と比べてみてどうでしょうか?結構、間逆な事をしているのではと思います。

以下は、この記事の文章に超テキトーに色々装飾を施してみたアイテムのスクリーンショットです。

黄色や薄い水色などの文字は読みづらいですね。緑のマーカーに赤字の部分はチカチカしますよね。重要な箇所に色々な装飾を施したとしても、結局重要箇所が多すぎて読む際に散漫になってしまいます。これは、以前テレビ番組でやっていたのですが、東大生が受験勉強をしていた頃の勉強方法の中で、「ノートの板書はカラフルにしない」「参考書にマーカーは引かない」などがありましたが、その理由と似ているのではと思います。また、Webの世界では未だに「下線の青文字はリンク」という印象があるので、リンクでないテキストに青文字で下線を装飾にすると、閲覧者がクリックしようとしてしまい「リンクじゃないんかい!」と心の中で突っ込みを入れつつストレスフルな文章になってしまいます。また、逆にこんなにカラフルにしていると、中にテキストリンクをつけても、ほとんどの閲覧者はそのリンクの存在に気がつきません。実はこの中で一箇所テキストリンクがあるんですが、視認できますでしょうか?SharePointのテキストリンクは、リンク色はサイトのテーマによって変わりますし、マウスホバー時に下線が現れますが、文章を読んでいるときに全文をマウスのカーソルを当てながら読む閲覧者はあまりいません。つまりテキストリンクが視認できない場合、リンク先のコンテンツはほとんど閲覧されない事になってしまいます。リッチテキストエディタ内に他コンテンツにリンクをつける場合は、リンクと視認できるかどうかを特に意識した方が良いです。

と、ツラツラと書いてみましたがいかがでしょうか?ちなみに過去の経験上、結構こういうコンテンツはありました。

大手ニュースサイトに共通している特徴はそれなりに根拠があっての特徴なので、自分なりに昇華してみて、ぜひ今後作成するコンテンツに試みてはいかがでしょうか。また、SharePoint運営者やサイト管理者の立場の場合は、読まれるコンテンツ作りの重要性とそのコツなどを投稿者向けに教育をしてみる事を検討してみてはいかがでしょうか。

SharePoint 「お知らせ」リストの「有効期限」列の利用および非表示方法

SharePoint2007で運営に携わっていた頃はリストと言えばお知らせリストを使っていました。(カスタムリストはほとんど利用していませんでした。)リストを通達・連絡用として利用するケースが多く、パッと作成してすぐ使うにはお知らせリストが最適で、またSharePoint2007の頃は、リストで設定したメールアドレスにメールを送信すると、そのままリストに投稿される受信メール機能があり、これはお知らせリスト固有の機能で重宝していたからです。

ただし、お知らせリストには一点邪魔な存在がありました。それが「有効期限」列です。

こんな列があれば、普通は有効期限列に日付を入れたら、その日が過ぎるとアイテムは削除されると思いますよね。それが何も起きないんですよね。ただ日付の列があるだけで、有効期限列単体では何の機能もないんです。SharePointを運営していると、「有効期限が動作しません」という問い合わせを多く受けました。説明をすると「え?あるのに何も機能しない?なにそれ…」的な腑に落ちない感じに返されてしまいますが、腑に落ちないのもごもっともだと思います。

▼有効期限列を利用する場合の一例ですが、有効期限列を利用して情報管理ポリシーの保持を設定したり、

▼有効期限列を利用してビューのフィルターを利用するなど、

有効期限列+他の機能の組み合わせで利用できます。

※ちなみにビューのフィルターを利用する方法に関しては落とし穴がありますが、話しが長くなってしまうので、それは別の機会にトラブル事例として紹介できればと思います。

一例として有効期限列を活用する方法を紹介しましたが、お知らせリストを運営する際に有効期限なんて不要な場合もあり、ではこの思わせぶりなこの列を削除してしまいたいですよね。でも…この列、削除できないんですよね。これ本当に厄介です。

▼よく見ると「OK」「キャンセル」はあっても、他の列設定のように「削除」ボタンがないんです。

 

ただ、ちょっと設定をする事で、削除ではないのですが非表示にする事は可能です。普段あまり使わないコンテンツタイプを利用します。

▼お知らせリストの詳細設定でコンテンツタイプの管理を「はい」

お知らせリストの設定の全般設定の下にコンテンツ タイプというセクションが表示されるので、「お知らせ」コンテンツ タイプをクリック。リスト コンテンツ タイプの設定の列セクションの「有効期限」をクリック。

▼列設定で「非表示」を選択。

▼これでお知らせリストで有効期限列を非表示にできます。

最初からカスタムリストを使って通達・連絡用リストを作成すれば良いのですが、ワケあって有効期限は不要だがお知らせリストを使いたかったり、すでにお知らせリストで運営されていて有効期限列が邪魔だなぁと考えていた場合などは、この方法を検討してみてはいかがでしょうか。

SharePoint カスタムリストorお知らせリスト

SharePointのアプリは大別するとリストとライブラリの2種類ですね。で、色々な種類のリストやライブラリがあるわけですが、リストに関しては、いわゆる通達や連絡など掲示板的な利用目的の場合、カスタムリストを使うべきか?お知らせリストを使うべきか?というところで迷う事があると思います。

僕の場合はずっとお知らせリストを使っていました。理由は受信メール機能です。

オンプレのSharePoint2007を長いこと使っていたのですが、オンプレのSharePointにはメールでアイテムを投稿できる受信メール機能があり、これはお知らせリストだけの機能でカスタムリストには加えることのできない機能でした。
この機能、メールでアイテムを投稿できると知ると結構使う人が多かったんです。例えばメーリングリストのtoの中に受信メール用アドレスを突っ込めば、メールのバックナンバーが自然に作れるような使い方とか。
後で使いたいと言われた時に即対応できるようにお知らせリストばかりを使っていて、カスタムリストはほとんど使っていませんでした。

つい最近まで知らなかったのが、この受信メール機能はオンプレだけの機能で、SharePoint Onlineでは使えないようですね。お知らせリストにこだわる理由がなくなりました。

逆にお知らせリストが微妙なのが「有効期限」列の存在があります。カスタムリストはデフォルトでタイトル列のみですが(「更新者」列などは除いて)、お知らせリストには「本文」列と「有効期限」列がリスト作成時にすでに存在します。「本文」は大抵利用する列なので問題ないとして、「有効期限」列ですよ。
この「有効期限」列は、非常に微妙なんですよね。普通に考えたらここに日付を入れたら、期限が切れたアイテムは削除されるのかな?と思うじゃないですか。でもいつまで経っても削除されないんですよね。この列はただの日付を入力する列なんですよ。特別なにかアクションがあるわけじゃないんです。どこかで聞いた話では、有効期限列は、この列を利用して、例えばビューのフィルターで非表示にするなどご自由にお使いください的な意味だとか。もちろん情報管理ポリシーで設定すれば期限切れで削除したりもできますが。

「有効期限」列の厄介なのはこの列を削除できない事。
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列の編集に削除ボタンがないんですよ。有効期限列があればユーザーは有効期限があると思うし、ここに日付を追加してしまうので、この列が機能していないのに存在するのは良くないですよね。

対処法はあります。リストの詳細設定でコンテンツタイプの管理を許可して、お知らせコンテンツタイプの設定から有効期限列を「非表示」にすれば、削除はされないけど、削除されたようなものにはなります。

▼お知らせコンテンツタイプの設定から有効期限を非表示に
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▼有効期限列は削除はされないけど非表示になります。投稿画面で非表示になっているということは、利用されないので削除みたいなものかと思います。
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とはいえ、いちいちこんな設定をするのは面倒ですよね。

なので、オンプレで受信メール機能が利用できる環境なら、上述のメリット・デメリットを考慮して使い分ける必要がありますが、SharePoint Onlineであれば、個人的には何も考えずにカスタムリストから作る事になるかな。