
※本記事は Microsoft 365 Advent Calendar 2025 に参加しています。
https://adventar.org/calendars/11476
今日はクリスマスイブという事もあり?、今回はちょっと趣向を変えて Microsoft 365 Copilot まわりの名称変更の変遷を僕の把握している範囲内でちょっと追いかけてみたいと思います。およそ3年前あたりから OpenAI 社が ChatGPT を出してから目まぐるしい生成AIブームが続いていますが、 Microsoft も Copilot をほぼ全域に展開させて目まぐるしく進化していっていますが、そんなカオスな状況の中で製品や機能のネーミングもかなりカオスですよね。これはもう仕方ないとはいえユーザーとしては混乱の極みかなとも思います。そんなカオスな状況を少し見てみましょう。 M365 Copilot 周辺なのでここ3年間の話です。ただ、あくまでも僕の把握している範囲内なのと、そもそも「名称変更しました!」とアナウンスがある場合と、シレっと名称変更していたり、そもそも Microsoft の中で表記揺れしていたりもあるので、あくまでもエンタメ的な感じで読んでみてください。
■個人利用の Copilot とチャットができる機能
Bing Chat
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Copilot
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Copilot Chat
「 Microsoft の生成AI」としてチャットUIで会話できるのが当時「 Bing Chat 」という名前でデビューしました。Bing ブランドを使いたかったんですかね。Bing が付く事で、イメージ的に生成AIがインターネット検索に置き換わるような印象にも思えました。当時は過去のチャットボットと何が違うんだろう?とか思っていましたね。
ところが2023年12月のタイミングでおそらくこれまでで一番の混乱期が来てしまいます。それが「とにかく何でも Copilot なんだ!」という名称変更です。個人利用の Copilot も「 Copilot 」だし、後述しますが商用利用の Copilot も「 Copilot 」だし、同じく後述しますが M365 Copilot ライセンスが付与されたユーザーが利用するチャットUIの機能も「 Copilot 」になっちゃいました。これは本当に Copilot について話をする時に「それ何の Copilot ですか?」としっかりと整合とをった上で会話をしないと非常に危険でしたね。それは今になってもややこしいけど、この時が一番混乱でした。
そして今でも個人利用のチャットができる機能は Copilot ではありますが、チャットができる機能は「 Copilot Chat 」ですかね。そうだと思います。たぶん。僕はちゃんと説明する時は「個人用 Copilot の Copilot Chat 」って言います。
■業務利用でも安心安全に利用できる Copilot とチャットができる機能
Bing Chat Enterprise
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Copilot
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Microsoft 365 Copilot Chat
今だと「エンタープライズデータ保護」と呼ばれている商用利用でも安心安全に利用できる生成AIである印籠のような言葉も、出た当時は「商用データ保護」なんて言葉でしたね(英語だと「 Commercial Data Protection 」)。2023年7月18日に「 Bing Chat Enterprise 」という名前で Microsoft 365 ライセンスがあれば利用できるチャットUIの Copilot が出てきました。商用利用する上で会社のデータが生成AIの学習に使われないかどうかが不安だった点なので、個人利用の Bing Chat とは明確に分けて考えなければいけなく、その点「 Enterprise 」という言葉が語尾に付くのはシンプルだし名称で差別化できていて、今思えばこの名前が僕は一番良かったと思っています。
そして2023年12月1日より Bing Chat Enterprise が一般提供されるタイミングで名称変更しています。それが上でも話したややこしい元凶でもあった「 Copilot 」です。とにかく何でも「 Copilot 」これは本当に困りました。
そして今は「 Microsoft 365 Copilot Chat 」ですね。ただこれもややこしくて、 Microsoft 365 ライセンスのみのユーザーでも「 Microsoft 365 Copilot Chat 」だし、 Microsoft 365 Copilot ライセンスも付与されているユーザーでも「 Microsoft 365 Copilot Chat 」です。区別として「 Microsoft 365 Copilot Chat (Web)」と「 Microsoft 365 Copilot Chat (Work)」なんて表現もあるようですけど、どうなんでしょうね。僕はちゃんと説明する時は「 Microsoft 365 ライセンスのみの Microsoft 365 Copilot Chat 」って言います。これ色々なところで言っていますが、この Microsoft 365 ライセンスのみで利用できる Microsoft 365 Copilot Chat の事を「無償版 Copilot 」って結構聞くんだけど危険だと思います。上述の個人用 Copilot と勘違いしますね。 Microsoft 365 ライセンスにお金がかかっているので無償ではないと思います。「追加費用なし」ならまだわかりますけどね。ライセンスを売る側のIT企業の人がこの言い方をしたら信用しない方が良いレベルかと思っています(言い過ぎ?)。
■ Microsoft 365 Copilot ライセンスで利用できる Copilot とチャットができる機能
Business Chat
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Microsoft 365 Chat
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Copilot
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Microsoft 365 Copilot Chat
これもまたややこしいですね。今さっきちょうど説明した通り、 M365 Copilot ライセンスの有無でも今は同じ名称だけど、元々は違っていました。
Microsoft 365 Copilot ライセンスのユーザーのチャットUIの機能は当初は「 Business Chat 」という名称でした。なんかビジネスチャットって言うと Microsoft Teams とか Slack や Chatwork などを総称するというかジャンルですよね。「メールからビジネスチャットへ!」みたいなね。それが名称なのもちょっと違和感でした。
それが2023年9月あたりに「 Microsoft 365 Chat 」に変更されました。これも Copilot の名前が入っていないけど、Microsoft 365 ライセンスのみのユーザーは「 Bing Chat Enterprise 」と呼ばれていた時代だったので、ライセンスの有無で名称が異なるのはわかりやすいといえばわかりやすかったです。
ところがまたまたややこしい元凶の何でも「 Copilot 」の時代が到来します。全て Copilot はややこしかったです。
そして今は「 Microsoft 365 Copilot Chat 」だけど、上述の通り、 M365 Copilot ライセンスの有無がわからないので、僕はちゃんと説明する時は「 Microsoft 365 Copilot ライセンスの Microsoft 365 Copilot Chat 」って言います。
■ Microsoft 365 で利用できる Copilot のライセンス名
Microsoft 365 Copilot
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Copilot for Microsoft 365 ( Microsoft Copilot for Microsoft 365 だった説もあり)
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Microsoft 365 Copilot
そもそも Microsoft 365 で Copilot を使えるようになりますよ!というアナウンスがあった時は「 Microsoft 365 Copilot 」だったんですけど、そこからアーリーアクセスプログラムという名前で超限定で触れる期間がありました( Microsoft MVP もこの期間は触れる環境を提供されなかったです)。
それが2023年11月15日に「 Copilot for Microsoft 365 」に名称変更されました。例のややこしい元凶の「すべて Copilot にします」宣言の時です。「 Copilot for ***」「 Copilot in ***」という名称が当時のトレンドだったんでしょうかね。しかも上に書いた通り、実は「 Microsoft Copilot for Microsoft 365 」が正式名称だったという説もあり、さすがにしんどい名称だなぁという印象でした。翌年2024年1月中旬には個人向けライセンスの「 Copilot Pro 」なんかも発表されたり、とにかくややこしかった。
そして2024年9月に「 Microsoft 365 Copilot 」に戻りました。僕はコレで良いと思っています。ただし、またまたややこしくなったのが2025年1月です。 Microsoft 365 アプリが Microsoft 365 Copilot アプリに名称変更された件。これにより「 Microsoft 365 Copilot ライセンスがない Microsoft 365 Copilot ユーザー」とかわけのわからない言い方ができちゃうんです。
■そもそも Microsoft 365 が…
Microsoft 365
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Microsoft 365 Copilot
という事で上でお漏らししちゃいましたが、そもそも Microsoft 365 アプリが Microsoft 365 Copilot アプリに名称変更されました。アイコンも一新されましたね。これは本当にややこしい。たしかに Microsoft 365 ライセンスのみでも Copilot が使える領域は増えてきたし、 Microsoft 365 ライセンスだけでも Copilot が使えるんだぞ!という認知を高めるには名称に Copilot を入れる事は良い事だけど、ライセンスとアプリがゴチャゴチャになっちゃいますね。
僕はちゃんと説明する時は「 Microsoft 365 Copilot ライセンス」「 Microsoft 365 Copilot アプリ」って言います。
■最近ややこしかったのが…
今年後半にややこしい名称変更がありましたね。 Microsoft 365 Copilot Chat から Copilot エージェントを作れる「エージェント ビルダー」です。
エージェント ビルダー
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Copilot Studio Lite
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エージェント ビルダー
「 Copilot Studio Lite 」に変わりましたよね。そして元々の Copilot Studio が「 Copilot Studio Full 」でしたっけね。そしたら1~2か月後で Microsoft Ignite 2025 あたりで Copilot Studio Lite は「エージェント ビルダー」に戻しましたって噂が飛び交って、結果的にそうだったみたいですね。多くのフィードバックという名のクレームを受けて戻したっぽいです。でも、「エージェント ビルダー」ってありがちな名前なので、他のメーカーの機能だか製品でもその名前が付いているのありますよね。「エージェントビルダー」で検索すると出てきますね。
僕はちゃんと説明する時は「 Microsoft 365 Copilot Chat から Copilot エージェントを作成できるエージェント ビルダー」って言っています。
他にも Microsoft の Copilot の製品や機能はたくさんあり、名前も色々と変わっているでしょう。あ、例えば Security Copilot も元々は Copilot for Security だったと思うし。などなど。
という事で、エンタメ成分多め?で Copilot 絡みの過去の名称変更を追ってみました。これを全部横に並べて時系列の図で表現すれば良いでしょうけど、そんなに時間をかけるネタでもないのでこのくらいにしておきます。
最後に、本記事内で何度か「何でも Copilot って呼ぶ混乱絶頂期」みたいな言い回しをしましたが、その時代について書いた記事を最後に紹介します。数年後に「懐かしいなぁ!」と回顧するのかな。
ここまで書いて今気が付いたけど、ちょいちょい「何でも Copilot って…」とディスるように書いていますが、ユーザーコミュニティに「なんでも Copilot 」って大きなコミュニティがあるんですよね。決して なんでも Copilot をディスっているわけじゃないですよ!