Microsoft Teams :なぜ今 トランスクリプト は会議ポリシーの既定値がオフになっているのか?

※これは Microsoft の見解ではなく、あくまでもどこにでもいるただのオッサンの考察です。


Microsoft Teams の会議で話したことが文字起こしされるトランスクリプトの機能は便利です。精度もなかなか良くて簡易的な議事メモにも最適だし、トランスクリプトは後から会議の録画を見る時に、見たいところを検索したい時にも、トランスクリプト内でキーワードを検索してそこから再生させる事もできるので便利です。

Microsoft Teams :会議のライブキャプション(字幕)・トランスクリプト(文字起こし)が日本語対応された

Microsoft Teams :会議の録画を閲覧した時にもライブ キャプション・トランスクリプトが利用できるようになった

Microsoft Teams :チャネル会議でもトランスクリプトが利用できるようになっていた

今は音声言語を指定してその言語じゃないと意図した動作をしませんが、おそらく今後はライブキャプションと一緒に翻訳まで対応されるんじゃないかと思います。そうしたら多言語で会議をした際にも自分の言語に翻訳されて…ドラえもんの翻訳こんにゃく的な世界になりそうですね。英語ニガテマンの僕はワクワクします。

さて、それは置いといて、これまでの記事の中で2回くらい触れたと思うけど、おそらく多くのユーザーがトランスクリプトを便利そうだから利用しようと思ったらメニューがない…という状況なんじゃないかと思います。実は既定で利用できないように設定されているからです。つまり、管理者が意図的に機能をオンにしないと利用できません。何も設定を変更していないテナントで Microsoft Teams 管理センターの会議ポリシーを見ると、

▼既定の会議ポリシーの設定の一部

このようにレコーディングなどの機能はオンだけど、トランスクリプトはオフになっているんです。なのでユーザーが会議をした時に会議メニューにトランスクリプションを開始するメニューが表示されないわけです。

じゃ、なぜ既定でオフになってるのか?気になりますよね。ここからは僕の完全なる憶測です。

まず、 Microsoft は新機能に対してはイケイケであると思っています。つまり色んな新機能が登場すると大抵は「既定でオン」になっているケースが多いです。どんどんリリースする新機能をどんどんユーザーに便利に使ってもらいたいですよね。そんな Microsoft が既定でオフにして展開する機能には、オフにする理由があると思うんです。なので、既定でオフにしている機能をオンにする場合は、多少慎重に色々調べたり、サポートに問い合わせてみても良いかもしれないです。

で、今回のトランスクリプトも既定でオフになってる理由を…僕はそういうのあまり考えません(笑)ただ、今回は偶然別で調べていた時に、これがそうかな?というのを発見しました。それが以下のページです。

Teams 会議でのライブ トランスクリプションの表示 – Office サポート
https://support.microsoft.com/ja-jp/office/-dc1a8f23-2e20-4684-885e-2152e06a4a8b

Office のサポートのページです。つまり Microsoft の公式ドキュメント。この中でトランスクリプトの使い方の説明をしていますが、注意書きをチェックすると色々憶測できます。

ここから先はこのページも日々更新されると思うので、今この時に記載されている内容を残したいために、抜粋した箇所をスクショで貼ります。

あ、まずその前に会議に参加している時の役割や入り方でトランスクリプト自体が利用できるのか?は変わりますね。以下は上のページの抜粋です。

▼(引用)参加者の種類とできる事・できない事

特にゲストや匿名の人に対してセキュアですね。

そして気になるのが、トランスクリプトのデータがどこに保存されるのか? Microsoft 365 の様々な機能は「そのデータがどこに保存されるのか?」をある程度意識しないと後々のトラブルにもなりかねないので、把握しておいた方が良い場合もありますね。

▼(引用)データの保存場所の記載部分

なるほど、会議主催者の Exchange Online ですね。主催者が削除しない限りは利用できると。

そしてここからがポイントなんじゃないかな?と思います。

▼(引用)大事な注意事項

現時点では初期リリースの段階で、アイテム保持ポリシー、電子情報開示、訴訟ホールドのサポートがないようです。そして、トランスクリプトのライフサイクル管理は会議主催者の手作業による管理に依存、との事。

おそらくここが理由の一つで既定がオフになってるんだと思います。逆を言うと、ここら辺の準備が整えば、既定の設定値がオンに変わるかもしれないですね。すぐに出てこないけど、既定値がオフだったのに後から既定値をオンにしますよって機能は過去にもあった気がします。

なので、IT部門の方はユーザーからトランスクリプトを使いたいという要望が上がった場合は、現時点でのこの仕様をしっかり加味して検討してください。その場合は、検討時点で上のページを開いて最新の状態で読んでください。またはサポートに問い合わせしましょう。トランスクリプトを利用したいユーザーの方々も、使いたい気持ちはわかるけど、色々とあるので諦めなきゃいけない事もあります。 Microsoft が上記をサポートしてくれるまで待ちましょう。そして大事なのは、IT部門と要望をあげるユーザーとのやりとり。ダメだからダメみたいな言い方はせずに、しっかりとダメである見解を伝える必要はあると思います。そして然るべき理由があった上でダメと言われたら、同じ仲間です、理不尽に怒らずに諦めましょう。IT部門とユーザーは敵対しがちですが、同じ組織の仲間ですよね。おっと、話が脱線。


という事で、トランスクリプトが現時点で既定値がオフになっている理由を考察してみました。

信じるか信じないかはあなた次第。くどいようですが、業務利用であればしっかり Microsoft の公式ドキュメントやサポートの情報で確実に確認取りましょう。