これ、一度2月あたりに展開されたのにすぐ消えてしまったので記事にしていなかったけど、昨日あたりに復活しているのを確認したのでようやく記事にします。
2021/12/03 付けで Microsoft 365 管理センターのメッセージセンターに以下のメッセージが公開されました。
▼ (更新)マイクロソフトの OneDrive と SharePoint ライブラリのドロップダウン メニュー
つまり、ライブラリからサイト内の別のライブラリに移動できるメニューです(←記事タイトルと同じ事言ってるだけ…)。では、試してみます。
▼とあるサイトのライブラリ
ドロップダウンメニューはライブラリ名の右にある本棚っぽいアイコンです。クリックすると、
▼このようにサイト内のライブラリが一覧表示されます
あとは移動したいライブラリをクリックするだけです。機能としてはいたってシンプルですね。
ここに表示されるライブラリはサイト内の全てのライブラリかというとちょっと違うようです。試しにサイト コンテンツを見ると、
▼「ドキュメント ライブラリ」の種類は他にもたくさんある
これは例えば「サイトのリソース ファイル」「スタイル ライブラリ」など、サイト作成時に自動生成される、サイトに必要なライブラリあたりは対象外のようです。例外として「ドキュメント」というライブラリもサイトが作成されたら自動生成されているライブラリだけど、例えば Microsoft Teams のチームの裏側にできる SharePoint のチームサイトでは添付ファイルはこの「ドキュメント」というライブラリに保存される事もあり、他にも SharePoint のサイトと関連付けられた Microsoft 365 の様々なサービスでファイルをアップロードすると、大抵はこの「ドキュメント」ライブラリに保存される事から、むしろこのライブラリはサイト内のメインでもあり、ドロップダウンメニューに表示される対象になっている感じです。その他に、ユーザーがサイト内で作成したライブラリが表示されます。
■何のために?
さて、何のためにこのメニューが存在するのか?これは SharePoint からアクセスした時と OneDrive からアクセスした時の2つの側面から考えられそうです。
■ SharePoint から利用した場合
メッセージセンターのメッセージには、やはり「サイト内の複数ドキュメントライブラリを簡単に切り替えるため」という記載があります。つまりサイト内でドキュメントを探したり複数ドキュメントをちょいちょい利用したい場合、サイトのナビゲーションを頼りにしてもナビゲーションに表示されていない場合もあります。またサイトのナビゲーションはユーザー設定なので、ライブラリ以外にもニュースやページやリストや外部リンクなども自由に設定できます。「ドキュメントを利用する」という目的であれば、ライブラリのみ表示される事に特化したライブラリのドロップダウンメニューの方が移動しやすいですね。また、「サイト コンテンツ」から探す方法もあるけど、こちらもライブラリ以外のコンテンツもあるし、何より移動する際にサイトコンテンツを経由するのでクリック数が増えてダルいです。そういう意味でもライブラリのドロップダウンメニューというライブラリ間の移動手段が増えた事は良いですね。
■ OneDrive から利用した場合
僕個人的には、ライブラリのドロップダウンメニューって SharePoint からよりも OneDrive からの利用の方を想定していたんじゃないかなと思います。メッセージセンターのメッセージには OneDrive にも言及されています。
▼メッセージから該当箇所を引用
そういえば、僕は OneDrive から SharePoint のライブラリにアクセスした事がなかった事に気が付きました。なので過去の挙動がわからないしスクショもありません。ネットで検索してみたけど、もしかしてあまりニーズがないのかスクショもなかなか見つかりません。なのでここからは現在の仕様と過去の仕様は憶測で話します。
OneDrive には左のナビゲーションに「クイック アクセス」ってのがあって、ここには SharePoint のサイト名が表示されているんですよね。また、 Microsoft Teams のチームに紐づく SharePoint のチームサイトも表示されるので、つまり Microsoft Teams のチームのチャネルに添付したファイルもここから探せるわけです。
▼ OneDrive のクイックアクセス
更に、 OneDrive 側から「共有ライブラリ」というのを作成すると、実態は Microsoft 365 グループが作成されて、紐づいた SharePoint チームサイトが作成され、その中にドキュメントライブラリが作成されるという感じです。結局のところ、このクイックアクセスの部分は SharePoint のサイトへアクセスする導線なわけだけど、そこは OneDrive なのでドキュメントという観点での導線という事です。で、過去の挙動が把握できないのでまずは現時点の挙動を見てみます。
▼ OneDrive のクイックアクセスからサイトをクリックしたところ
このように OneDrive なのに SharePoint のサイトのドキュメントライブラリが表示されます。で、通常 SharePoint 側からサイトにアクセスすれば左にサイトのナビゲーションがあるので往来ができるけど、 OneDrive からアクセスするとこのようにナビゲーションは OneDrive 側のナビゲーションのままです。なのでこのサイト内の複数ライブラリを往来できるように、このドロップダウンメニューが登場したんじゃないかと。
で、メッセージセンターのメッセージを見ると、元々は OneDrive 側からサイトをクリックすると、今みたいに直接ドキュメントライブラリが開くわけじゃなく、サイト内のライブラリ一覧が表示されているような記載があります。つまり現在の仕様はその1クッションを減らして、直接ライブラリが開くという事で、UXにおいては遷移数を減らす事は効果的なので(1クリックの操作を減らす、1ページの読み込みを減らす)、良い変更かと思います。
という事で、サイト内のライブラリの移動手段が一つ増えた事と、 OneDrive 側でクイックアクセスを良く利用する人にとっても導線に無駄が一つ減ったという事で、便利に使っていきましょう。