Microsoft Teams :優先度通知?緊急通知?を試してみる( Priority Notifications )

先月の頭に Microsoft 365 管理センターで以下のメッセージがアナウンスされました。

▼新機能: チームの優先度の通知

これは過去から大きなイベントなどで発表されていた機能ですね。チャットでメッセージを相手が読むまで20分間2分毎に通知を繰り返すという使い方を間違えるとおそろしい機能。発表されたイベントの紹介ビデオを見ると医療機関で医師に対して緊急時に送信する場合に利用するシーンが紹介されていて、そういう用途なら非常に便利です。しかし、特に業種関係なくすべてのテナントで既定ではオンになる機能のようです。

では実際に試してみます。

これはチャットの機能です。チームのチャネルでは使えません。

▼チャットのメッセージ入力欄下の「!」アイコンをクリックすると

▼「緊急」をクリック

▼目立つようになり、「受取人 に 20 分間 2 毎に通知」と「緊急!」という説明文が表示

文言がおかしいので、例の日本語訳について報告するサイトには報告しておきました。そのうち修正されるハズです。

▼では送信します(例文…こういうしょうもない事で緊急通知使わないでください!の悪い例)

▼相手に通知が表示されます(OSの時間が7:45)

通常の通知とはちょっと違いますね。

▼参考までに通常の通知

では、緊急通知はメッセージを見ないと、20分間2分毎に通知が来るとの事なのでメッセージを読まずに放置します。すると…

▼2分後に通知(OSの時間を見てください。7:47)

▼4分後に更に通知(7:49)

もうやめときます(笑)

▼メッセージの中を見ると「緊急!」と右上にアイコンが

一度開けば通知は止まります。

モバイルアプリ( iPhone )を見てみます。

▼緊急通知のメッセージは同じく「緊急!」と右上にアイコンが

モバイルからも緊急通知のメッセージは送信できます。チャットの投稿欄の下のアイコンの「…」をタップすると、

▼「メッセージの重要度」をタップ

▼「緊急」をタップ

▼同じく目立つように説明文があり、ここでメッセージを入力

▼その後送信の前に同じく「…」をタップすると「メッセージの重要度」が赤くなっています。再度タップしてみると、

▼この操作で緊急通知は解除され普通のメッセージに戻りました

という感じでした。先日、会社の新機能を遊ぶ仲間と色々やってみたところ、どうも動作が不安定のようで、緊急通知なのにメッセージを見ていないのに通知が繰り返されなかったり、 iPhone では通知されたのに Android は通知されなかったりしました。まだプレビューの機能のようなのでGAされる頃には正確になるのかな?機能の性質上、正確に通知されないと良くないですからね。

ところで、チームのチャネルの会話とチャットではUIに一貫性がない点は残念なところでもあります。これは「緊急」ではなく「重要」で比べるとわかりやすいです。

▼チームのチャネルの会話で「重要」にする場合

左下の「A」アイコンをクリックしてから、上部のメニューで「!」をクリックします。

▼一方、チャットで「重要」にする場合

「A」アイコンをクリックしても上部のメニューに「!」はなく、「A」アイコンの隣の「!」アイコンから設定できます。

UIに一貫性がないのはUX上ユーザーにとっては良くないかと思いますが、何か意図的に違いを持たせているのか?それとも単に緊急通知がチャットだけのものだからとりあえずこういうUIになったのか?はわかりませんが。

同じく、モバイルでもUIに差異があります。

▼チームのチャネルの会話で「重要」にする場合

▼チャットで「重要」にする場合

このようにメッセージを「重要」にする事自体はチャネルの会話でもチャットでもできるけど、同じ目的なのでやり方が違うので注意が必要です。


冒頭でお話した通り、医療機関の利用シーンを想定しているビデオを見たけど、この緊急通知機能は場合によっては気を付けるべき機能ですね。緊急用とはいえ無駄に乱用もできるので使う人が使い方を間違えると残念な事にもなりかねないです。幸いチームのチャネルで一斉にチームメンバーに緊急通知は使えないけど、チャットはチャットでもグループチャットなら使えてしまいます。
メールよりも短文で気軽に送信できてしまうチャットのメリットが、利用率が増える事に比例して通知の量も増えてしまう事がデメリットにもなり兼ねません。まだまだビジネスチャットは導入しても利活用が進まず導入失敗というケースも多く、また、利活用定着が進行形である企業も多い状況です。しかし、その中でも利活用がすでに定着されている企業の中には次の課題がありまして、そのうちの一つが良く聞く「SNS疲れ」という言葉がそのまま「 ビジネスチャット疲れ」になってしまう危険性です。つまりビジネスチャットの利活用が定着されたあとに、緩やかに失速していく危険性のあるパターン。なので、この緊急通知も使い道を誤らないで欲しいと願います。


最後に Docs の中にこの機能についての説明ページがありました。

医療組織向け Secure Messaging で Teams を始めましょう
https://docs.microsoft.com/ja-jp/microsoftteams/expand-teams-across-your-org/healthcare/messaging-policies-hc

やはり医療組織向けって書かれていますね。 Microsoft Teams 管理センターのメッセージング ポリシーで緊急通知機能のオンオフができるので、場合によっては利用できるユーザーとできないユーザーに分けても良いかもしれないです。このページの下の方にも一部のユーザーに対してこの機能を有効にする事をお勧めしますと記載されています(なのにこの機能は既定でオンなんですよねぇ)。そしてこの通知の受信を無効にするオプションはないようです。たしかに医療組織で緊急通知なら無効にされてしまったら意味がないですよね。

▼該当部分

▼メッセージング ポリシーの該当部分

あとは、気になるのが以下のページ

メッセージングポリシーライセンス
https://docs.microsoft.com/ja-jp/microsoftteams/teams-add-on-licensing/pri-message

自動翻訳なので正しく理解できているか僕自身も不安ではあるのですが…。原文の英語に変えると「Priority Notifications」と記載されているのでこの機能についてのようですが、ライセンスごとにこの機能の使える回数が違うようですね。ただし冒頭に「2020年1月1日から」と記載されているので、それまではどのライセンスでも無制限という事でしょうか。冒頭のメッセージセンターのメッセージ内でも2019年12月31日という記載もあったので、つまり、そこまでがプレビュー期間で、GAされたらライセンスの縛りが適用されるという感じでしょうね。(たぶん)

▼該当部分の記載