
※ Microsoft 365 Copilot ライセンスが付与されているユーザーの話です。
▼この上部のボタンの話です

去年2025年12月あたりから何かのタイミングで日本語UIでは「職場 / Web」だったのが「 Work / Web 」に変わりましたね。すぐに元に戻るかと思ったら現時点でも戻っていないし、何ならこのままの方が良いと僕は思っちゃいますが、コレの存在をなんとなく知っているけど明確にはわからないという方も少なくないです。僕の観測範囲では。いや、正直僕も特に困らないのでなんとなくで使っています。なのであらためて確認してみます。
脱線ついでにそもそもこのボタンは何て名称なんだろう?って思って Copilot Chat で質問をしてみたら「 Source Selector 」だって返事がきました。しかも Microsoft の公式ドキュメントでそういう表現が使われているとの事。
▼ Copilot Chat の回答から一部抜粋

生成AIの回答について判断をするのは人間!という事で別途ググ…インターネット検索してみたところ、どうも探しても「 Source Selector 」という表記は出てこないんですよね。たぶん正式名称みたいなのはなさそうです。で「Toggle」って表記も多いんだけど、これは昔の名残りかと思います。
▼以前のUI

以前はこのようにトグルスイッチだったんですよね。それがいつしか
▼こうなって

▼そして今

トグルスイッチの形状ではなく、単なるボタンの形状に変わっています。
ということで結局このボタンの正式名称はわからないままですが話を戻して、このボタンは何を選択するボタンなのか?それは「情報源」を選択するボタンですね。 Microsoft 365 Copilot Chat の検索や回答の情報源を切り替えるためのオプションボタンですね。「Work」は Microsoft 365 内の社内データを情報源にし、「Web」はインターネット上の情報を情報源にする。と、まぁここまでは知ってる人は多いハズです。ただ、ここからが曖昧な人が多い印象です。僕が良く受ける質問を例に挙げてみます。
「社内情報とインターネット情報を両方情報源にする方法は?」
「Workにすると見られたらいけない情報も情報源にしてしまうのでは?」
特に1つ目の質問に関してはやはり特に Work の方を良く知らない状況だと思います。これらについて僕の現在の認識で明確にしていきたいと思います。間違えていたら当ブログのアンケートやSNSなどでご指摘お願いします。またテナントの設定次第で例外が色々ありましょうが、あくまでも標準の設定のままでの話です。
■「Web」
▼「Web」を選択した状態

これはまさにインターネット上の情報を情報源として回答するモードです。強いて言えば「公開されているインターネット上の情報」ですね。インターネット上の情報でも非公開にされているデータはありますけどそれは対象外ですね。「日本の祝日一覧」など社外の一般知識を知りたい時にはWebを選ぶと良いでしょうね。これが「自社の祝日一覧」となると話は変わりますよね。
■「Work」
▼「Work」を選択した状態

これが実は勘違いしている人が多いんだけど、Workを選択している場合は「 Microsoft 365 内の社内データを情報源にしている」…だけじゃないんです。Workを選択している場合は「 Microsoft 365 内の社内データとインターネット上の公開情報を情報源にしている」なんです。つまり Work じゃなくて Work & Web なんです。あ、いや、たしか挙動としては「 Microsoft 365 内の社内データを情報源にして、回答するには情報源が無い・足りない場合はインターネット上の公開情報を情報源にしている」でしたっけね。いずれにせよインターネット上の公開情報も情報源にしているんです。だとするとボタンの表記も正確には [ Work + Web / Web ] なんでしょうね。ややこしいですよね。
そうなると次に質問を受けるのが「社内データのみ情報源にする方法は?」です。
■社内データのみを情報源にする方法
実は Work を選択した状態で右上の「…」をクリックすると
▼既定値

このように…メニュー下部に「Web検索」というトグルがあり、既定ではオンになっています。だから「Work」は社内データ+インターネット情報だったんです。これが分かればあとは気が付くと思いますが、
▼トグルをオフ

これでWeb検索をオフにする事ができます。
▼この状態だとメッセージ欄上部に注意書きも出る

さて、この状態であれば社内データのみ情報源できると思うじゃないですか。実は僕も最初はそう思っていました。でもあくまでも「Web検索をオフ」なんですよね。どういう事かと言うと、この状態で試しに1月の日本の祝日を教えてもらいます。
▼あれ?回答出してくる

僕のこのテナント内にはこのような情報はありません。そうなんです。「Web検索」っていうのは文字通りWeb検索なんです。それをしないんです。じゃこの情報は?というと、ここからは僕も生成AI自体は詳しくないのでアレですが、生成AIが学習済みの一般知識なんです。たぶん。
これは過去に Copilot さんに質問して教えてもらったのですが(だから話半分で読んでいただければと)、まず生成AIの大規模言語モデル(LLM)として学習済みの一般知識を保持しています。ただこの学習したデータは学習が完了した時点でそれ以降の情報は取り込まれなく、それが「知識カットオフ」って言うようです。それ以降の最新情報をWeb検索をして補うようです。実際、息子が Copilot エージェントを作って高市さんが総理大臣になる直前くらいに「今の総理大臣は?」という質問に対して、 Copilot Chat は「石破 茂氏ですが、すでに辞任を表明しており…」という回答でしたが、息子作の Copilot エージェントは「今の日本の総理大臣は、岸田 文雄氏です。」と古い情報を回答していました。これは息子作の Copilot エージェントの設定でWeb検索しないようになっていたので、知識カットオフされた時の総理大臣が岸田氏だったからですね。その後、息子作の Copilot エージェントにもWeb検索する設定にしたら Copilot Chat と同じ回答になりました。ここらへん詳しく知りたい方は別途学んでみてください。
という事で、WorkにしてWeb検索をオフにしても純粋に社内データのみ情報源にしてくれるわけじゃないです。じゃ、どうしたら良いのか?これはあくまでも僕が試した範囲内ですが、結局 Copilot Chat のメッセージ欄にその旨を伝える事ですかね。
▼こういうお願いをしてみたところ

これはWorkでWeb検索をオフにもしていない状態で「社内データのみを情報源としてください」という一文を追加してお願いをしたところです。するとさっきのようなLLMの学習済みの一般知識は回答せず、しっかりと社内データのみ情報源とした上で、社内データには情報がなかった旨が回答されていました。「結局プロンプト頼みなんかい!」という結果でしたが、他にプロンプト頼みじゃなく純粋に社内データのみを情報源にする方法を知っている方はご一報いただければと思います。(あ、そういうエージェントを作るという方法以外で)
■まとめると
[ Web ]
学習済データ+Web検索
[ Work ](Web検索オン)
M365 の社内データ(自分のアクセス権の範囲内)+学習済データ+Web検索
[ Work ](Web検索オフ)
M365 の社内データ(自分のアクセス権の範囲内)+学習済データ
こんな感じですかね。認識違いあればご指摘お願いします。
■社内データはどこまで情報源に?
さて、最後に非常に多い質問として「Workを選択したら Microsoft 365 の社内データのどこまで情報源にするの?」という質問。これはセキュリティを心配しての質問です。関係者外秘情報など。これはもう明確に「そのユーザーのアクセス権の範囲内」です。 Microsoft 365 のアクセス権の範囲を越える事はありません。あったらヤバイです。これ、実は大昔に SharePoint の管理者をやっていた頃に月に数件問い合わせが来ていた「自分が検索したら検索結果に部外者に見られてはいけない情報がある」というのに類似しています。 SharePoint の検索結果もそのユーザーのアクセス権の範囲内なので、そりゃアナタが作成・編集したドキュメントはアナタの検索結果には表示されますね。でもそのドキュメントにアクセス権がないユーザーには検索結果に表示されません。それと一緒です。ただし気を付けたい点が「過剰共有(オーバーシェアリング)」です。これは Microsoft が Microsoft 365 Copilot を導入する前に大事な事の1つとしても色々なところで注意喚起していましたが、本来共有すべきじゃない範囲に共有されている状態です。単にアクセス権付与や共有リンクの設定ミスで本来共有すべき範囲外にも共有されている状態もあるでしょうし、もっと多いのが例えば人事部のメンバーが他の部に異動になった際に、その人に共有されていた人事部のデータのアクセス権を削除し忘れている状態です。組織変更後ってアクセス権が追加されないと仕事にならないから追加されるけど、異動前の組織のアクセス権が削除されなくても業務に支障出ないですからね。なかなか削除されないです。そうするとこれまで検索だけだと過剰共有状態でのトラブルってあまり起きづらかったけど、 Copilot が入るとトラブルが起きやすくなるので気を付けましょうという事です。とはいえ、これまでも適切なアクセス権を保持するために棚卸制度を設けたとしても形骸化している場合も多く、秘密度ラベルだの機能はありますが、運用課題としては長年の課題だと思います。
という事で Microsoft 365 Copilot ライセンスを持っているユーザーの Microsoft 365 Copilot Chat の「 Work / Web 」についてちょっと調べたりこれまでの自分の知識を整理していたのでまとめてみました。なんとなく使って困らなければ別に知る必要はないとは思いますけどね。