※本記事は Microsoft 365 商用ライセンス版の Clipchamp についての記事です。
皆さんは動画編集アプリの Clipchamp 使っていますか?コロナ禍以降、動画コンテンツのニーズが高まり、 Microsoft としても Microsoft Stream を強化すべく Stream Classic から Stream on SharePoint に移行したり(まだ最中)、 PowerPoint や Microsoft Teams で簡単に録画・収録がしやすくなりました。そして Clipchamp を買収して Microsoft 365 アプリの一員にも加わり、ついに動画編集まででき、 Microsoft 365 内で「録画」→「編集」→「保存」→「共有」と一連の流れが完結できるようになったんですよね。また、 Microsoft Viva が登場したのもコロナ禍ですが、その中で Viva Learning という従業員の学習とトレーニングのモジュールが登場し、動画コンテンツを扱います。そもそも動画コンテンツは外注するか内製するかという選択肢はありますが、 Clipchamp の登場で、より手軽に動画編集できるので、内製しようという動きも出てきている企業もいるかとは思います。いや、少ないのかな?まぁ、いいや。
これまで僕は Clipchamp のストック素材(動画・画像・音楽など)について色々と追いかけて記事にしてきました。
2023年11月に Clipchamp にストック素材が登場しました。
この時から素材に「無料」「プレミアム」という区分けがされていて気になっていたけど、当時はプレミアムも普通に使えていたので、 Microsoft 365 のライセンスは購入しているのでプレミアム扱いなのかな?なんて思っていました。
ところが不安に思って Microsoft のサポートに問い合わせたんです。
結果としては「使えるうちは使ってください」という感じでした。逆を言うと使えなくなったら使えませんという当然の事ですよね(いや、まぁ、使える状態なのに使ったら違反…という状況は以前オンプレミスの SharePoint で良く聞く話でしたが…)。と、まぁ、不安がありつつも使えると思っていたら、雲行きが怪しくなってきたのが「プレミアム」を強調するようになってきた事。
Microsoft Clipchamp :プレミアムプランの登場でまたまた「プレミアム」のストック素材の扱いが怪しい事に…
具体的にはプレミアム素材にはダイヤモンドのマークが付いて「期間限定」をにおわせる説明が付いた事。つまりいつかプレミアム素材は使えなくなるんじゃないか?という事ですね。更に Clipchamp Premium というライセンスが登場した事もあるので、もはや絶望的だと思っていました。Xデーがいつ来るのか?と。
なんで僕がここまでプレミアムストック素材について追いかけているかというと、動画編集において素材って結構大事だと思っています。ちょっとしたオープニング動画や後ろにさりげなく流れるBGMがあるだけでもなんかクオリティ高い動画になります。そして素材を集めるのって大変なんですよね。ネットで探してきても商用利用OKの無料素材なのか?を探すのも大変だし、細かく規約を読むのも大変だし、違反したらNGだし。かと言って会社で素材集を購入するところも多くはないし、中には一昔前の微妙な素材集のまま…というところもあるでしょう。例えば PowerPoint などでは以前からストック画像などがあって著作物かどうかを気にせずに利用できるようになって便利な時代になったと思います。その際に Clipchamp のストック素材を見ると、ダイヤモンドのマークが付いているプレミアム素材の多い事多い事。これが使えなくなったら途端に無料ストック素材は非常に限られて戦力大幅低下…。という事もあり、注目していました。
そしたら、数日前に確認したところ、Xデーがもう訪れていました。確認してみます。
▼「音楽とサウンドエフェクト」
▼「ストック動画」
▼「ストック画像」
▼「グラフィックス」
このようにダイヤモンドマークの説明が「期間限定…」という文言ではなくなり「アップグレードして、このコンテンツを利用」と変わっています。そして見ての通りダイヤモンドマークの素材の多い事多い事。これらがすべて使えなくなるのか!?
また、プレミアム素材を開くと、
▼ここにもアップグレードを促すボタンが…
これ、以前はプレミアムだけどタイムラインに追加のボタンがありました。
▼以前のプレミアムストック画像
そして…やはり…ダイヤモンドマークが付いているプレミアム素材はタイムラインにドラッグしても追加されなくなっていました。う~ん、仕方ないけど残念。
■他にもプレミアムなコンテンツが露出されている
ストック素材だけじゃなく、
▼ブランドキット
以前はメニューになかった「ブランドキット」が表示されました。これは例えばシリーズものの複数動画を編集して制作する際には、同じシリーズものだと認識しやすく一貫性のあるデザインやテイストが必要ですが、フォントや色などをブランドキット化する事で、一貫性を保てるという機能らしいです。僕も Clipchamp Premium は使ったことないのでわからないけど。
また、以前はエクスポート時に表示すらされていなかった 4K の選択肢が表示されていました。
▼品質に「 4K 」が表示されている
■露骨にユーザーにプレミアムを勧めている
Microsoft 365 内の今までの他にはないアプリの動きとして、ユーザーに対して随所でプレミアムを勧めているところがありますね。例えば他にも Teams Premium もあるけど、 Microsoft Teams 内でユーザーに対して Teams Premium の勧める記載やボタンはあまり見かけませんよね。ところが Clipchamp に関しては、露骨にプレミアムをユーザーに勧めています。今まで紹介したストック素材のプレミアムもそうですが、
▼メイン画面の右上にも「プレミアムに移行」のボタンが
▼クリックしたところ
右下には「ライセンスのリクエスト」というボタンがあり、クリックすると、
▼自分以外にもライセンスを追加してほしいユーザーがいれば入力し、「ライセンスのリクエスト」をクリックすると、
▼ライセンスの要求が完了
要求されるとどうなるか?テナント管理者で見てみると、 Microsoft 365 管理センターの右上のベルのマークに数字のバッジが表示され、クリックすると、
▼なぜか英語だけどライセンスリクエストの通知が
詳しくは記載しないけど、最終的には以下の画面にたどり着きました。
▼ライセンスの要求
という事で、ユーザーがライセンスのリクエストを上げると、テナント管理者に通知が行って、検討して付与するなら付与する…という流れです。ただ、ここはたぶん却下か無視されるでしょうね。ここからリクエストじゃなく、実際にIT部門に直接相談して検討してもらわないといけないのが大半の企業のルールかと思います。
ここまで露骨にプレミアムをユーザーに勧めてくるのも僕は珍しいと感じました。おそらく今まではライセンスの検討などはユーザー要望というより、IT部門が検討して決定していくものだと思いますが、特に Clipchamp のようなアプリはガンガン使っているユーザーだからこそプレミアム機能が欲しいと感じるので、ユーザーにプレミアムの価値訴求をしてIT部門に購入してもらうように仕向ける狙いがあるのかな?なんて思いました。あくまでも憶測ですが。ただ、正直ここまで露骨なのは邪魔ですよね。特に買ってもらいたくても買ってもらえなかった場合、その後もずっとプレミアムの表示がウザいほど出てきて、プレミアム素材が使えないのに目の前に表示されているのはちょっと嫌な気分だと思います。ここらへんはどうなんでしょうね。
という事で予想はできていましたが悲報でした。とはいえ無料のストック素材も少ないけどあるはあるので、便利に動画編集をし、本当に必要を感じたらプレミアムのライセンスも検討すると良さそうですね。費用対効果がとれるのか?あたりを検討しなくてはいけませんが。