※対象指定リリース環境で操作しています。
「今から覚悟を!?」とか煽ってしまったけど、個人的には一般展開されたら多くのユーザーが慣れるまで混乱するんじゃないかと予想しています。なので場合によってはしっかりと社内アナウンスした方が良いかもしれないですね。「今から覚悟を!?」は大げさだけど、急に切り替わってもビックリしないように今から知っておきましょう!という感じです。
去年11月に開催された Microsoft Ignite 2022 で発表された New channel experience です。
▼ Microsoft Ignite 2022 の該当セッションから抜粋
プライベートプレビュー環境または新しい Teams アプリにはすでに展開されていますが、それらの環境にアクセスできない方は「新しいチャネル エクスペリエンスって何よ?」って人も少なくないんじゃないかと思います。 Microsoft Ignite だって大規模なイベントだけど世間一般的に知られているものではないし。でもこれ、何も知らずに急に展開されたら結構インパクト大きいんじゃないかと思います。まず一言でこれを説明すると、
上下逆になる
これが一番わかりやすい説明かと思います。この新しいチャネルエクスペリエンスについては、以前 新しい Microsoft Teams アプリがプレビュー提供開始された時に書いた記事の中で下の方で触れています。
ただ、この時はプレビュー提供開始されたての 新しい Microsoft Teams アプリ だったので、通常の利用者にとっては全然現実味のある話ではなかったのですが、現時点では Microsoft 365 で対象指定リリースになっている環境のユーザーだと、今の Microsoft Teams アプリやブラウザー版のプレビュー環境(僕の場合は開発者プレビュー)でも新しいチャネルエクスペリエンスが展開されており、また 2023/05/03 付けで Microsoft 365 管理センターのメッセージセンターに以下のメッセージが公開されており、その中では、新しいチャネルエクスペリエンスの一般展開は「7月下旬~8月上旬」と記載されています。もう少しなんです。
▼(更新済み)Microsoft Teams: 新しいチャネル エクスペリエンス
まぁ、すでに一般展開を延期しているので、今回もまた延期される可能性もあるけど、とにかく変更が一般展開される時は迫ってきているということで、再度確認して、来るべき日、Xデーに備えて覚悟を決めておきましょう!という意味で記事ネタにします。
■「上下逆になる」ってどういう事?
新しいチャネルエクスペリエンスについて知らない方のために、実際に現在のチャネルと新しいチャネルエクスペリエンスのチャネルのスクショを見比べてもらいます。
▼(現)見慣れたUI
現在のチャネルの投稿タブです。見慣れたUIですよね。とりあえずスレッドを3つ作りましたが、古いスレッドが上で新しいスレッドが下です。新規でスレッドを立てるには、下の「新しい投稿」ボタンをクリックしてスレッドの作成ボックスを開きますよね。
▼(新)見慣れないUI
こちらが新しいチャネルエクスペリエンスが展開された環境のチャネルの投稿タブです。古いスレッドが下で新しいスレッドが上です。新規でスレッドを立てるには、一番上に作成ボックスが開かれた状態で表示されています。
これが「上下逆になる」です。時系列が全く逆になるんですよね。
では、どちらも一番古いスレッドに返信をしてみます。
▼(現)
返信したスレッドが一番下に移動します。
▼(新)
返信したスレッドが一番上に移動します。
このように常に鮮度の高い情報が下だったのが、逆に鮮度の高い情報が上になります。
このUX(ユーザー体験)の違いは大きなものかと思います。 Microsoft としてはコチラの方がより直感的で使いやすいUIとの事です。他にもこちらの方が便利な機能もあり、全体的なUXが向上するようです。
ただし、結果的に良い変更であったとしても、現状から大きく変わる変更点は、慣れや現状維持バイアスなどもあり、変更当初はネガティブな印象に感じられがちです。大抵は慣れればネガティブな噂は徐々に消えていくものですけどね。現にすでにだいぶ前から新しいチャネルエクスペリエンスを利用している人は「最初は違和感ガンガンあったけど、もう慣れた」という感想を多く聞いています。
もう一つ、上で紹介した僕の過去の記事内にも書いてるけど、流れが上下逆になるのはチャネルだけなんです。チャットの方は変わらないんです。つまりチャットとチャネルで時系列が上下逆になるんです。これは良いのか悪いのか。慣れが必要かもしれないですね。
この手の大きなUXが変わる変更は、例えば Viva Engage が Yammer だった頃に大きなUIの変更があったけど、上部にトグルスイッチがあって新旧のUIを切り替えられる期間がありました。今回の新しいチャネルエクスペリエンスも新旧のUIを切り替えられる期間があっても良いのかな?と思いますが、そのような設定はないので強制的に展開されたら切り替わって旧UIには戻れなそうです。
■新しいチャネル エクスペリエンス の良いなと思った点
まず1点目は新規スレッドを立てる際の作成ボックスがあらかじめ展開されている点。
▼(現)最下部の「新しい投稿」ボタンをクリックした時
▼(新)最上部の「新しいページを開始する」をクリックした時
現時点の方ではこのままメッセージを書くと、例の「 Enter 誤送信」問題があるわけです。改行しようとして Enter キーを押すと送信されてしまうアレです(改行は Shift + Enter )。今は利用者が慣れたのかだいぶその不満の声減ったけど昔は良く聞く不満点でした。対策の一つとして作成ボックスを展開させると Enter キーは改行扱いになりました。
しかし(新)の方は最初から作成ボックスが展開されている状態なので、すでに Enter キーは改行扱いなので「 Enter 誤送信」問題が起きにくくなります。
もう一つは「件名」です。上述の通り、(現)では作成ボックスが折りたたまれているので件名を入力できません。作成ボックスを展開させないと件名の入力欄がないんです。スレッド型のチャネルの投稿タブにおいてはスレッドに件名を入力するのは結構大事なポイントです。しかし展開させないと入力できることに気が付かないのでなかなか浸透されません。
しかし(新)の方は最初から展開され、クリックすると件名を入力するエリアにマウスカーソルがフォーカスされた状態になるので、件名を入力するクセが付けられそうです。
2点目は「会話を別ウィンドウで表示」が便利そうです。
▼スレッドの右上「…」から「会話を別ウィンドウで表示」をクリックすると、
▼スレッドのウィンドウが表示
これで1スレッドにフォーカスできるのでやりとりが頻繁なスレッドを別ウィンドウにする事により、他の場所との行き来をしなくて済みそうです。そしてチャットと同じ感覚でやりとりができますね。強いて言えば、このメッセージ欄は Enter キーで改行じゃなく送信してしまう従来のと同じUIなので気を付けたいところ。あ、あと現時点ではブラウザー版の方には「会話を別ウィンドウで表示」はメニュー内にありませんでした。
3点目はチャネルの情報ペインが既定で表示されている事(たぶん…)。
▼チャネルの情報ペインとは右側の黄色い矢印の先にあるエリアの事
たぶん…って書いたのはちょっと既定で表示されていたかどうか自信がなくて。自分で開いたんだっけかな?と。たぶん最初から開いてたと思います。なので最初から開いていた前提で話すと、このチャネルの情報ペインはだいぶ前からあったけど全く目立たない存在なのでほとんどの人が気が付きもしていない存在かも。でもこの情報ペインには色々な情報が表示されるし、あとチャネルのメッセージのピン留めをするとこの情報ペインに表示される仕組みなんだけど、これが現在は既定では表示されないので、ピン留めの効果が全くない…という状態がイケてなかったんですよね。(新)の方は情報ペインが既定で表示されているとしたら、チャネルのメッセージのピン留めは多少は活かせるんじゃないかと思います。
■現時点での新しいチャネルエクスペリエンスの微妙だと感じた点
上の方でチャットとチャネルで上下逆になるのでUXが大きく異なるという点が一番の大きな課題になるとは思いますが、その他の気になった点。
1点目は添付ファイル。
▼(新)クリップアイコンをクリックした時に何か足りなくないですか?
▼こちらは(現)の方
2つ足りないけど大事なのは「チームとチャネルを参照」が(新)にはない点!これは早急に、一般展開する頃には表示されていてほしいところ。先にファイルタブ内にアップロードした後にメッセージ内にそのリンクを付けたい時は、面倒だけど「クラウドファイルの添付」から探さないといけないけど結構面倒。ここからも探せるから「チームとチャネルを参照」がなくなってしまったんだとしたらガッカリだぞ。メッセージに直接ドラッグ&ドロップでファイルを置いてる人にはあまり関係ないかもしれないけど。
2点目はアナウンスの見出しに背景画像を設定できない点。
▼(新)のアナウンス
このようにアナウンスの見出しの右下のアイコンをクリックしても背景色の変更はできても背景画像の設定はできません。
▼(現)のアナウンス
現行の方はこのように「背景画像」を設定できるボタンがあります。まぁ小さい事と言ったら小さい事だし、現行の背景画像もストック画像を利用できないから別途画像を準備しなければいけなかったり使い勝手は良くないけど。
という感じで、「新しいチャネルエクスペリエンス」の後半の個人的に感じるメリットデメリット系はあくまでもオマケで、まずは大きなインパクトとしてこのようなアップデートの一般展開が控えているという事だけでも把握して覚えてもらえると、来るべきXデーの戸惑い度を低く保てるんじゃないかと思います。
また、対象指定リリースにしていないIT部門などテナント管理者や利活用促進部門、または社内コミュニティのチャンピオン的存在の人は、今からでも良いので一般展開に先んじて新しいチャネルエクスペリエンスに触れておくと良いかと思います。
今回は僕も対象指定リリースの環境でのザックリとした動作確認なので、一般展開された際にはあらためて触ってみて、大きく今と違う点があった場合には再度記事にします。小さな表現やUIの違い程度ならあらためて記事にはしませんけど。