なんとなく予想していましたが、ついに Yammer ブランドが廃止になります。ただし、タイトルの通り Yammer が消えるのではなく、すでに並行して存在する Microsoft Viva ファミリーの Viva Engage にリブランディングされるという事です。なので機能的には何も問題はないですが、これは僕のあくまでも予想だけど、 Microsoft Viva ファミリーになったという事は、他のファミリーと同様に、何かしら Microsoft Viva の有償ライセンスじゃないと使えない機能が今後出てくるのではないかとは思います。あくまでもオジサンの予想ですが。と思ったけど思い出した。すでに Yammer の設定画面にこんな項目がありました。
特に最後に「価格とライセンスの要件はまだ決定されていません。」と記載されていることから、何かしら有償ライセンスが必要な機能が出る事は明白でしたね。
あ、ちなみに表記については「 Viva Engage 」なのか「 Viva エンゲージ 」なのかはよくわかりません。 Microsoft のアウトプットにも揺れがあるし、実際に Microsoft Teams 内にアプリを追加しても、ナビゲーションには「 Viva エンゲージ」と表示されているのに、実際にアプリ内を見ると「 Viva Engage 」と表示されているので。
▼ Viva エンゲージ? Viva Engage ?どっちなの?
話を戻して、この話は今月 2023/02/13 に Microsoft のブログで公開された情報ですが、まだ廃止までに1年間ほどあるので当ブログのネタとしては放置していたのですが、今朝 Yammer を開いたら Yammer 内でメッセージが表示されていたので急遽記事にしました。
2/13に公開されたブログは以下。
Yammer is evolving to Microsoft Viva Engage with new experiences rolling out today – Microsoft 365 Blog
https://www.microsoft.com/en-us/microsoft-365/blog/2023/02/13/yammer-is-evolving-to-microsoft-viva-engage-with-new-experiences-rolling-out-today/
これを更に日本語訳されたブログは以下。
Yammer は Microsoft Viva Engage に進化し、新しいエクスペリエンスを提供します。 – Japan Windows Blog
https://blogs.windows.com/japan/2023/02/16/yammer-is-evolving-to-microsoft-viva-engage-with-new-experiences-rolling-out-today/
2023/02/13 同日には Microsoft 365 管理センターのメッセージセンターに以下のメッセージも公開されました。
▼(更新済み)Yammer は Viva エンゲージに進化しています
そして今朝 Yammer にメッセージが表示されましたね。
▼ Yammer の上部に表示されたメッセージ
この件に関しては記事タイトルで結論書いてるし、冒頭で少し補足した結論を書いているし、詳細は上でリンク貼ったブログ記事を読めば良いので、これから下はオマケのような僕の長いポエムです(笑)
Wikipedia によると、元々 Yammer は2008年9月にリリースされたサービスで、2012年6月に Microsoft が買収したという経緯があります。まずそういう経緯があるという前提があり…。
思い起こせば、さらに遡って SharePoint 2007 から僕は SharePoint を触り始めましたが、その頃にもすでにブログ機能もあったし、今もある個人サイトコレクションもあり、個人が社内で情報発信をするという基盤はありました。さらにたしか SharePoint 2010 から SharePoint の機能としてニュースフィードなどエンタープレイズ向けのSNSの機能を試行錯誤していたと思います(適当な記憶なので間違えていたらゴメンナサイ)。当時は社内SNSというものに多くの人は懐疑的だったし、 SharePoint のそれらの機能をいかに従業員に使わせないように設定をするか?というのがIT部門の考えだったように思います。一方でユーザー部門は社内SNSを欲する人たちも出てきて、僕が当時所属していた企業もまだ Microsoft に買収される前の Yammer を使いたいと相談してくる部門もありました。まぁ結局IT部門はNGを突き付けるので、結果的にシャドーITが蔓延るわけです…。そんな?タイミングで Yammer を買収して Microsoft 365 (当時は Office 365 )に組み込まれていき、 SharePoint からはSNS的な機能は外れていった流れかと。
そして今に至り、社内SNSってどうなの?というところですね。正直、特に日本では流行ってないと思うし、 Microsoft 365 導入している日本企業の多くは Yammer はほぼ息をしていないと思います。あくまでも僕の憶測ですが。そして多くの人が「 Microsoft Teams と Yammer の使い分けは?」とか「 Microsoft Teams があるからもう Yammer は消えるね」などの疑問や憶測が Microsoft Teams が出てきた5年前あたりから飛んでいました。でも僕は消える事はないと思っていましたよ(後出しジャンケンじゃないです)。というのもたしかに日本企業では使われていないし使ってみようと試みてもなかなか自分以外の人が社内の特定多数に対して発信しようとはしません。しかし、グローバル企業に属してみると一転し、かなり Yammer が利用されて組織の垣根は当然、国境を越えたコミュニケーションが活発でした。そしてもちろん Microsoft も Yammer を終わりにさせるどころか、地味にアップデートをしてきています。開発を止めていないということは終わりにさせるつもりはないという事でもありますよね。 Microsoft としては少なくとも SharePoint 2010 でエンタープライズSNSの機能を実装したあたりから(いや、そのまえのブログ機能がある頃から)今でもなお大事だと思っているハズです。そこらへんの思想は冒頭に紹介した Viva Engage に置き換わる Microsoft のブログ記事にも記載されていますね。特にコロナ禍以降は横のつながりが希薄になりつつあるところに課題感を持つ経営層も多く、そのために Viva Engage !というわけです。
さて、話がややこしくなってきたのはやはり 2021年あたりに提供が開始された Microsoft Viva に「 Viva Engage 」というモジュールが出てきた時。フタを開けてみると実体は Yammer であり、 Microsoft Teams にアプリとして組み込むときに Viva Engage という名前に変わるというわけがわからない状況。元々 Microsoft Teams に Yammer を組み込む「コミュニティ」アプリが存在していましたが、わざわざそのアプリ名を変えたというわけですね。これ、これまでの Yammer や Microsoft 365 の歴史を知っている人にとってはまだ状況把握できるけど、最近 Microsoft 365 を導入した企業であれば混乱のもとですよね。このパターンは例えば Microsoft Lists あたりも似てますね。実体は SharePoint のリストなのに、それを切り出して別名になったのかと思えば、切り出したわけでもなく、イコールなんですよね。 SharePoint のリストのURLを一部イジれば Microsoft Lists のリストにUIが変化するので。
と、まぁそんな状況でややこしいと思いつつ、僕は「いつか Yammer は Viva Engage になるんだろうな?」と思っていました。過去の記事を見返すとそんな予想をしていました。
Microsoft Teams / Yammer:Viva エンゲージ ( Viva Engage ) アプリが来たので触ったみた
この記事の最後に書いていますが、そもそも Yammer は買収した製品名をそのまま使っていたという事と、そんな時に Viva Engage なんて名前が出てきてずっと同時並行するわけないよなぁと。古くから Microsoft 365 に関わってきた方ならきっと同じことを考えていたと思います。そして今回そうなる事が公式に公開されたというわけですね。
と長々とポエムを語ってきたわけですが、今後はどうなるんでしょうね。特に日本企業で Viva Engage としてどうなっていくのか?これは持論ですが、 Microsoft Teams などビジネスチャットはプロジェクトなどの単位でコラボレーションやコミュニケーションに利用されるので、プロジェクトを達成・成功させるためにはメンバーの利用頻度を100%に近いものにしていかなければいけないし、利用人数もメンバー1人でも欠けていればダメだと思っています。一方、社内SNSは組織の垣根を越えたつながり。それは緩いつながりです。業務以外の話題でも良いし、そこから生まれたコミュニケーションにより、他部門のメンバー同士がつながる事で新たなビジネスチャンスが生まれるかもしれない。このような緩いつながりのサービスにおいては、仮に利用率が全体の5%、100人いる会社でたった5人しか使われていなかったとしても、それは導入失敗じゃないと僕は思っています。そのたった5人が組織の垣根を越えて緩くつながっていれば十分だし、仮にその5人で新たなビジネスチャンスを1つでも生み出したらそれはもう大成功じゃないでしょうか。仮にそのつながりによって少なくともその5人の従業員エンゲージメントが上昇していれば大成功じゃないでしょうか。つまり全員が利用する必要があるものではないと思っています。もちろん徐々に利用率が上がれば良いとは思いますが。なので Viva Engage の導入を検討する際のKPIあたりは Microsoft Teams などとは別物と考えて設定した方が良いし、高いKPIを設定して達成できなかったから Viva Engage の利用禁止…みたいな流れがあったとしたら僕は残念に思います。
もちろん考え方は人それぞれなので、あくまでもこれはただのオジサンである僕のポエムです。あとは皆さんそれぞれ同じく Viva Engage にリブランディングされる事を良い機会とし、自分の環境に置き換えてそもそもの必要性から真剣に考えても良いかもしれませんね。おそらく今後1年間でリブランディングされる過程で、さらに Microsoft は Viva Engage のメッセージを多く発信していくだろうし、機能も追加されていく事でしょう(縮小されていく可能性もないわけじゃないけど…)。劇的に変化していく世の中で働き方も大きく変わり今後も変わるであろう中で、その最先端の働き方を真っ先に実践しているのが Microsoft だし、そこに巨額の投資をして多数の優秀な専門家が考え、 Microsoft の社内で先行して利用されたものが我々にフィードバックされていくので、その最先端の思想に触れられる機会でもあります。これからも目が離せませんね。