3年前の2017年にこんな記事を書きました。
僕はこれまでも「 Microsoft Teams 」の読み方がわからない問題もしつこく取り上げたり(現時点では日本マイクロソフト社が明確に「マイクロソフト チームズ」としています)、言葉について執着があるように思われそうですが、言葉って会話をする上で大事だと思うんですよね。
3年経過した今となっては、 Microsoft 365 の話をしている時に「アプリ」という名前を使う時は、更にその言葉が色々な場所で色々な粒度で利用されているので、会話を円滑に進めるためにも認識齟齬がないようにするためにも、場合によっては具体的に「〇〇のアプリ」と言った方がいいのかな?と思ったので、あらためて記事にしてみました。
じゃ、Microsoft 365 & Power Platform の中でどんなアプリがあるのかを、あらためて見てみます。
【1】サービスの事を「アプリ」と言う
そもそも「サービス」と言えばいいのか?「製品」と言えばいいのか?もわからないというか、いやいや、だから「アプリ」なんですってば!ですが…。
▼ Microsoft 365 ホーム
最近UIが変わって左にアイコンが移動しましたが、これの名前も「アプリランチャー」です。そしてこれら1つずつが「アプリ」と呼ばれるようです。
【2】 SharePoint のコンテンツを「アプリ」と言う
かつて SharePoint では「リスト・ライブラリ」と呼んでいたものが、いつだっただろう?うろ覚えだけど SharePoint 2013 あたりからかな?2010 からだったかな?「アプリ」と呼ばれるようになりました。
▼ SharePoint のアプリ
▼ SharePoint ストアの中もアプリ
SharePoint Online になってから僕の耳にはあまり聞かなくなったけど、「 Web アプリケーション」なんて言葉もありますね。
【3】Power Apps の「アプリ」
冒頭に紹介した記事の中では触れていなかったのがコレ。意外とたった3年前ではあっても、当時は Power Apps はほぼ知名度がなく、特に当時の Office 365 観点からは知名度がないので僕も全然取り上げていなかったと思います。
Microsoft Power Platform 4兄弟の1つであり、 for Office 365 としては Microsoft 365 でも利用できる Power Apps 。もちろんアプリを作成・利用するためのサービスなので、 Power Apps で作られたものは「アプリ」です。
▼ Power Apps のアプリ
【4】モバイルの「アプリ」
モバイルデバイスで Microsoft 365 & Power Platform を利用するには、ブラウザからも利用できますが、やはり「アプリ」をインストールしてアプリ上での利用もありますよね。
▼モバイルデバイスのアプリ
と、「アプリ」と言っても大きなところで4つ挙げました。なので会話中に「アプリ」という言葉を出した時に、聞き手はその話の前後から類推してどのアプリか?どういう意味のアプリか?を判断する必要が出てきますが、場合によっては勘違いや混乱してしまう事もあるかもしれないです。以下に少し例を用意しました。
■ 例1
「 SharePoint アプリでアプリを開ける」
アプリでアプリを開くとかややこしいですね。
「 SharePoint モバイルアプリからリストやライブラリなどのアプリを開ける」
と言った方が伝わりやすいと思います。それでもアプリをアプリで開くとはややこしい。
■ 例2
「 SharePoint のアプリをカンタンにアプリにできます」
アプリをアプリ化もややこしいですね。
「 SharePoint のリストをカンタンに Power Apps のアプリにできます」
もはや SharePoint の方はあまり「アプリ」を使わずに「リスト」「ライブラリ」と表現した方が良いかもしれないですね。また、これに関しては知ってる人ならピンと来るけど、 SharePoint も Power Apps もあまり知らない人に SharePoint リストのアプリ化を説明する場合、非常に説明するのが大変かもしれないです。
■ 例3
おそらく一番ややこしいのは Power Apps ですよね。そもそもがアプリを作るためのアプリですからね…。
極端に言うなら Power Apps の話をしているとして
「アプリ内からアプリを作るとアプリからも利用できます」
なんて言い方もできてしまいます。これをちゃんと言うなら、
「 Microsoft 365 のアプリ一覧内の Power Apps からアプリを作ると Power Apps モバイルアプリからも利用できます」
と言えば明確に伝わる…かな?それでも自信ないです…。極端な例を挙げましたが、場合によってはしっかりと「〇〇のアプリ」と伝えないと認識齟齬が発生してしまうのではと思います。
という事で、IT部門がユーザーに説明や問い合わせ対応や話をする上で、言葉の定義や読み方などにギャップがあると認識齟齬からうまく伝わらなかったりトラブルにもなりかねません。また、 Microsoft の中の人自体も、パートナーや顧客と話をする時、SIerが顧客と話をする時などなど…。特に人によって知識・スキルにも差がある場合は、認識齟齬が起きる可能性は更に高くなりそうですね。相手に合わせて言葉をしっかり選んで話す力も必要ですね。また、このようにブログの記事を書いたり、書籍を書く時も注意が必要そうですね。
できれば同じ言葉で様々な意味を持たせずに、なるべく一意の言葉として定義できるような用語にしてくれるとうれしいですね。
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