
実は僕は Microsoft Teams のプライベートチャネルは全く使っていません。仕事においても。チームでアクセス制限はしているけど、チーム内で更にアクセス制限しなければいけないような用途がない、もしくはあえてチームで分ける設計にしているからです。でも僕の場合は多くても数十名程度のチームを管理するから用途がないだけで、色々とお話を聞くと、大規模なチームになるとそういうニーズが多くて、プライベートチャネルを結構利用している企業も多いそうな。また、単にプライベートチャネルが登場して以降に、 Microsoft Teams 自体を良くわかっていない状態でチームやチャネル構成を設計し、今となっては失敗したなぁと感じても、もう後戻りできない…という話も聞きます。
で、そういう時に良く聞く不満が1チームあたりに作成できるプライベートチャネル数です。最大30個しか作成できません。そう聞くと「十分多いのでは?」と正直僕も思ってしまうけど、色々な運用の仕方があって、それじゃ圧倒的に足りないという声を僕もチラホラと聞きました。
今回はそれでお困りの人達に朗報です。そのプライベートチャネルの制限事項が拡大されました。2025/08/13 付けで Microsoft 365 管理センターのメッセージセンターに、以下のメッセージが公開されました。
▼ (更新)Microsoft Teams:プライベートチャネルによる制限の拡大とグループコンプライアンスへの移行(MC1134737)









2025年8月に公開され2026年4月末で完了しているので、8か月と長い期間で遅延や実施がされていました。そして、こんなに長いメッセージはなかなかないですね。とはいえ大半はエンドユーザーにとっては理解するのが難しく、テナント管理者などIT部門の方が真剣に読む必要がありそうですが、ここではザックリと仕様変更前後を比較してみたいと思います。
■1チームあたりのプライベートチャネル数
最大30プライベートチャネルが、最大1000プライベートチャネルに拡張しました。これ、最大30個が少ないと感じていた人たちにとってはおよそ33倍なのでうれしいですね。
■1チャネルあたりのメンバー数
最大250ユーザーだったのが、最大5000ユーザーに拡張しました。これはどうなんだろう?これこそ僕はピンとこないけど、色々な運用があるのでうれしい人もいるんですかね。
■チャネル会議のスケジュール
そもそもプライベートチャネルを使っていなかったので気が付かなかった(もしくは忘れた)けど、以前はプライベートチャネルではチャネル会議をスケジュールできなかったようですね。それができるようになったとの事です。
この3点がエンドユーザー目線での大きな変更です。
■そもそもアーキテクチャの大きな変更
では、ここからは少しアーキテクチャの仕様変更に踏み込みます。どうやら今回の変更の大きなポイントは「メッセージの保存場所の変更」だったようです。おそらくこのアーキテクチャの変更でメッセージ公開から完了までの期間が長かったんだと思います。わかりませんが。
ここから少し話が脱線してしまうのですが、大事なので先に説明をします。 Microsoft Teams のアーキテクチャで今となっては周知されつつあるのは「添付ファイルの保存先」ですね。チャットは添付したユーザーの OneDrive for Business に保存され、チャネルはチームの裏側にある SharePoint のチームサイトのドキュメントライブラリに保存されます。でも「メッセージデータの保存先」についてはまだ知らない人も多いと思います。特にエンドユーザーは。これ僕は結構大事だと思って、仕事のウェビナーなどでは伝えたりしていますが、チャットのメッセージの保存場所は Exchange のチャットメンバー各自のメールボックスにそれぞれ保存されます。チャネルのメッセージの保存場所はチームの裏側にある Microsoft 365 グループのグループメールボックスに保存されます。なぜエンドユーザー目線でも大事かというと、添付ファイルと同じくデータ保護の観点からです。チャットの添付ファイルはその仕様上、添付したユーザーが退職などでアカウントが削除されると、一定期間後にファイルは消えてしまう事は周知されつつあることですよね。これ実はメッセージも同じです。チャットメンバー各自のメールボックスに保存されているという事は、メンバー全員がアカウント削除されれば、メッセージデータはいつか削除されます。でもチャネルのメッセージデータはチーム(その裏のM365グループ)が残っている限り削除されません。添付ファイルもメッセージも仕様と結果が類似しています。だから「グループチャットで業務のやりとりをすべきではない。」と僕は一貫して言っているんです。もちろん後で消えても良い業務のやりとりなら別にイイですけど、特に生成AIの時代が到来して、過去も含めたデータが大事になってくる世の中なので、そこでやりとりしたデータがどこに保存されてどのようにデータ保護されているか?は、エンドユーザーでも意識しないといけないんですよね。
と、話は脱線してしまいましたがこれらを把握した上で、今回の件に戻ります。プライベートチャネルもチャネルなので、上の話だとプライベートチャネルのメッセージはグループメールボックスに行くと思いきや、これは僕も忘れていましたが、プライベートチャネルが登場してから以前までは、プライベートチャネルに関してはチャットと同じくプライベートチャネルメンバー各自のメールボックスに保存されていたようです。そう、プライベートチャネル登場時にも複数記事を書きましたが、かなり特殊なチャネルになっていたんです。で、今回の仕様変更はこの部分が変更されたという事です。つまり現時点ではプライベートチャネルであってもメッセージの保存先はグループメールボックスになりました。
だから今回のアップデートって単なる数値拡大じゃなくて、本質的な変化があったという事ですね。プライベートチャネルが設計上?は小規模利用が前提だったのが、(おそらく)需要に伴い大規模利用に転換し、その転換に応じる形でユーザーメールボックスからグループメールボックスへとアーキテクチャの転換をしたのかと。そうするとそのアーキテクチャの転換によって、 eDiscovery などコンプライアンス機能に関しても変更が波及されているので、メッセージセンターのメッセージがだいぶ長文になってしまっています。
と書いてる僕も、このメッセージセンターのメッセージを読んだ時は単にプライベートチャネルのスケールアップしか読んでいなかったんだけど、記事を書く前に念のため M365 Copilot Chat に聞いてみたら色々と教えてくれたので記事も補完しています。いやぁ、 Copilot 様には頭が下がります。