Microsoft Teams :新しい Teams アプリのチャネルについて【その3】 スレッドの件名大事

新しい Teams アプリへの切り替えトグルスイッチがだいぶ多くのユーザーに表示されるようになってきたと思います。おそらく多くの Microsoft 365 ユーザー企業では、 Microsoft 365 のアップデート情報をIT部門や利活用促進部門が従業員に通知する手段を講じていないと思っています。社内で従業員がそういう話をワイワイできるオープンな場所を持っていない企業も多いと思っています。なので当ブログのような個人で適当に発信してるブログにも検索結果からの流入で特に大きなアップデート後は関連記事のアクセス数が増えます。

という事で、検索結果から当記事にたどり着いた方は、新しい Teams アプリに関しては「切り替えるべき?」「切り替えると何が違うの?」あたりが大きな疑問点だと思います。テナントの設定で新しい Teams アプリが使えないようにされている…などの条件は考慮せずに、まず「切り替えるべき?」に関しては現段階ではどちらでも良いと思います。最終的にはクラシックアプリは廃止になるだろうから新しい Teams アプリに切り替えるべきと言うか強制的に切り替えられると思いますが、並行期間中は切り替えて行き来をして、例えば大事なオンライン商談・会議ではトラブルの可能性を減らすために使い慣れたクラシックアプリを手堅く利用し、通常時は慣れるために新しい Teams アプリを使っておく…などの選択もできるので、そこは自由に判断してもらって良いと思います。次に「切り替えると何が違うの?」に関しては、大きな違いは「最大2倍速くなる」という点ですね。シンプルにそれだけ伝わるだけでも良いとは思います。しかし、更にどう変わったのか?それはどういう理由で変わったのか?うれしいことなのか?あたりは気になる人は気になると思うので、僕の方で気が付く限り徐々に伝えていこうと思います。僕が触った事をベースに説明しますが、理由や考察あたりは完全にタダのオジサンの僕の個人的見解なので、話半分で聞いて欲しいです。

あ、念のため書いておきますが、多くのユーザーが、新しい Teams アプリを触った時に気が付く違和感だと思うので「新しい Teams アプリのチャネルについて」というタイトルにしていますが、厳密には新旧アプリ関係ない「新しい チャネル エクスペリエンス」というアップデートの話です。

一応これはシリーズものになっていて、

Microsoft Teams :新しい Teams アプリのチャネルについて【その1】 チャネル情報

Microsoft Teams :新しい Teams アプリのチャネルについて【その2】 時系列を上下逆に

に続く、第3弾です。

■その前にクラシックアプリから振り返る

「 Microsoft Teams のチームのチャネルにスレッドを立てる際に、スレッドの件名を入力していますか?」

と質問したら、「入力してます!」「入力してません」の他に「何それ?」って人も少なくないのでは?と思っています。スレッドの件名の事をすでに知っている人にとっては当たり前の事かもしれませんが、あれ、気が付きにくいんですよね。

▼従来のチャネルで「新しい投稿」ボタンをクリックして、新規スレッドを立てようとすると、

▼作成ボックスが折りたたまれた簡易作成ボックスの状態が既定

まずこの状態なので、件名なんてある事すら気が付きませんよね。左下の「A」のボタンで作成ボックスを展開させられるじゃん?って思う人もソコソコ Microsoft Teams に慣れている人で、たぶん多くのユーザーはここら辺のアイコンを不必要に触ろうと試みないと思います。あくまでも僕も経験則ですけどね。割と多くの人は不必要に色々なところを触らないです。変な事が起きたら怖いという思いがあったり、逆に目的さえ達成できれば興味がないという気持ちもあり。話を戻すと、作成ボックスが折りたたまれた状態では件名の存在に気が付きません。じゃ第二段階として作成ボックスを展開したとします。

▼作成ボックスを展開

はい、この状態でカーソルの位置は「件名を追加」を通り越して本文のままなんですよね。だから自然とここから入力するのは心理です。「件名を追加」が太字で若干大きな文字サイズになっていますが、おそらく気が付かずにスルーして本文を書く人が多いと思います。またここら辺はUI上の問題ですが、どこが入力できる場所なのか?が分かりにくいので、わざわざクリックしないとここが入力できるエリアなのかも認識できなかったりもします。特にチャットというとまず多くの人はビジネスチャットから初めて使った人は少なく、多くの人は LINE で個人的に愛用していると思いますが、 LINE などのチャットには件名ないですよね。なのでチャットで件名を入力する習慣がないという点もあると思います。

結局、何が言いたかったかというと、おそらく多くの人はスレッドの件名を入力していないんじゃないかと思うし、そもそも件名の存在すら知らないんじゃないかと思います。特に Microsoft Teams 初心者の方は。

という状態を意識して、さて、新しい Teams アプリというか、新しいチャネルエクスペリエンスの方を触ってみます。

■新しい Teams アプリ(新しいチャネルエクスペリエンス)のスレッドの件名

まずは前回第2弾の説明から、スレッドの時系列が逆になっていない既定の状態の場合。

▼「投稿を開始する」をクリックして、新規スレッドを立てようとすると、

▼この状態

つぎにスレッドの時系列を逆にした時の場合。

▼「投稿」ボタンをクリックすると、

▼同じくこの状態

これわかります?すでに上でクラシックアプリから振り返ったところで説明をしているからわかると思います。新しいチャネルエクスペリエンスではスレッドを立てようとした時点で、すでに作成ボックスが展開された状態になっており、かつカーソルが件名に当たっているんです。「件名から入力しましょう」と言わんばかりに。新しいチャネルエクスペリエンスの変更点の中では小さな変更点に思われるけど、僕にとっては結構大きいと思っています。

■スレッドの件名付ける必要がある?

さて、実はSNSで観測したんだけど、新しい Teams アプリについて「スレッド作成する際に件名にカーソルが当たっている仕様が最悪」みたいなこの変化をマイナスに感じている人もいます。たしかにもしこれがチャットだったらウザいかもしれないです。でもチームのチャネルの投稿っていわゆるチャット的な使い方じゃないですよね。スレッド内の返信でガンガンにやりとりが発生する事はあっても、スレッド自体がガンガンに立つわけではないと思います。チャネル内はスレッド単位で整理されてコミュニケーションが図られます。複雑なコミュニケーションを想定してトピック事にスレッドが立つわけです。そのスレッドがどんなトピックなのか?というのは、やはり件名を入力してパっと探せる状態にした方が良いと思っています。この話は色々なところでしていますが、 YouTube にもスレッドに件名を入れると良いですよって動画を出しているので紹介しておきます。

Microsoft Teams 【僕のべスプラ】チームのチャネルの投稿の『件名』って大事!
https://youtu.be/0EiBSnrlaxM?si=r3zY3464ESowomBH

この動画で、同じ内容で件名が未入力な状態と入力済な状態で見比べたりしていますが、やはりスレッドの件名は僕は大事だと思います。

■展開された作成ボックスが閉じられない?つまり「改行」をする時に…

さて、新しいチャネルエクスペリエンスでは作成ボックスが展開された状態が既定になりましたが、良く見るとそのアイコンがないんですよね。

▼良く見ると「A」と鉛筆の作成ボックスを開閉するアイコンが見当たらない

つまり、展開された作成ボックスを閉じる手段がないのかな?という点です。いや、正直閉じる必要は僕は無いので個人的にはどうでも良いけどちょっと気になる。

じゃ、ショートカットキーはどうだろう?新しい Teams アプリのショートカットキー一覧を見ると、

▼「作成ボックスを展開」があった

ショートカットキーを試してみます。

▼「件名」にマウスカーソルが当たってる状態だと何も起きません

▼メッセージにマウスカーソルが当たってる状態で「 Ctrl Shift X 」をすると、

▼ボタンになってしまった…

あぁ、そういう閉じられ方をするわけね。

じゃ、時系列を逆にした時は?

▼やはり「件名」にマウスカーソルが当たってる状態だと何も起きません

▼メッセージにマウスカーソルが当たってる状態で「 Ctrl Shift X 」をすると、

▼やはりこの状態になってしまうか

つまり、僕の試した限りだと、新しいチャネルエクスペリエンスでは、作成ボックスを閉じた簡易作成ボックスでの入力はできなくなったという認識です。

これ更に何が言いたいかというと、「改行」の体験も変わるというわけです。

「 Enter 誤送信問題」、これは長い間 Microsoft Teams の不満として定期的に出てきます。

Microsoft Teams :利用者目線での気になる点 「Enterで誤爆(誤送信) 編」

Word や PowerPoint も改行は Shift + Enter なんですが、一般的に「改行は Enter」という認識があるため、 Microsoft Teams もメッセージ欄で文章を入力していて、つい改行したくて Enter を押すと送信してしまう…という、僕も Microsoft Teams 触りたての頃はたまにやっちゃいました。1度2度誤爆して失敗してしまえば、あとは慣れればなんてことないんですけどね。で、もしそれを回避したい場合は作成ボックスを展開させた時は Enter は改行扱いになるんですよね。

そう、つまり、新しいチャネルエクスペリエンスでは作成ボックスを閉じた簡易作成ボックス状態にできない認識なので、つまりチャネルでスレッド立てる場合は Enter も改行なんですよ。これも地味に体験が変わると思います。

しかし、僕はこれはむしろあまり良くないと思っています。それは Microsoft Teams のメッセージング全体を通すと一貫性が欠けるからです。「スレッドを立てる」「スレッド内で返信する」「チャットでメッセージ」と3つあるとしたら、

▼チャネルにスレッドを立てる際には Enter は改行される

ここまでは良いですが、

▼チャネルのスレッド内で返信する場合は Enter は送信

▼チャットでも Enter は送信

同じメッセージ欄に文章を入力するという体験なのに、場所によって体験が異なる。これはなかなか気持ち悪いと思います。僕の場合は、 Microsoft Teams に限らず「改行は Shift + Enter 」でクセを付けているので、スレッド立てる際にも Shift + Enter でも改行扱いなので体験は統一されます。あ、不思議と Excel は Alt + Enter が改行なので違うけど、僕そもそも Excel で改行するような利用をほぼしていないので…。

なので Microsoft Teams の Enter 誤送信問題は今後も定期的にSNSなどで騒がすのは変わりないんじゃないかと思います。


という事で、新しいチャネルエクスペリエンスによるチャネルのスレッド作成時の体験がちょっと変わったけど、僕にとっては結構大きな変更だと思った点を取り上げてみました。「改行」に関する一貫性が損なった部分は残念ポイントですが、でもスレッドに件名を入力してもらう誘導としては良い変更だと思います。皆さんはどう思いますか?