Microsoft Teams の会議でライブキャプションをオンにして会議をしているとたまに「*****」と単語が隠されて表示される場合があります。これは「冒涜的」な単語だと判断してフィルター処理をされた状態です。冒涜的な表現の定義や基準がわからないのでなんとも言えないけど、以前、日本語・英語・中国語の3か国語を話せるメンバーでライブキャプションの自動翻訳機能の検証をした時に、誤認で「***」が出たところから脱線して、どの単語だったらOKでどの単語だったらNGなのか?というテストをしたことがあるけど、なんだか曖昧というか「え?これは大丈夫なんだ?」という事が多かったです。また、紳士的な会話をしているのに「***」と表示される事があって、おそらく似たような発音の単語が冒涜的ワードに誤認されたんじゃないかという場面もあります。
今まではこのフィルター処理が常にオンの状態でオフにすることができませんでしたが、設定項目でオフにすることができるようになるという事です。
2023/04/05 付けで Microsoft 365 管理センターのメッセージセンターに以下のメッセージが公開されました。
▼ (更新済み)Teams 会議でのライブ キャプションの不適切なフィルター処理のオン/オフ制御
僕の環境で昨日設定項目が追加されていたので試してみます。
■まずはフィルター処理されている状態を確認
オフを確認する前に、オンの状態を確認してみます。
では会議中、意図的に冒涜的な言葉を発してみます。
▼フィルター処理されています
このように下はライブキャプション、右はトランスクリプト、どちらも「***。」と表示されています。これ僕は何を言ったのか?男子小学生がすぐに思い浮かぶワードです。「うんち」って言いました(笑)
■フィルター処理をオフにする
▼ Microsoft Teams の右上「…」から「設定」
▼「キャプションと文字起こし」内
この「会議のキャプションで冒涜的な単語をフィルター処理する」が既定でオンになっているので、トグルをクリックしてオフにします。
僕が試した限りだと、会議中に設定変更してもその会議では反映されませんでした。なので設定を有効にするには一旦会議を退室してから再入室しましょう。
■フィルター処理をオフにした状態で再びあの言葉を発してみる
▼発してみた
ライブキャプションは「***。」じゃなくちゃんと?「うんち。」で表示されています。一方、トランスクリプトの方は「***。」のままです。つまりこの設定項目が有効になるのはあくまでもキャプションの方のみですね。その場だけ見えるだけ。文字起こしで記録はされないようです。
■なんでオフにできるようになったのか?勝手に考察
冒涜的な言葉の定義や基準がわかりませんが、とくに業務上では使うべき言葉ではないとは思います。じゃ、なんでオフにできるようにしたのか?それはメッセージセンターのメッセージにも理由は記載されていません。そこで僕が勝手にテキトーに考えてみたところ大きく2点考えました。
1点目は学問的にその冒涜的な言葉を使う時。例えば「ウンチ」がフィルター処理されるので、
▼フィルター処理されてしまうと困るけど、
▼フィルター処理をオフにすればOK
このように例えば「うんちを肥料にする。」のように、学問的というか必要でその言葉を使う場合、でもフィルター処理されてしまうと意味がわからなくなってしまいます。そもそもライブキャプションの用途の中には耳の不自由な人に理解をしてもらう用途もあるので、会議参加者の中で耳の不自由な人のみフィルター処理のせいで理解ができない状態になるのも残念な事ですよね。そういう意味でも必要な場合はフィルター処理をオフにすると良いでしょうね。
2点目は誤認の問題。正しく聞き取れなくてあるワードがフィルター処理されてしまうと文章全体が全くわからなくなってしまいます。しかしフィルター処理されていない状態であれば誤認したワードから似た発音を推測して文章全体の意味を理解する事ができますよね。例えば「Aさんが蘊蓄(うんちく)を述べた。」と会話した際に「うんちく」を「うんち」と誤認した場合は、フィルター処理されていれば「Aさんが***を述べた。」だと全くわからないけど「Aさんがうんちを述べた。」なら更にこの会話の前後から判断して「あ、蘊蓄の事だな。」と気付ける可能性は高くなるという感じです。ちょっと例えが悪かったかな。
という事で勝手に僕が考察したら2点フィルター処理をオフにする用途を見出しましたが、皆さんも何かこのフィルター処理が邪魔になるシーンがあったら、この設定項目がある事を思い出してください。