Microsoft Teams :ライブキャプション・トランスクリプトの音声言語の初期値の挙動に変化が

以前からライブキャプション・トランスクリプトで、とある事に不満を持っていた人も少なくはないハズ。それは音声言語の初期値が英語になっている事。日本人が日本語で会議をして日本語でライブキャプションやトランスクリプトを使う時に、毎回機能をオンにした後に音声言語を英語から日本語に変更をしないといけない。これ最初から初期値を日本語にできないの?という不満。それが解消されそうです。これは僕の観測している限りだと特に Microsoft 365 管理センターのメッセージセンターに該当するメッセージはありませんでした。

実は異変には1週間前くらいに気が付いていて、ライブキャプションの自動翻訳機能が登場した記事を書いた時です。

Microsoft Teams :ライブキャプションに自動翻訳機能が登場!

この中のスクショに実は見慣れないチェック項目があったんですよ。

▼音声言語選択ボックスの「常にこれを自分の話し言葉にする」

これを見かけた時に音声言語の初期値を自分の好きな言語に設定できるのでは?と思いました。でも実はこの時に試したところ正常に作動しなかったんです。だからあえてこの記事では触れずにいました。おそらく正常動作しないのにUIだけ出てしまったのではと思います。たまにある事ですからね。

そして1週間くらい経って昨日、いつも助けてもらっている太田さんがSNSでこのチェック項目が太田さんの環境にも展開されて正常に動作しているという連絡をもらいました。ついでにある程度の挙動も教えてもらって感謝です。僕はそれを元に自分でも試してみます。

■まず大きく変わった事

そもそもライブキャプションの自動翻訳機能の記事を書くのに試していた6日前と挙動が変わっています。何かというと、

▼会議ウィンドウのバーの「…」→「ライブ キャプションをオンにする」

6日前の時点ではこの操作をするとすぐにライブキャプションが音声言語が英語の状態でオンになりました。しかし現在は?

▼オンになる前に音声言語の選択ボックスが表示されるようになりました

そして音声言語を見てみてください。初期値が「日本語(日本)」になっているじゃないですか。以前から不満を持っていた人はこれで解消されるんじゃないですかね。このまま「確認」ボタンを押せばすぐに音声言語が日本語でライブキャプションが開始されるので。
▼このように日本語で字幕が表示されます

■音声言語の初期値はどこで設定するの?

この時点で音声言語の初期値が日本語になっていたけど、その初期値はどこで設定するのか?これは実はすでに太田さんに教えてもらっていました。 Microsoft Teams 自体の言語設定に依存するようです。

▼ Microsoft Teams のメインウィンドウからの設定の「アプリの言語」

ここの言語がそのまま音声言語の初期値となるようです。試しにここを変更してみます。

▼英語じゃなくフランス語に変更してみます

▼ Microsoft Teams 全体の言語がフランス語に変わりました

▼会議に入り、フランス語サッパリわからないけどアイコンを頼りにライブキャプションをオンに

▼おぉ、やはり音声言語の初期値がフランス語になっていました

という事で音声言語の初期値は Microsoft Teams 自体の言語に依存する形でした。

■音声言語の初期値を別の言語にしたい

さて、日本人が日本語の会議で日本語のライブキャプションを表示させたい場合はこれで不満が解消されるでしょう。しかし中には日本人だけど英語の会議が多くて英語のライブキャプションを表示させたい場合もあり、その場合は今までは初期値が英語だったので問題なかったけど、今回の仕様変更で逆に開始前に初期値が日本語になっているから英語に切り替えるという無駄な動作が増えてしまう事になります。そこで、つまり「 Microsoft Teams 自体の言語設定は日本語だけど、ライブキャプション・トランスクリプトの音声言語の初期値は英語にしたい」という要望をどう叶えるか?

▼そこでこの「常にこれを自分の話し言葉にする」ですね

このチェック項目が6日前の時点では全く動作が反映されなかったけど現在はちゃんと動きます。

▼音声言語を希望の言語に変更して、「常に…」のチェックボックスをチェックしてライブキャプションを開始します

▼新しく会議に参加し「ライブキャプションをオンにする」をクリックすると、

▼音声言語の選択ボックスは表示されずすぐにライブキャプションが開始されます

字幕に「 Paste. 」が表示されているとおり音声言語が英語になっています。(これ僕は「test」と発音したつもりなんですけどね…)つまり、一旦「常に…」のチェックボックスにチェックを入れると、そこ時点で選択していた音声言語が初期値として記憶されるようです。

▼実際音声言語の設定を確認したら英語になっていました

という事で、 Microsoft Teams 自体の言語設定は日本語だけど、仕事上会議のライブキャプションやトランスクリプトは英語というような人の場合は、このチェックボックスを利用しましょう。

逆を言うと、 Microsoft Teams 自体の言語設定が日本語で、会議のライブキャプション・トランスクリプトも日本語を使う人の場合は、このチェックボックスはチェックする必要はありませんね。

▼このままで良いですね

今回、ライブキャプションで試してみていますが、ライブキャプションとトランスクリプトの音声言語設定は共通なので、ライブキャプションを開始する際にこのボックスの設定項目を変更すればトランスクリプトも同じ設定値という事です。また、これも毎回説明入れていますが、ライブキャプションのオンオフ自体は参加者それぞれの挙動なので、自分がライブキャプションをオンにしたところで参加者全員に字幕が表示されるわけではありません。しかしライブキャプションの設定値に関しては会議で共通になります。つまり日本語でライブキャプション開始されたところで自分が音声言語を英語に変更すると参加者全員字幕を表示していたら全員英語に変更されてしまうという事です。でも、音声言語とは喋る人の言語の設定です。そこは字幕を読む人の好みで切り替える事ではなくあくまでも喋っている人の言語に音声言語を合わせれば良いですね。音声言語ではなく字幕の言語の方は他の人に影響を与えません。なので、例えば多言語の人達が集まる会議で話者が英語で参加者が様々な言語の人達という場合は、音声言語は英語に固定設定し、字幕の言語は参加者それぞれが自分の得意な言語に変更すれば、英語の人は英語の字幕、日本語の人は日本語の字幕、フランス語の人はフランス語の字幕で表示されるというわけです。

という事で、そもそもライブキャプションやトランスクリプトがどのくらい活用されているか?はわかりませんが、これまで一つの大きな不満がこの仕様変更で解消されたと思います。是非使ってみましょう。