Outlook :メールのリアクションを改めて試してみたらたぶん仕様が変わっていた

久しぶりに当ブログ内のアクセスランキングを見ていたら、過去にない傾向が出てきました。それは以下の記事が急にTOP3に浮上してきていたんです。

Outlook :今更だけどメールのリアクションを試してみる

1年半前に書いた記事で、これまで全然ランクインしていなかったのになんで急浮上したのか疑問に思いましたが、実は先日この機能に関して違和感を覚えていたのでなんとなく心当たりがあったんです。その心当たりが正しかったかどうかは別として、良い機会なので改めて試してみます。

■最近の違和感とは?

違和感を覚えたのはメールのやりとりです。諸事情で僕は Exchange Online じゃない環境からメールを送信したのですが、相手は Exchange Online の環境で Outlook の受信メールからリアクションをしたようです。そのリアクションした事がメールで受信されたんですよね。あれ?1年半前に試した時はお互い Exchange Online を使用している場合のみの機能だったハズなのに。

■以前の記事で試した事をおさらい(あらためて試す)

Outlook のメールのリアクションを、まずは同一テナント内のユーザーとのメールのやりとりでテストします。

▼とりあえずメールを送信(送信済メール)

▼受信者の受信メール

このように受信メールの右上にスマイルのアイコンがあって、マウスカーソルを当てるとリアクションの種類が表示されます。チャットと同じように受信したメールに対してわざわざ返信で「承知しました」を送信せずともOKな間柄であれば、このリアクションだけで済ませるとコミュニケーションコストが下がりますね。サムズアップのリアクションをしてみます。

▼送信者の画面

リアクションがあると送信者には通知されます。そして送信したメールを見てもリアクションが表示され、

▼マウスカーソルを当てると誰がどんなリアクションしたかわかる

このように同一テナント内(社内)のユーザー同士であれば、機能的にはしっかり機能するので、あとは関係性やルールを配慮して、メールにもリアクションを返す文化を根付かせるのも良いでしょう。こういうのがなかった頃は「メール内容確認しました。」だけの内容でも返信で送信し、メールマナー的な「●●さん お疲れ様です。」とか「以上、よろしくお願いします。」とか署名が入った返信メールのやりとりがありましたからね。それがリアクションをワンクリックするだけで相手に伝える目的が完了するなら良いですよね。

次に別テナント(つまりお客様など社外)のユーザーとのメールのやりとりでテストします。ただし、相手も Microsoft 365 ユーザーであり、 Exchange Online を利用した Outlook 利用ユーザーです。

▼別テナントのユーザーが受信したメール

このように同じくリアクションができるので、リアクションしてみると、

▼送信者の画面

このように別テナントのユーザーであってもリアクションした通知が表示され、リアクションが追加されます。

▼リアクションにマウスカーソルを当てるとテナント外ユーザーの名前が表示される

さて、ここからが問題です。 Exchange Online 環境じゃない人とのやりとりはどうなのか?1年半前2023年2月に試した時は Gmail ユーザーで試しましたが、

▼2023年2月当時のスクショ

このように Gmail にリアクションをする機能がないので、そもそも受信者がリアクションできないという結果でした。ただ、僕は大事な検証をし忘れていたんですね。Gmail ユーザーが送信したメールを Exchange Online を利用した Outlook ユーザーが受信した時にリアクションをしてみたらどうなるのか?です。これはウッカリしていましたね。ただ、当時の Microsoft 365 サポートのページを見ると、

▼2023年2月当時のスクショ

このような記載があったので、 Outlook のリアクション機能は、 Exchange Online メールボックスのみの機能であるという事でした。

■今あらためて試してみる

「 Exchange Online 環境のユーザー」と「非 Exchange Online 環境のユーザー」とのメールのやりとりでリアクションのテストを改めて試してみます。今回も Gmail で試します。

▼ Exchange Online 環境のユーザーがメールを送信

前回の検証では Gmail 側にリアクション機能がないので無理でしたが、

▼ Gmail ユーザーがメールを受信

あ、右上にスマイルアイコンがある!

▼多彩な絵文字でリアクションできそう

調べると、2023年10月あたりに Gmail にもリアクション機能が追加されたようです。ではここからサムズアップの絵文字でリアクションをしてみます。

▼Gmail 側では受信メール自体に自分がリアクションした事がわかるようになっています

じゃ、送信者側(リアクションを受ける方)はどうなのか?

▼こんなメールを受信しました

リアクションをしたという返信メールが自動送信されるんですね。 Gmail 側のリアクション機能と互換性があるわけではないので、

▼送信者の送信済メールにはリアクションが表示されません

という事でやはり Exchange Online 環境のユーザー同士が一番良いですが、それでも非 Exchange Online 環境のユーザーとも一応リアクションのやりとりができるようになりましたね。

こうなると逆に 非 Exchange Online 環境のユーザーから送信されたメールを Exchange Online 環境のユーザーがリアクションしたら?というのも予想できますが、やってみます。

▼ Gmail ユーザーがメールを送信

▼ Outlook 側で受信

ではリアクションしてみます。

▼リアクションしました

待てど暮らせど何も起きなかった…。これ想定外でした。2回試したけどどちらも何もアクションなかったです。僕の想定では Gmail 側にリアクションがありましたって自動返信メールが届くハズだったんです。だって冒頭で違和感について説明した通り、非 Exchange Online 環境のユーザーとしてリアクションの自動返信メールを僕は受信したので。(Gmail側の迷惑メールボックスも確認したけどなかった)

なので、 Gmail 以外で試してみます。試してみて知ったけど、 Microsoft アカウントの Outlook のメールにはリアクション機能がありませんでした。

▼なので Microsoft アカウントの Outlook からメールを送ります

▼ Exchange Online 環境のユーザーが受信したメールに対してリアクションをしました

▼するとやはりリアクションしたという自動返信メールが送信されていました

これ Microsoft アカウントの Outlook も Microsoft のサービスだからできるんじゃない?というわけではなく、スクショは大人の事情で出せませんが、他のメールサービスのメールで同じことをしても、やはりリアクションした自動返信メールが送信されました。

という事で僕が試した限りだと、現時点ではメールのリアクション機能はテナント内外問わず Exchange Online 環境のユーザー同士なら問題なく利用でき、非 Exchange Online 環境のユーザーに対してはリアクションをしたことを知らせる自動返信メールが送信される事で相手にリアクションをした事を知らせる仕組みはあるようです。ただし Gmail の場合はうまくいきませんでした。

あ、そうそう、 Gmail は Gmail 自体にリアクション機能があったので自動返信メール扱いだけどリアクションをする事はできましたが、まぁ多くのメールサービスにはリアクション機能はないので、リアクション機能がないメールサービスのメールアドレスで受信した場合は、当然リアクションをする事はできませんね。

■注意点

長いビジネスメール文化に対して、メールをリアクションで返すという文化がおそらくビジネスチャット以上に根付いていないのでは?と思います。そもそもそういう機能がある事すら知らない人が多いかもしれません。更に Microsoft 365 ユーザー企業同士ならまだしも、それ以外のメールサービスを利用している企業にとっては更に全く浸透していないと思います。

また、例えば社内でビジネスチャットもあるのにメールでコミュニケーションをしている場合、もしかしたらビジネスチャットに反発するような言い方選ばず言えば「お堅い人」かもしれません。カジュアルにリアクションしてしまうと、色々と角が立つ場合もありそうです。なので、メールのリアクションはチャットのリアクション以上に相手や雰囲気を考慮して使わないと危険かもしれませんね。

もう一つ気を付けたいところが、一度リアクションしたリアクションの絵文字を変更したり、一度取り消して再度リアクションをする時。僕が試した限りだと、 Exchange Online 環境のユーザー同士であれば、リアクションの絵文字の種類を変更するだけなら何も通知もなく変更されるけど、一度リアクションを取り消して再度リアクションを付け直せば通知が再度飛びました。一方、非 Exchange Online 環境のユーザーがそこにいると良くない事が起きます。

▼気を付けたい…

リアクションし直すごとに自動返信メールが飛びました。メールスレッド汚しですね。なので特に非 Exchange Online 環境のユーザーが宛先などに追加されている場合は、カジュアルにリアクションを付け直す事は避けた方が良さそうです。

■ Microsoft 365 サポートのページも変更されていた

最後に上の方でサポートページの該当部分を抜粋したスクショを出しましたが、

▼コレです

同じページを再度確認してみたところ、

Microsoft Outlook での反応 – Microsoft 365 サポート
https://support.microsoft.com/ja-jp/office/06315501-a790-4a2a-90c1-fbc89d84c393

▼現在のスクショ

「重要」の記載が変更されていて、だいぶ詳細に書かれていました。今回に該当する部分は2項目目です。送信者と受信者の両方に Exchange Online メールボックスがある場合にのみ完全機能。非 Exchange Online の送信者には代わりにフォールバックメールの形式でリアクションが送信されます。そしてリアクション機能は Exchange Online 内のさまざまな組織に属するユーザーにも機能します、という点はつまりテナント内外問わず Exchange Online 環境のユーザー同士なら完全に機能しますという事ですね。


という事で試した工程から書いているので冗長な記事になっていますが(それはいつもの事)、結果としては、1年半前と今とで仕様が変わっていたという事です。

冒頭に1年半前の記事が急にアクセス数が多くなってきている理由が何だかはわかりませんが、とりあえず気になったので再確認してみた次第です。