Outlook :今更だけどメールのリアクションを試してみる

※いつもに増して長い前置きなので興味がなければ飛ばしてください。

■長い前置き

皆さんは10年くらい前に仕事でもコミュニケーションがメールからチャットに置き換わる世界を想像できていましたか?なかなかできなかったんじゃないでしょうか。

一方、プライベートでは皆さんの過半数は家族や友人とのコミュニケーションがキャリアメールやSMSから LINE に置き換わっていると思います。軽く調べると LINE がリリースされたのが2011年、そこから1年後の2012年には国内のスマホユーザーの2人に1人が LINE を利用するまでに爆発的に成長したようです。これはつまりメールよりもチャットの方が圧倒的に良いからですよね。ちょっと使ってみてダメだったらここまで成長しませんから。そして今ではおそらく LINE からメールに戻るのは厳しいんじゃないかと思います。つまり、プライベートではすでにコミュニケーション手段をメールからチャットに置き換える効果やメリットを体感できているんです。

だけど仕事ではなかなかビジネスチャットの利活用は伸びず…という状況が5年前くらいの世界でした。 Microsoft Teams が今5歳ですが、出た当初のつまり5年前はとにかくどうやってチャットを使ってもらうか?という点やメールと比較してチャットのメリットをアピールする文脈での利活用促進の啓蒙活動あたりが頻繁に行われていた記憶があります。でも多くの人は「仕事はメール」で慣れ親しんでいるのでビジネスチャットに懐疑的だったし利活用もなかなか定着せずに失敗している企業も多い印象です。
しかし、良くも悪くもコロナ禍が原因で在宅勤務を余儀なくされ、自然とビジネスチャットの利活用の強力な後押しとなり、今では「メールよりもチャットの方がこんなメリットがありますよ」系のアウトプットは非常に少なくなってきましたね。つまりもうそういう説明をする時代ではなく、世の中が次のステップに進んでいるんです。逆を言うと未だにビジネスチャットの利活用が滞っている企業はそれ自体がどうのこうのと言うよりも「世の中の流れに柔軟に乗れていない」という点で大きな課題なのでは?と思います。

なんでこんな話を冒頭にしたのかというと、ビジネスチャットのメリットの一つに「反応の早さ」があると思います。無駄な挨拶や形式的な定型文を省いて内容のみでやり取りできる点、そして「リアクション」ですよね。わざわざ返信せずとも絵文字のリアクションで意思を示せる。例えば「〇〇で良いでしょうか?」とチャットした時に、サムアップの絵文字でリアクションするだけで意思を示せます。1秒足らずです。ビジネスチャットにおいて「リアクション」は大事な要素の一つですね。しかし、未だに良く聞くけど「上司に向かって絵文字でリアクションなんて何事か!」なんて聞きますね。聞いていて非常に残念に思います。

さて、そのリアクションですが、チャットからメールに逆輸入?されているんですよね。それが今日の本題です。 Outlook のメールにもリアクションの機能があります。だいぶ以前から存在していますね。僕の記憶では Microsoft Teams が誕生した後に追加された機能だと思います(違っていたらゴメンナサイ)。社内コミュニケーションがメールからチャットに置き換わっても、メールが100%消えたわけでもなく、またコミュニケーションの内容次第で使い分けているようなケースもあると思います。そんな中で、割とカジュアルな内容のメールであれば、リアクションで迅速に反応できますよね。

正直なところ、僕はここ数年間はメールでのコミュニケーションはほぼ皆無です。社内外問わず。特に社外の人と頻繁にメールをするような業務内容ではなかったので余計に。で、社内からのメールに僕からこのリアクションで反応を示した事は何度かあったけど、僕のメールにリアクションをしてもらった経験はゼロなんです。なのでふと思ったわけですよ。リアクションされたらどんな挙動になるのかな?って。なので、今回今更だけど試してみます。

長い前置きが終わったところで試してみます。

■試してみる

※メールはすべて Outlook on the web を利用します。

▼まずはメール送信

今回宛先に指定したのは以下の4パターンです。

  • テナント内のユーザー
  • テナント外の Microsoft 365 ユーザー(ゲスト)
  • テナント外の Microsoft 365 ユーザー(ゲストじゃない)
  • Gmailのメールアドレス

■テナント内ユーザー

▼テナント内ユーザーが受信したメール

そもそもリアクションの方法は?というと、メールの右上の顔のアイコンですね。

▼マウスカーソルを当てるだけで絵文字の種類が出てきます

この中から反応したい絵文字をクリックします。

すると、リアクションもらった側(メール送信者)は?

▼PCの通知音が鳴って、ブラウザー内に通知が出てきました

▼ポップアップの通知を逃しても、右上のベルのアイコンをクリックした通知フィード内にも通知があります

▼通知をクリックすれば送信したメールが表示されます

右上を見るとリアクションされている事を見る事ができます。

▼それぞれのリアクションの絵文字にマウスカーソルを当てると

このように誰がどの絵文字でリアクションをしたのかがわかります。ここらへんは Microsoft Teams のチャットのリアクションと同じ挙動ですね。

で、メール受信者たち(リアクションする側)で見てみると、

▼メール受信者たちもリアクションは自分以外の人がつけたリアクションも表示されます

ただ、僕が色々試してみた限り、 Microsoft Teams のチャットのリアクションに比べると挙動に怪しい部分があります。

▼例えばこれ

同じメールを表示しているのに、左と右でリアクションの部分に差異がありますよね。このようにちゃんとリアクションが全員同じに見えない場合があったり、リアクションの絵文字の種類を付け替えても相手にそれが反映されにくかったりするケースも見受けられました。ただ、その後時間を置けば全員同じ表示だったので、反映される時間に差があるようでした。

■テナント外の Microsoft 365 ユーザー(ゲスト)

次にテナント外だけどゲストユーザーである人がメールにリアクションをしたら?

▼ちゃんとリアクションを受信できています

この「元気 でる子」さんがゲストユーザーです。

■テナント外の Microsoft 365 ユーザー(ゲストじゃない)

次にゲストユーザーでもないテナント外だけど Microsoft 365 ユーザーの場合、リアクションしたら?

▼ちゃんとリアクションを受信できています

この「怒り ます代」さんがゲストじゃないテナント外の Microsoft 365 ユーザーです。

■ Gmailのメールアドレス

最後に Gmail のメールアドレス、つまりそもそも Microsoft 365 ユーザーではない場合。これは…そもそもメールを受信したところで、

▼ Gmail にリアクションをする機能がないですからね

あるとしたら、誰かがリアクションをしたらリアクション機能がないメールアドレスには通知メールが飛んだりするのかな?とか思ったけど、そういうのもありませんでした。まぁリアクションごとに通知メールが飛んで来たらウザいですもんね。なので、 Microsoft 365 ユーザー以外のメールアドレスは完全にリアクションは関係ないですね。

という事で色々試してみましたが、なんとなくテナント内しか使えないという先入観があったので、テナント外のユーザーがしかもゲストユーザーじゃなくても利用できる点はちょっと意外でした。

で、最後に Microsoft 365 サポートの該当ページを調べて読んでみました。

Microsoft Outlook での反応 – Microsoft 365 サポート
https://support.microsoft.com/ja-jp/office/06315501-a790-4a2a-90c1-fbc89d84c393

するとやはり冒頭ではリアクションするために返信しなくてもリアクションがありますよ!という利用シーンから説明が入っていましたね。

▼気になる点が、こちら(該当部分を抜粋引用)

「既定ではメッセージング相手が組織内にあり…」との事。あれ?テナント外でもゲストユーザーじゃなくてもリアクションできたけど?僕の方で何か特別な設定をしたのかな?でも使っているテナントは Exchange 関連はドノーマルなんですよね。ここらへんはちょっと僕にもよくわからないです。なので、気になる方は自分の環境でも検証してみてください。

でもやはりリアクションは Microsoft Teams のチャットの方に軍配が上がりますね。 Outlook のメールのリアクションの方は反応に少し遅延があったり若干正確性が怪しいところもある感じです。また、チャットはチャットルームを見れば自分の送信メッセージもすぐ視認できるけど、メールって基本的には開くと受信メールが表示されて自分の送信メールを見るには送信済みアイテムあたりをチェックしないといけないですよね(返信があればスレッド化されるけど)。つまり自分のメールに対してのリアクションを把握するのはチャットの方がしやすいと思います。
とはいえ、チャットの方で浸透してきたリアクションをメールの方にも取り込むことで、まぁ色々事情があってまだメールを良く利用している環境でも反応が気軽に楽にできるようになりますね。
強いて言えば、チャットよりもメールの方が内容がお堅い内容の可能性があるのですが、カジュアルなやりとりならリアクションで良いですけど、時と場合によってはリアクションが失礼に当たる可能性があるのはチャットと違う世界観なので今のところは配慮すべきところですね。あと、そのリアクションが顔のアイコンにマウスカーソルを当てるだけで出てきちゃうので、操作ミスでリアクションしてしまう可能性も無きにしも非ず?