SharePoint :セクションの背景が新しくなった

SharePoint を単体で使っていますか?ページやニュース使っていますか?なんとなく Microsoft Teams が出て来てから SharePoint は縁の下の力持ち的存在になってしまい、知らないところでチームの裏側でライブラリが利用されている程度な会社が多い気がします。とはいえ、いわゆるポータルサイトはどうしても必要かというとそういうわけでもなく、結局目的が達成できているのであれば手段は何でも良いんですよね。なので無理して SharePoint を単体で使わなきゃいけないという考えもまた違うのかなと。一昔前までは SharePoint はリストがメインだったと記憶しています。「お知らせリスト」なるテンプレートがあり、それが掲示板的役割でした。掲示板と言っても双方向ではなく、いわゆる通達・連絡のように一方向の発信に利用されていましたね。でも今は(今ってほどでもないけど)やはりページ・ニュースをいかに使うか?が SharePoint の単体利用のキーとなると思います。

いつもの事ですが冒頭から脱線していますが、あまり利用されていない印象の SharePoint のページ・ニュースですが、よく聞くのが「わかりにくいUI」「直感的ではない操作性」という感想。僕は SharePoint 2007 から触っているので、昔に比べれば格段に良くなったし、また当ブログも WordPress 使っていますが、 WordPress と結構似た操作感なんですよね。むしろこれ以上わかりやすいUIってどんなものだろう?よりわかりやすくすると逆に「シンプル過ぎてもっと自由に操作させろ」みたいに、どんな状況でも文句言ってやらない理由見つけているのでは?とか疑ってしまいそうになります。とはいえ、最近 SharePoint 触ってみた人や WordPress なんか触った事ない人達からしたら、率直な感想として「わかりにくい」などのネガティブな感想は出てきてしまうかもしれないですね。

そんなページ・ニュースですが、まず1ページ内にセクションという枠組みを設けられ、そのセクション内に多種な Webパーツを追加していくというパズルなのですが、今回はその「セクション」のデザインに関するアップデート。

2024/03/05 付けで Microsoft 365 管理センターのメッセージセンターに以下のメッセージが公開されました。

▼ Microsoft SharePoint Online: ページとニュースの新しいセクションの背景

簡単に言えばセクションの背景のオプションが増えたという事ですね。そもそもセクションの背景が指定できるようになったのは、2019年1月あたりの事。

SharePoint :モダンページで「セクションの背景(Section background)」が指定できるようになった!

当時から今までは4種類の背景色のみでした。これは適用されているテーマによって色は違いますが、背景色なしと、ニュートラルは背景色、ソフトな背景色、濃い背景色という感じです。

それが今回のアップデートで4種類から16種類に増え、更に少し細かく設定できる項目が追加されました。僕の環境にもようやく展開されたので、見てみます。

▼セクションの編集

▼セクションの編集パネル

この背景のオプションが、今まで上部1行の4種類だったのが、12種類に増えていますね。メッセージセンターのメッセージ内には「キュレーション」という言葉がちょくちょくあったけど調べてもイマイチよく意味を理解できないので放置しておきますが、とにかく従来の4つは単色だったけど、新しく加わった種類はグラデーションだったりイラスト画像が背景になったりしますね。

▼元々あった4種類を選ぶと単色で背景色が変わったけど、

▼新しい選択肢を選ぶと更に多彩になります

そして、新しい選択肢を選んだ場合、その下に「オーバーレイの色」「オーバーレイの透明度」という項目も指定できます。これは簡単に言えば背景色と文字色のコントラストをとるための設定項目です。これは可読性につながる大事な設定です。単色の背景色の場合は SharePoint 側が良きに計らってくれていましたが、新色はグラデーションやイラストなど様々な色が使われているため、作り手が読み手に配慮しなければいけません。

ただ、あらかじめ配慮されていて、

▼例えばこの背景の場合はオーバーレイの透明度は「84」ですが、

▼この背景の場合はオーバーレイの透明度は「60」です

あらかじめ SharePoint 側で配慮された設定に既定で調整されています。設定を間違えると、

▼このように可読性が著しく低下します

なのであまり既定値から変更しない方が良いかもしれないですね。

▼ツールチップにも同様な説明書きがありました

現時点では指定された背景の種類が4種類から16種類に増えましたが、今後はここにユーザー側が準備したオリジナルの画像を背景として使用できるようになるアップデートも控えているそうです。


このようにセクションの背景色がバリエーション豊かに変更できるようになりましたが、冒頭も少し触れましたが、多機能とシンプルは相反します。そして SharePoint 触った感想の中で「自由度が低い」という感想もありますが、自由には責任が伴います。例えば「背景色はカラーパレットから自由に選びたい」「文字色も自由に選びたい」という要望も聞きますが、過去の SharePoint では自由にできた反面、読みづらいコンテンツが量産されている現場も見てきました。ユーザビリティ・アクセシビリティあたりを勉強していないユーザーが作ってしまうとそうなってしまいがちです。そこらへんは気を付けたいところです。
またセクションに背景を設定する意味も考えておきたいところです。カラフルにすれば良いかと言うと、読む側からしたら目が散らばってしまいます。僕個人的にはページ内で注目してほしいセクションにピンポイントでアピールする際には濃色やグラデーションやイラストを利用した方が良いと思います。他、淡色系であれば、未設定と交互に配置する事で網掛け的な効果を出せたりもするでしょう。とにかく自由度が増すという事は、それなりに考慮すべきポイントが増えていくという事です。僕は「シンプルイズベスト」だと思っています。