Microsoft Teams :チャットやチャネルのメッセージ内の添付ファイルがプレビューできる(まずはPDFから)

Microsoft Teams のチャットやチャネルのメッセージにファイルを添付する事は、多くの人が仕事で1日1回は最低でも行う行為かと思います。以前はファイルの種類のアイコンなどが表示されたリンクが生成されるくらいでしたが、去年2024年7月あたりにプレビュー画像が表示されるようになりました。

Microsoft Teams :メッセージの添付ファイルにプレビューが表示されるようになった

この記事内でも書いているけど、たしかにファイル名だけでは内容が類推できない場合でも1ページ目のプレビュー画像が表示される事により、中身を開かずとも内容を類推しやすくはなったけど、 PowerPoint なら表紙だけ見えてもだいたいファイル名と表紙のタイトルは同じ事が多いのでそんなに意味があるように思えないし、 Excel なら細かいシートがプレビュー画像で表示されても内容を類推しづらいので、実際はそんなにうれしいのかな?なんて思いました。

ただ、今回はその次のステップのアップデートかと思いますが、こっちはうれしいアップデートです。

2024/11/15 付けで Microsoft 365 管理センターのメッセージセンターに、以下のメッセージが公開されました。

▼ (更新済み)Microsoft Teams: ファイル インタラクティブ プレビュー

今まではプレビュー画像という1ページ目だけサムネイル表示されているような感じだったけど、今回のプレビューは完全にファイルの中身をプレビュー表示できるという事です。

メッセージの公開日が3か月前と結構前だけど何度か展開時期が延期されたようです。そして一般提供開始がようやくスタートされ、僕の環境にも展開されたので試してみます。

■試してみる

▼メッセージの添付ファイル(PDF)

PDFファイルが添付されたメッセージのプレビュー画像を見ると、右下に再生ボタンが表示されています。このプレビュー画像にマウスカーソルを置くと、

▼「プレビュー」の文字が出てくる

でもプレビューしたい場合、このボタンだけが押せる範囲ではなく、プレビュー画像全体がクリックできる範囲です。クリックしてみると、

▼プレビュー画像のおよそ4倍くらいのサイズに拡大表示

このようにある程度読めるサイズでファイルの中身を確認できます。プレビュー画像のように最初の1ページだけ確認できるわけではなく、ファイル全部を確認できるのが良いですね。プレビューを閉じたい場合は右上の内向きの矢印2つのボタンをクリックすればOKです。

■この機能がどう良いのか?考察

さて、動作を確認したところで疑問を持つ人もいるハズ。「だから何?」って。添付ファイルのリンクを確認して中身が気になったら開けばイイだけでしょ?と。デスクトップアプリででも開けるし、 Microsoft Teams 内でも開けますからね。じゃ、このようにプレビューできる事がどう良いのか?これは実際に仕事をしている事を仮定して試してみると良いと思います。

想定としては「チャットにメッセージが来て、添付ファイルのある部分をレビューしてほしいという依頼を受けた」というシナリオ。共同編集してほしいわけではなく、確認して指摘してほしいという場合。つまり添付ファイルを編集せずに閲覧のみ。

まずはプレビューを使わずに作業をしてみます。

▼こういう依頼がチャットから来たとします

プレビュー機能がなかったらを想定して、ファイルリンクをクリックすれば既定の挙動だと Microsoft Teams 内で開くので、その挙動を想定します。

▼ Microsoft Teams の画面で最大で開かれます

さて、まずはここで開くのに数秒の時間が発生します。次に、この時にチャットでお願いをされたとおりに指定された4つのスライドを確認して、問題なければ問題ないし指摘事項があったら指摘事項をチャットで返信する必要があると思いますが、すると画面全体で PowerPoint が表示されてしまっているので、この状態でチャットは確認できないです。「あれ?4つのスライドって何スライド目だったっけ?」という時に、またチャットに戻らなければいけません。また、指摘事項があった場合、チャット画面が無いので指摘事項があったら別途メモ帳などを開いてそちらに書いておく必要があります。最終的にそのメモ帳などに記載した文章をチャットに戻ってコピペして送信という作業です。どうでしょうか?色々と課題点があると思います。余計な事をアレコレと考えたり、あっちからこっちに移動中に思考が分断される可能性が高いです。もちろん工夫次第でプレビュー機能がなくてもその可能性を低くさせる事は可能ですが。

では、プレビュー機能を利用した時はどうでしょうか?

▼プレビュー機能を利用した場合

まずプレビュー機能を表示させる際にかかった時間は「 Teams (既定)」で開く方法よりも短いです。もちろんデスクトップアプリで開くよりも時間は短いです。次にファイルを適度に拡大させた状態でチャットはそのまま表示されて返信も書ける点は大きいです。チャット内に記載された情報も読みながら、ファイルも表示でき、それに対しての返信メッセージも入力できます。複数作業が1つの画面で移動せずに行えるので今集中すべきことに集中しやすいし、「チャット内容やっぱり確認したいから…えっと…あ、またチャットに戻らなきゃ」「レビューをチャットに書けないから…メモ帳でいいかな?別途開かなければ」みたいな余計な事をアレコレ考える必要もありません。

このように比べてみるとプレビュー機能が凄く便利かも?って思えてきますね。

■現時点ではまだ段階的な展開期間中

さて、メッセージセンターのメッセージ内に記載があるけど、この機能の展開は段階的に展開されます。

▼メッセージから該当箇所を抜粋引用

このようにPDFファイルから先行して開始し、 PowerPoint Word そして Excel などの他の一般的な形式のファイルをサポートを徐々にしていくようです。また、展開当初は1メッセージ内に1ファイルの時に利用可能ですが、今後は1メッセージに複数ファイルを添付した時でも利用可能になるそうです。

現時点での僕の環境で確認をしてみると、

▼ PowerPoint もプレビューが使えるので、

▼このようにプレビューする事が可能ですが、

▼ Word や Excel はプレビューができません(右下にボタンがない)

また、「などの他の一般的な形式のファイルをサポートを徐々に…」という記載がありますが、何をもって一般的な形式とするかは不明なので、どのファイルが今後サポートされていくのかはわかりません。おそらくどこかのタイミングで明らかにされるとは思いますが。

そして、現時点でプレビューが利用できる PDF と PowerPoint を1つのメッセージ内に添付すると、

▼現時点ではこのようにプレビュー機能が利用できません(右下にボタンがない)

という事で、今後段階的にサポートされていきますが、現時点でも PDF と PowerPoint がプレビューできるのは便利だと思います。メッセージセンターのメッセージの概要の下あたりにも記載がありますが、「プレビューを利用すると、ユーザーは作業フロー内でファイルを確認できるので、コンテキストの切り替えが最小限に抑えられ、ユーザーの効率が向上する可能性がある。」という事です。すでに上の方で僕も考察を入れていますが、チャットをしている最中に添付されたファイルを確認したい場合、そのファイルが開かれるまで待つ間にそれまで考えていた思考が分断されてしまいます。思考が分断すると効率は低下するので、極力思考が分断しないようになるこのような機能は非常に良いですね。

あとは現時点では Microsoft 365 Copilot ライセンスがあっても、添付ファイルからすぐに要約してもらったりはできないので、今後できるようになると良いですね。