ついに念願が叶いました! Microsoft MVP のみ参加できる年に一度のお祭り「 MVP Global Summit 」。日本では通称「グロサミ」と呼ばれています。このお祭りに参加できる日が来るとは!今回初参加という事でレポート書きます!長いレポートになってしまったので、どうでもよいところは飛ばして読んでください(笑) 自分への備忘録も兼ねているので。
■ まずは家族に感謝!
諸事情で3月1日から無職なのですが、更に諸事情で次の職場が見つかっていない状態です。そんな中、「せっかくだから行ってきなよ!来年行ける保証はないんでしょ?」と快く背中を後押ししてくれた嫁さんには感謝しています。世間一般的な嫁さんだったら確実にキレられていますよね。下手したら離婚モノかもしれないです。つまり、 Microsoft MVP になるまでも、なった後もそうだけど、家庭を持つ人なら家族の協力って非常に大事なんですよね。僕は恵まれています。
■ MVP Global Summit とは?
アメリカはワシントン州のベルビューとレドモンドにある Microsoft 本社で開催される特別なイベントです。世界中の Microsoft MVP が集まり、 Microsoft 社員の製品グループの人たちのセッションを聞いたり、議論やフィードバックができます。今年は3月17日~20日。他に21日~22日で追加のセッションやワークショップがありました。
■ NDA、つまり誰にも内容を話せない…
Microsoft MVP は個人で Microsoft とNDAを結んでいるのですが、 MVP Global Summit においては、セッションの内容や議論の内容はおろか、セッション会場の中の撮影やセッション名すら共有できません。更に、セッションを受けていない他の Microsoft MVP にも話してはいけないという厳しさ。なので、期間中は食べた食事の写真や仲間との記念撮影や撮影可能な Microsoft 本社の敷地内の写真くらいしか SNS にアップできないんですね。本記事の文章や写真も全てNDAの範囲外となります。
■ Microsoft は太っ腹!
MVP Global Summit の何が凄いのかって宿泊費や食事代はお金がかからない点。 Microsoft がおごってくれます。さすがに交通費は出してくれないので無料とまではいきません。 MVP Global Summit 用のツアーを用意してくれるのですが、ザックリと20万円強かかります。所属する会社によってはこれを海外出張扱いで出してくれるところもあるみたいで、そうなると本当にほぼ無料になりますね。それが無理だとしても、約20万円は安いですよね。ホテルに到着すれば、そこから Microsoft 本社までは車で20分くらいかかるけど、無料送迎バスが定期的に走ってるので現地の移動もタダです。ただし、ちょっと気を付けないといけない事があります。ホテルの宿泊費がタダなのには条件があって、ルームシェアの時のみ無料で、1人で1部屋の場合は宿泊費の半額を負担しなければいけません。つまり、知らない人同士と一緒に宿泊しなければいけません。ただし、極力同じ国の人を組み合わせてくれます(実際に僕も同じ日本人の方でした)。 Microsoft MVP は割とお金持ちが多いので1人部屋の人も結構いるみたいです。
■ 英語話せない&海外旅行経験がない人はツアーがおススメ
現地集合現地解散が基本ですが、英語話せなくて海外旅行経験がない(少ない)人には非常に敷居が高いです。そんな人向けにツアーを準備してくれます。飛行機のチケットの手配からシアトル・タコマ空港~ホテルの送迎、軽い観光までがセットです。特に普段関りの少ない他カテゴリの MVP の人たちと一緒に移動できるのも貴重です。僕の場合は、ツアーがなかったらおそらく MVP Global Summit 自体に参加していなかったと思うので、迷わずツアー参加一択です。ただ、日程が21日には帰国するので、21日~22日の追加セッションに参加したい方や、ついでに観光をしたい方はツアーは合いませんね。とはいえ、ツアーガイドさんがずっと付いてきてくれるわけではないので、入出国の審査などは自力です。これはドキドキしますが、結果的にツアーだから良かったという感じでした。理由は後ほど。
■ 参加したければ早めに行動を!
例年3月に開催されるけど、3月と言えば日本では年度末で繁忙期。この期間に約1週間渡米するので、所属する会社とはできるだけ早めに交渉しておかないといけませんね。ちなみに僕は即交渉したところ、「出張扱いじゃなくて有給で良いです!交通費も自腹で良いです!」と訴えたけど、忙しいからダメかもしれないという反応があったので、ちょうど退職するつもりだったから2月末に退職する旨を伝えて、無職で MVP Global Summit に参加しました。詳細はわかりませんが日本のMVPの中でも半数くらいは参加していると思いますが、やはり仕事が忙しくて参加できなかったMVPも多いようです。残念ですね。逆に上述の通り、MVPを大事にしてくれる会社に所属していると、海外出張扱いで有給ではなく下手したら出張手当も付く?そして交通費も会社で負担してくれるような最高な企業もあるようです。NDAで得た情報を共有できないのに、です。うらやましい!
■ 慣れないので準備が大変
渡航準備は荷物については最悪現地調達すれば良いので、最低限の下着や服の準備。とはいえ、お金はなるべく使いたくないので(無職だから)、結局荷物の大半は服でした。あっちの電源プラグは日本と同じ形をしていて電圧も変圧器は必要ないので助かります。あと僕はシャワートイレ無しでは生きていけない(大げさ)身体なので、向こうにはそんなものはないから、TOTOの携帯ウォッシュレットを持っていきました。これは本当に重宝します。
あとは、入出国審査で預かり荷物と手荷物の検査があるので、それを考慮しないといけません。当日トラブルになりたくないので結構調べました。バッテリーは手荷物とか、歯磨き粉も液体のうちだとか。特に日本語が通じないところで止められると泣きそうになるんで、それだけは避けたい!
荷物の他にも色々準備が必要ですね。パスポート。そしてESTAとやら。ツアーの手続きや入金。MVP Global Summit 自体の登録。そしてそこらへんのTIPSは全て先輩MVPから情報を得て自分の中で昇華。慣れない人は仕事や家庭で肉体的・精神的に余裕がないと準備だけでテンパるかもしれないです。大げさですが。
■ Home 365 的、僕だけの事前準備
折角 Office 365 の MVP なので、準備も Office 365 で行いました。まずは何も考えずに Microsoft Teams でチームを作成します。メンバーは自分だけでも良いのですが、嫁さんも追加しています。タブには MVP Global Summit のサイトを追加したり、 OneNote を追加したり、そして Microsoft Planner を追加します。タスクは全て Microsoft Planner で管理。嫁さんにも共有できて良いです
SNSでは「 #MVPSummit 」のハッシュタグがあるので、専用のチャネルを作ってそのハッシュタグのツイートがあるとチャネルに流れるように設定もします。また、 Microsoft Flow を使ってそのハッシュタグのツイートがあると日本語以外の言語だった場合、日本語に翻訳して Microsoft Teams にメッセージするフローも Microsoft Flow で作ったけど、翻訳のコネクタである Microsoft Translator は、コネクタの呼び出し数が1日150件までのようで、 MVP Global Summit が近づくにつれハッシュタグのツイート数も増えてきて、すぐに1日150件は食いつぶされて機能しなくなりました。正直 Twitter アプリ側で翻訳機能もあるのでこれはお蔵入り。
ただ、ツイートする側として PowerApps でアプリを作成しました。元々勉強会用に固定ハッシュタグでツイートできるアプリを作成していたので、それを MVP Global Summit 用に改造しました。また、自動翻訳機能を付けて英語でもツイートできるようにしています。ただし、翻訳の精度がアレなのでそのまま簡単にツイートするわけにはいきませんが…。これが功を奏したのかは知りませんが、イベント期間中に上述のハッシュタグでツイートをしたMVPの中で僕はTOP3位だったようです(笑)
■ 出国・入国の審査にドキドキ
海外旅行はこれまで片手で数えるほどですが経験はあります。ただ、慣れているわけでもなく米国は初めてなのでドキドキします。出国時の手荷物検査ではいつも手間取るのですが、少しでもトラブルを回避しようとズボンのベルトは付けない事にしました(キャリーケースの方へ)。なので若干ズボンが落ちそうになりながら頑張ったのに、ブーっと鳴りました…。原因はブーツの金具です。海外に行く際にはブーツはやめといた方が良いですね。今回のフライトは9時間ですが、僕の座席は窓際で通路まで2名の外国人がいたので席から出る勇気もなく、幸いフライト前にトイレで色々と絞り出した事もあり、便意や尿意もなく9時間一回も席を立たずに座りっぱなしでした。しっかし狭くて辛い。 Microsoft MVP 達はお金持ちの人も多く、快適な空の旅をしている人たちもいました。裏山です。時差ボケも考慮して睡眠する時間帯を調整しようとしたけど、思いのほか寝つきが悪くて失敗しました。これは後々響いてきます。で、シアトル・タコマ空港に到着し、いよいよ最大の難関である入国審査。英語での質問にしっかり答えないと個室に連れていかて誰も助けられない…という怖い話を色々聞いていたのでドキドキでした。結果としてアッサリ終わりました。特に問題がなかったのと、ツアーで行った事が大正解だったんです。ツアーの人たちの後ろに付いていったんだけど、「何しに来たの?」という質問に事前にプリントアウトしたメールをみせて「 MVP Global Summit 」って伝えると、すでに僕の前に何人もの日本人MVPが通過しているので、オマエもか!という感じですんなり通った感じです。
さて、ここからは日記風に書くと更に長文になるので、適当に掻い摘んで書きます。
■ あっちの天気
事前情報では日本より寒く、例年天気があまりよくないとのことでしたが、今年は異常気象じゃないか?というくらいずっと快晴でした。たしかに朝と夜は多少冷え込むけど、日中は半袖Tシャツ1枚になるくらいの時もありました。上着が邪魔で仕方ないです。イベント開催後には雨が降っていたようなので、強力な雨男か雨女が複数人参加していたのではないかと思います。そしてマイクロソフト本社の部屋の中は寒いです。海外の人はそれでも半袖Tシャツ1枚とか結構いるので…身体の構造が違うので仕方ないです。
■ ホテル
Courtyard Marriott Bellevue Downtown というホテルです。受付やパーティーがある Hyatt のホテルやショッピングモールがあるところから直線で2区画くらい離れていて近いと思ったら、1区画が大きいので結局歩くと10分~15分くらいかかったかな。でも静かな感じで良かったです。中は2名には十分の広さでした。温度もほどよく快適。ベッドの高さは尋常じゃないほど高かったけど寝心地は良かったです。あとチップ忘れがちです。
■ ホテルの朝食
これは日本のビジネスホテルでも同じなのかな?ほぼ毎朝同じレパートリーです。まずフレッシュな野菜が皆無です。その代わり?フルーツがたくさんあります。イチゴとブルーベリーとパイナップルとメロン2種類。僕はメロン大好きだけど嫁さんがメロン嫌いなので1年のうちにメロンを食べられる機会は1回あるかないかという感じなので、ここぞとばかりに食べまくったので比較的幸せな朝食でした(下の写真の3日目のメロンが少ないのは、うれしすぎて写真撮る前にメロンを食べまくったあとだからです)。あとはマフィンが美味しかった!そうそう、ウワサではベーコンがカリッカリという話でしたが、本当にカリッカリでした。ベーコンやハムやチーズはベーグルに挟むと美味しそうだったのですが、ベーグルがメッチャ大きくて…朝食にはヘビーそうなので断念しています。
■ マイクロソフト本社
とにかく広大な敷地です。ビル間の移動は徒歩では厳しくバスが循環しています。とても会社とは思えない。敷地内に道路があるばかりか移動するのに高速道路を跨がないといけないとか、わけがわからないです。それぞれの建物の中も広いです。廊下だけでも普通に1部屋分の横幅はありそう。外には運動場がたくさんあるし、ツリーハウスなんかもあるし、平日の勤務時間中なのに社員かはわからないけど敷地内をジョギングしている人がいたり。もう自分の環境が悲しくなりますね(いや、まぁ今は無職ですが…)。とにかく想像の100倍以上凄くて、薄っぺらい言い方だけど、日本のIT企業が太刀打ちできるわけないと思いました。これを見るだけでも Microsoft MVP になる価値があるくらいだと、大げさだけど思いました。
■ マイクロソフト本社内での昼食など
イベント中はとにかく食べるものに困りません。上述の広い廊下などにほぼ1日中何かしらがたくさん置いてあり自由に食べられます。お昼時はしっかりした料理が、それ以外にもボリュームあるお菓子やフルーツなど。事前情報では日本人のお口には合わない…とのことですが、僕は比較的美味しいと思えるレンジが広い幸せな人間でして、たまに違和感ある味付けもあったけど、概ね美味しく食べられました。後から先輩MVPに話を聞くと、今年の料理はクオリティ高かったそうです。いつもと違って食べられる!と言っていました。とにかくお腹が空いたと思った事がなかったです。そのくらい凄かった。で、海外の方は良く食べます。ビックリするほど食べます。そりゃ大きいわけだわ!
■ 飲料
日本マイクロソフトの品川本社でも飲み物は飲み放題ですが、もちろんこちらのマイクロソフト本社も飲み放題です。冷蔵庫の中にはコーラをはじめマウンテンデューやドクターペッパーからよくわからないココナツアーモンド?なんかもありました。また、ウォーターサーバーみたいなのに怪しい水があります。レモンが入っていたり、イチゴ&ミントだったり。そしてさすがの僕も美味しいとは思えなかった「キューカンバー&ミント」の水。キュウリを水に入れて飲むとは…。思い切り青臭かったです。あ、ちなみに僕はコーヒーがあまり得意ではないのでコーヒーの話はしません。
■ ストア
僕が主にセッションに行っていたビルの中に Microsoft のストアがありました。色々売られているのですが、MVP は安く購入できます。どこまで話して良いかわからないのですが、僕は高くて2年間購入を迷っていた Surface Pen を買いました。2年間も迷っていたのに買ったという事はそれだけ安かったという事です。 Surface Go を買っている人が結構いましたね。無職の僕には無理でした。ただ、残念ながら Office 365 関連のグッズが全然なかった!
■ パーティー
夜は大抵何かしらのパーティーがあります。なので夕飯も基本的には無料です。参加必須ではないのでちょっと顔を出して雰囲気を味わったら抜け出す人も結構いて、そこらへんは自由な感じです。ここでも英語話せていたらもっと世界が広がるんだろうなぁと思いました。
■ 最後の夜のパーティー
ガチのパーティーが最後の夜にあります。23時まで開催されているけどせっかくなのでギリギリまでいて楽しみました。凄い人数が集まりますが一人一人が凄い人たちなんだよなぁ。わけのわからない料理がたくさんあるし、ゲームができたり、タトゥーを入れられたり、そしてダンスができます。普段勉強ばかりしている人たちなので、なんとなく踊りに慣れていない感がありますが、それがまた僕も踊ろうと思う気にさせられます。実際に結構長時間踊ったので翌日脚が痛かったです。
■ ホテルや周辺の夜の過ごし方
ほぼ毎晩パーティーがあるとはいえ、途中で抜け出します。その場合、会場となる Hyatt の近くに大きなショッピングモールもあるので、お土産を吟味したり、そっちでご飯を食べたりもできます。ただ、食事は高いです。いや、食事だけではなく全体的に物価が高いと言うべきかな。そして更に少し離れたところにスーパーがあります。なので仲間と一緒にスーパーで買い物をして部屋飲みをするのもリーズナブルに楽しめます。同じカテゴリのMVPであっても普段は勉強会などで会話をするくらいだから、こんなにガッツリと行動を共にする機会もないから楽しいです。更に日本食やさんもあるので、僕らは「山頭火」というラーメン屋さんに行きました。日本で食べた事がなかったので味の違いはわかりませんが、普通に美味しいラーメンでした。やはり高かったけど。
■ 日頃のSNSでの交流って大事
僕は比較的 Twitter をよく使っている方ですが、ネット上でしか交流していなかった日本のMVPの方々にも会えました。また、海外の PowerApps な人達とは日頃交流していたので、この期間中に実際に会う事ができました。おそらく日頃のSNSの交流がなければ海外の人と話す事はなかったと思います。英語話せなくても翻訳アプリで結構イケましたし、彼らは優しいからしっかり待ってくれます。
■ とはいえ、英語はやはり大事です…
英語苦手なのですが、やはり英語は大事でした。今回はまた来年MVP再受賞される保証はないので1回は記念に行ってみたいという観光気分多めで参加しましたが、とはいえ高い渡航費なので何かしら得たいとは思っていました。英語が苦手とはいえ、自分が知っている製品やサービスの話をするわけだから、多少はわかるだろう!と思ったのですが、結果的にホントに厳しかったです。スライドが投影されているセッションならなんとなくスライドの内容でわかりますが、あまりそういう時間はなく、ディスカッションが多いです。と言うより、スピーカーが話している最中にガンガン手を挙げて話をさえぎって質問する人が非常に多く、日本との違いを垣間見ました。で、そこから自然とディスカッションになるんですよね。そうなると何言ってるかサッパリわかりません。MVPとしては製品担当の人たちと深くディスカッションしたりフィードバックをするところに意義があると思うのですが、全く非力でした。言語の壁さえなければ熱く語り合えると思います。
■ 他に気が付いた事
YouTubeで見た事ある人など、有名人がチラホラいました!陰からそっと眺めていましたが、いつか話しかけられたら良いなぁと思います。
女性が活躍しています。Microsoftの中の人もMVPも。ディスカッションにも積極的に参加していて、非常に活き活きと輝いていて魅力的でした。
タトゥー入れてる人が多かったです。日本では銭湯入れなかったり未だに偏見が多いですが、海外では普通なんですよね。
そこらへんでハグしている人達がたくさんいました。長い事MVPやってる人たちはまさしく年に1度の同窓会みたいなものですからね。
海外の人達と話していて Microsoft MVP は特別な存在で非常に認められている感じでした。なのでお金持ちも多いです。日本では…特に待遇も変わらないし、うまくその存在を活かされていなかったり、業務と離れた趣味みたいな感じで活動していたり、そもそも知名度が低かったりもするので残念な事です。
という事で、非常に長いレポートになってしまいました。とにかく楽しかったです。できればまた来年も行きたいです。そしてこの記事を読んでくれた皆さまには少しは楽しさが伝わったでしょうか? Microsoft MVP でない方は、「グロサミに参加してみたい!」というキッカケでも良いと思います。是非、MVP 目指してみましょう。そして来年以降のグロサミで僕と会えたら一緒に堅い握手を交わしましょう!
以下はその他の写真。