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Microsoft Teams :モデレート機能 僕なりのまとめと利用の注意点や利用シーン

Microsoft Teams のモデレート機能についてこれまで5回に分けて機能を触ってきました。

Microsoft Teams :モデレート機能 その1 ( Moderate )

Microsoft Teams :意外とややこしい「モデレート機能」 その2

Microsoft Teams :モデレート機能 その3(一般チャネル)

Microsoft Teams :モデレート機能 その4(一般チャネル以外)

Microsoft Teams :モデレート機能 その5

今回はそのまとめ。文字多めです。

■「モデレーター」の先入観とギャップ

これは完全に僕の勝手な主観ですが、モデレーターって言うと何となく

  • (相応しくない)コメントの削除
  • (相応しくない)ユーザーをブロック
  • コメントの承認
  • 適切なトピックへの誘導

あたりを想像していました。実際は、

  • 新規会話(スレッド)の制御
  • 返信の制御

機能的にはここらへんに留まります。そうするとシンプルなのかな?と思いきや、その設定方法や組み合わせが複雑だったり、設定項目から挙動が連想しづらかったりします。スレッドや返信の制御ができるという事は、しっかりモデレーターが管理できればユーザーを適切なトピックへ誘導する事もできるので、なんとなく思っていたのと違うのは、他人のコメントが削除できない事くらいでしょうか。あくまでも僕の中のモデレーターのイメージですけど。

■説明するのも難しいくらい複雑

今回珍しく僕が6回にも分けて紹介したのですが、そのくらい複雑になってるんですよね。とにかく設定項目が直観的に挙動を連想しづらくて、だからこそ一つずつ動きを確認したんですけどね。これをまた人に説明しようとするとなかなか難しいです。

■返信を制御できる「返信オプションの選択」は微妙?

▼この部分

「全員が返信できる」「自分とモデレーターが返信できる」という新規会話を開始する際にそのスレッドの返信を誰ができるようにするかを制御できる機能。これが絶妙に微妙というかなんというか…。
モデレーションをオフにしている場合(つまりチャネル作成時の既定値)、この選択肢はモデレーター・非モデレーター関わらずだれでも選択できてしまうんですよね。つまり、メンバーなら誰でも自分とモデレーター以外が返信できないスレッドを立てる事ができてしまうんです。モデレーターじゃないのにそのスレッドだけは自分もモデレーターになれるんです。

■他の設定と合わせてしっかり検討しないと、余計カオスになる

Microsoft Teams の初期設定を思い出してください。チームはユーザーが好きに作れます。チーム内のスレッドはメンバーが好きに作れます。その状態でモデレート機能だけガチガチに設定したとします。すると何が起きるか?非モデレーター目線で考えてみます。

  1. とあるチャネルの会話に新規投稿しようと思ったらモデレーターじゃないから投稿できなかった。
  2. 同じチャネルの会話でスレッドに返信しようと思ったら返信もできなかった。
  3. 会話ができないチャネルなんて意味がないじゃないか!あ、そうだ!
  4. 自分が自由に投稿できるチャネルを別に作ってしまえ!

こうなりますよね?するとせっかくモデレート機能で話すトピックを整理したつもりでも、本来そこで会話すべき内容が別チャネルでも会話が始まってしまうというカオスな結果を生み出します。じゃ、チャネルをメンバーに自由に作らせないようにすれば良いか?そうなると別のチームを作りますよね。じゃチームも自由に作成できないようにすれば…。いやぁ、こうなったらもはや Microsoft Teams 自体が使われなくなるだけですね。ユーザーは自由に会話できるメールに戻ってしまいますよ。もしくはシャドーITに走ると思います。

なので、モデレート機能を単体で検討するのではなく、他の機能との関わり合いも含めて検討しないといけませんね。これで今後展開されるであろうプライベートチャネル(チーム内で更に限定したメンバーにしか利用できないチャネル)の機能が出てきたら、更に複雑な様相になりますね。

■モデレーターが増殖する可能性

チームの所有者はモデレーターでもあります。そしてモデレーターであればメンバーをモデレーターに追加・削除できます。つまり、チームの所有者の知らないところでどんどんモデレーターが増えていく可能性もあります。極端な話、最終的にはゲストユーザーも含めて全員モデレーター…なんて事も。できればモデレーターの追加・削除ができるのはチームの所有者だけにできるオプションがあっても良いのかなぁと思いました。

■監査対象外

モデレート機能は現時点では監査対象外との事です。それがどれだけインパクトあるのかどうかはその環境によっても違うのですが、一応考慮すべき点ですね。とはいえ、だとしても「それじゃモデレート機能を利用できなくしましょう」って思っても、現時点ではオフにするような設定はない認識なので(違っていたらご一報ください)、どうにもなりませんけどね…。

■結局、モデレート機能はどういう時に利用すると良い?

これをずっと考えていました。こういうものに答えはないのですが、考えるのは楽しいです。

Microsoft としてはユーザーが自由にチームを作成でき、メンバーが自由にチャネルを作成でき、自由に会話を開始し、自由に返信してほしい。その思いが初期値に現れていると思います。初期値のままだとフリーダムなんですよね。
ちょくちょくコミュニティ界隈で「チーム作成を承認制にすべきか?」という議論がありますが、そこと通じるものがあります。チームの乱立・チャネルの乱立・スレッドの乱立…それは管理者が困る!と言うけど、何が本当に困るの?本当に困っているの?本当に管理すべきなの?は、制御するとしたら利用者のその問いかけに納得いく形で説明できないといけないのかなと思います。そうじゃなければユーザーは納得できずに Microsoft Teams から離れ、特に利用制限されていないメールに戻ってしまいますからね。

ガチガチに固めると、チーム作成も承認制にし、チャネルは所有者しか作成できず、チャネル内のスレッドもモデレーターしか作成できず、返信もメンバーはできない…なんて事も可能ですが、それはもはやチャットじゃないですよね。 SharePoint の昔からあるポータルサイトのお知らせリストのような一方通行の発信です。おそらくそんなガチガチにするとユーザーの心理としては「じゃ、メールでいいや…」となります。
裏を返すと SharePoint のお知らせリストみたいな事をしたい場合はこのガチガチの設定をするのにモデレート機能を使えそうですね(ただし、それが良いとは言ってない)。今までは一般チャネルでしかできなかった事が、他のチャネルでもできるようになったという事で。ただし、本当に双方向でコミュニケーションをするのが本来の用途であるチャットで、そのような一方向の利用がふさわしいのか?というところはしっかり検討しないと、上述のとおり、余計カオスな世界になるか、結局 Microsoft Teams の利用率が下がるだけになりかねません。

次に大規模チームでチャネル内に同じようなトピックのスレッドが乱立してしまいがちな場合は、モデレーターのみ新規スレッドを投稿できるようにしてトピックを統制する事により、返信だけは全員自由にできるようにすると効果はあるかもしれません。この場合はモデレーターの役割や力量が大事なポイントですね。しっかりモデレーターが機能していれば良い結果になるのかもしれないです。場合によっては、非モデレーターが新規スレッド依頼をするスレッドを用意するというやり方もあっても良いかもしれないですね。

Microsoft Teams 自体に慣れていないユーザーが多いチームの場合も、慣れているユーザーがモデレーターになる事で効果を発揮できるかもしれないです。よくやってしまいがちな既存のスレッドに返信したつもりが新規会話で新スレッドで投稿してしまうミス。LINEなどスレッドの概念のないチャットに慣れているユーザーにとってはスレッドの概念をよく把握していない事がありますからね。慣れるまではモデレーターがうまく誘導してあげて、ユーザーが徐々に慣れてきたらモデレート機能をオフにしてみる…という使い方もあるかもしれないです。


結局のところ、モデレート機能を利用するには少なくともチームの所有者は機能を把握し理解しておく必要があるし、モデレーターとなるユーザーも同じく理解しておく必要がありますね。
また、その制御が本当にふさわしいのか?必要なのか?もしっかり検討が必要かと思います。なんとなく制御・制限するような使い方はあまり幸せな結果になれないのかなと思います。
所有者も含めたモデレーターはチームやチャネルの利用用途を把握し、うまくメンバーの会話をコントロールしなければいけなく、これは通常の会議で司会進行役をするのと同じ類いの事なのでそういうスキルを要するのかなと思います。例えばプロジェクトのチームであればPMやPLがモデレーターになるような感じでしょうか。

また、気を付けるべき点として、場合によっては人間関係が悪くなりかねません。極端な話、ちょっと厄介なメンバーがいるからと、その人だけ非モデレーターにして新規スレッドも返信もできなくした場合、それは単なるイジメにしか見えない場合もあります。根本的な問題解決の方法ではないですよね。しっかりチームメンバー全員が明確な意図で納得できる形でモデレート機能を使い、モデレーターを選出しなければいけません。

つまり、僕の現時点での個人的な考えとしては、モデレート機能は基本的には使わない!どうしても利用したいシーンがあったとしたら、しっかり検討をした上でモデレーターにふさわしい人物になってもらい、極力モデレーターを増やさずに、また、メンバーにはその理由をある程度明確にする必要があるのかなと思います。

Microsoft Teams がデビューした頃にくらべてだいぶ機能が充実してきました。けど、僕個人的な意見としては、タブやコネクタでユーザーが拡張できるのは非常に良いと思いますが、ベーシックとなるチャットの機能に関してはもっとシンプルで良いと思います。むしろそれよりも、デスクトップアプリをもっと軽快に動くようにしたり、UIの改善に注力していただきたいですね。機能が複雑になるほどUIも複雑になりがちですし。

現時点ではモデレート機能をオフにする設定はないと思っています(あったらご一報ください)。場合によっては Microsoft Teams の良さを殺してしまいかねない機能なので、だからこそご利用は計画的に。

最後の最後に Docs のモデレート機能のページを紹介します。シナリオなども記載されているので参考にしてみると良いと思います。

Microsoft Teams でチャネルのモデレーションを設定および管理する

TAICHI