最近の Microsoft Teams のアップデートは凄い勢いですね。そして特にオンライン会議の機能のリリースが前倒しされている感じです。ここ最近だと会議で背景画像を指定できる機能が話題になり、かなり直近では最大9人表示されるアップデートが非常に注目されてきています。そんな中、若干地味な「挙手」機能が展開されたので触ってみます。
おそらく機能としてはシンプルだと思います。
▼コントロールバー内に手のアイコンが表示されていたら挙手機能が展開された証拠に
▼クリックすると手のアイコンが白塗りされて「手を挙げました。」と表示
更にクリックすると手を下げる事ができます。
自分が話したい時に手を挙げるというシンプルな機能です。デスクトップアプリだけではなく、ブラウザからも利用できます。ただし、手持ちの iPhone で試したところ、現時点ではモバイルアプリでは挙手もできないし、他人の挙手も表示されませんでした。( 2020/05/20 追記 :5/20時点でモバイルアプリにも挙手機能が実装されている事を確認しました。詳細は以下の記事からどうぞ。)
また、僕が試してみたところ、挙手して自分が話し始めても手が自動で下がる事はありません。つまり、自分が話し始めたら手を下げる必要があるけど、おそらく下げ忘れが頻発しそうですね。
じゃ、それが他人にどう見えるのか?
▼誰かが手を挙げるとコントロールバーの人アイコンにバッジが表示され、吹き出しで誰が挙手したかが表示
▼映像の方に挙手した人の左下のユーザー名の前に手のアイコンが表示
僕の方ではなかなか確認できなかったけど、大きく表示されている9人以外のユーザーが挙手をすると、大きく表示される9人のうちの1名になるという話を聞いた事があります。
▼複数人が挙手している時の見え方
このようにいくつかの見え方で誰が挙手したのかがわかります。
複数人が挙手した時に誰が挙手したかがよくわかりませんが、
▼参加者を表示させると、このように誰が挙手しているかがわかります
▼「発表者(=開催者も含む)」の人は他ユーザーの挙手を強制的に下げる事ができます
▼「出席者」の人は他ユーザーの挙手を下げる事ができません
発表者であれば開催者の挙手を下げる事もできるので、立場としては「発表者」「出席者」の2パターンという感じです。
▼参加者一覧じゃなくても、パネル内からも他ユーザーの手を下ろすことが可能
つまり、誰でも他人の挙手を強制的に下ろさせないようにするためには、「発表者」「出席者」の役割をしっかり設定しておく必要がありそうですね。
今のところ気が付いた挙動はこのくらいかな。
手の上げ下げの動作は機能としてはシンプルで、誰が挙手しているかを把握するのもシンプル。他ユーザーの挙手を下げる方法は立場によって異なる感じです。
ここまで見て、実際に触ってみて、ほとんどの人が最初に思う事はおそらく「えっ?目立たなくない?」かなと思います。実際にちょっと試してみたけど、会議中に挙手をしてみても気が付かれない事もありました。その側面だけで見ると「使えない機能」と思われるかもしれませんが、僕の考えは違います。例えばもっと挙手が目立つようになったら良いのか?というとそうでもないと思います。この機能は機能オンリーで考えるべきものじゃないと思います。オンライン会議においては特に司会者(他にも「モデレーター」「ファシリテーター」なんて言葉があって言葉の正誤や使い分けがわからないけど、とにかく会議を仕切るという役割)が非常に大事なポイントになってくると思います。司会者は会議を仕切るスキルの他にこのようにツールの機能を熟知して使いこなせる事が大事だと思います。という事は、会議に司会者をしっかり定義しておく必要があるし、司会役の人が発表者を兼任したり、議論の中心になるのも考えないといけないかもしれないです。リアル会議よりもオンライン会議の方が収集つかなくなる可能性が高いので。
以下はあくまでも僕の現時点での考えです。
挙手機能については司会者以外はあくまでも「自分が手を挙げたいかどうか」つまり意見したいかだけ集中して挙手ボタンを利用しましょう。挙手をチェックする役割が誰もいなくなんとなく参加者に任せようとすると、気が付かれなかったり自分が話したいからと他ユーザーを無視しがちです。司会者は司会業に徹して参加者一覧から全体を俯瞰しつつ、挙手があったらうまく会議をハンドリングする事に注力。良いタイミングで「〇〇さんから意見があるようです」のように話に声で割って入れるのは司会者のみ。挙手があるのに勝手に会話で割り込めたら挙手が意味がないですからね。上の方で挙手した人が話し始めても自分で手を下げる操作をし忘れそうですねって話しましたが、となると司会者は下げ忘れた手を下げてあげる必要もありそうです。となると司会者はマメに他ユーザーのマイクを強制ミュートさせる事も必要だろうし、場合によっては一旦「 Mute all 」で司会者以外ミュートにして、一旦仕切り直してからバトンタッチ…といった感じでしょうか。
そして例えば「発表者」と「出席者」の切り替えを司会者の人がマメにやって、なるべく他ユーザーの挙手を強制的に下げる事ができるのは司会者のみにする。出席者の人が画面共有したくなったら司会者に依頼して司会者が「発表者」に切り替える…といった感じです。とにかく司会者は忙しいので会議を取り仕切る点に注力。しかも会議には会議チャットの機能もあり、現時点ではチャットと参加者一覧を同時に表示させる事はデスクトップアプリのみだとできません。大きな会議で会議チャットも使われる場合は、司会者1名だと厳しいかもしれないですね。司会進行+挙手をハンドリングする人が1名、他にチャットを仕切る人が1名…などなど。
自分で書いていて思うけど、結構大変そうです。でも、とにかく「挙手機能」に関しては機能だけではダメで、ちゃんとハンドリングしてくれる人がいて役立つんじゃないかと思います。以前、 Microsoft Teams 上で開催された英語でおこなわれる大きな会議に参加した事がありますが、やはり取り仕切る人が複数名いて、役割分担して進行されていました。
少しだけ触れましたが、現時点ではモバイルアプリでは挙手機能が利用できません。また、機能の展開が全テナントで完了しないと、複数テナントのユーザーで会議をした場合、挙手機能が使えるテナントと使えないテナントが出てきます。ここらへんしっかり確認してから全員が機能が使えるなら使うけど、使えない人がいる場合は使わないという選択肢も必要になりそうですね。
そのオンライン会議がどれだけの規模でどれだけしっかり行うかなどにも寄るけど、とにかくこの挙手機能に関しては、機能だけで考えずに、しっかり役割分担された人が取り仕切るようにすれば、有効かなと思いました。