※あくまでも僕個人の考察です。もし企業のテナント管理者が Anthropic モデルについて検討する際には、確かな情報や相談は Microsoft のサポートにお問い合わせください。また、当ブログは基本的に僕が試行錯誤する過程を書き綴る備忘録なので読みづらいんですが、本件に関しては僕自身が全く混乱しているので、輪をかけて読みづらいです。
先週、このような記事を書きました。
Microsoft 365 Copilot :2026年1月7日より Anthropic モデルは既定で利用可能となります
この記事は僕がビックリするほどアクセス数が非常に伸びているのですが、冒頭に記載した通り当ブログは基本的には展開済の機能などを実際に試すことをベースにしているので、この記事は事前アナウンスの話を展開前に書くという当ブログの中では異例な記事です。なので実際に展開後の事がわからないので推測を多く含めていました。そしてXデーとなる2026/01/07が過ぎて…う~ん、既定で有効化されたようにも見えない!M365 Copilot のエンタープライズデータ保護下になったようにも見えない…。これはやはり展開時期が実は1月7日以降であって少し遅れているのかな?なんて思いながら、ウッカリ固定観念に囚われて視野が狭くなってしまっていて色々と気が付かなかったです。日ごろから気を付けてはいるんですけどね。それに気が付いたのが先日SNSでこれについてポストしていたら教えてもらったんです。別の設定項目があるという事に。あぁ…、そういえば上の記事で紹介した M365 管理センターのメッセージセンターの該当メッセージを読んだ時にそのような表記があって気を付けようって思っていたんだった。忘れっぽい…。
▼メッセージ「近日公開:AnthropicモデルはCopilotの体験でデフォルトで利用可能となります」より該当部分抜粋
「…オプトインを切り替えるレガシー管理者の切り替えは廃止されています。」という部分です。日本語訳が怪しいけど、つまりこれまで有効化する設定をしていた設定項目とは別の設定項目が登場するのかな?と。そのことをウッカリ忘れて、従来の設定項目ばかりチェックしていました。
▼従来の設定項目
これまで Anthropic モデルを有効化するには「他の大規模言語モデル向け AI プロバイダー」という設定項目を開き、
▼以前まではここで有効化する必要があった
ここを読むと以下の記載があります。
a) Anthropic 商用使用条件および Anthropic データ処理補遺に従ってのみ Anthropic サービスに拘束され、Anthropic サービスを使用する必要があり、b) 組織のデータを Anthropic と共有し、Microsoft からデータを送信することを選択していることに同意したものとみなされます。
これがつまり、これまでは Microsoft 365 Copilot で Anthropic モデルを利用したい場合は、既定で有効化されていない状態をここで有効化する必要があり、でも Anthropic モデルを利用する場合は Anthropic の商用使用条件に従う事や組織データを Microsoft からデータを送信する事になるというわけです。この条項がある事で多くの企業は有効化する事に二の足を踏んでいたと思います。
それが2026/01/07から Anthropic モデルを使用しても M365 Copilot のエンタープライズデータ保護下に入るというわけですが、このスクリーンショットは2026/01/14現在撮ったもので、このように既定で有効化されていないし、この条項の記載も一切変わっていませんでした。
しかし、この設定項目内に「他の大規模言語モデル (LLM) への接続に関する詳細情報」というリンクを現在クリックしてみると、 Microsoft Learn の該当ページへのリンクでした。
Anthropic の AI モデルに接続する
https://learn.microsoft.com/ja-jp/copilot/microsoft-365/connect-to-ai-models
この冒頭部分の「重要」の記載に注目です。
▼該当部分を抜粋引用
「以前のオプションはサポートされなくなりました。」「 2026 年 1 月 7 日以降、このトグルは非推奨になります。」という記載がありますね。
つまりもうこの設定項目は今後使わないという事かと思います。
さて、上の Microsoft Learn のページの「重要」内にまたリンクがありました。それをクリックすると以下のページへリンクします。
Microsoft Online Services のサブプロセッサとしての Anthropic
https://learn.microsoft.com/ja-jp/copilot/microsoft-365/connect-to-ai-subprocessor
たしかに上で紹介したメッセージセンターのメッセージ内にも「サブプロセッサ」という言葉が登場していましたね。これをどういう事か?と GPT-5.2 クイック応答 のコパさんに聞いてみたところ、一部抜粋すると、
▼コパさんの回答の一部
この「サブプロセッサ」という表現をされることがつまり Anthiropic モデルを Microsoft 365 Copilot で利用する上での安心材料というわけですね。
また、このページでも以前のオプトインの設定は非推奨である旨と、EUやイギリスなど一部を除いてほとんどのお客様に対して、既定で Anthiropic モデルを有効にするという旨の記述もありました。
▼該当部分を抜粋引用
また、そのサブプロセッサとして Anthropic が既定でオフになっているリージョンの場合は、組織で使用できるようにオプトインを選択できるという記載もあります。でも、とりあえず商用利用の日本に関してはその対象ではないので、つまり既定で有効化されているという事でしょうか。
と、ここまで確認すると、新たにサブプロセッサとして利用できる設定項目は商用利用の日本のテナントでは既定で有効化されていると思いますよね。なので、実際に確認してみます。
▼「Microsoft サブプロセッサーとして動作する AI プロバイダー」
クリックすると、
▼「Microsoft サブプロセッサーとして動作する AI プロバイダー」の中身
これ良く読むと、たしかに Anthropic の下に「既定で有効」と記載されています。そして「ご契約条件」の部分にサブプロセッサとしての記述もしっかり記載されています。
しかし…その下を見ると、
▼気になる箇所
ん????既定で有効にはなっているけど、ここで同意をしないと利用できない!?
え~~~~。既定で利用可能になるって言っていたじゃない!でも実際はテナント管理者がこのサブプロセッサの部分で Anthropic モデルについて「同意」をしないと利用できないって事なの?
さて、僕も Microsoft 365 および Microsoft 365 Copilot の自由にできるテナントは2テナントしかなく、今観測しているテナントは「テナントを払い出した既定の状態をキープ」させているテナントです。既定の管理設定を確認する時に必要なので。なのでこのテナントには一切手を加えたくない。またこのテナントには M365 Copilot ライセンスは1ライセンスもない。僕の把握している限りだと現時点では M365 Copilot ライセンスを持たない M365 の範囲内で Anthropic モデルを利用できる機能はない。だからこのテナントでの検証はもうできない。自腹で環境持っているのでここらへんは潤沢に色々な環境で検証できないんです。なのでここからはもう1つのイケイケのテナントで試してみます。やりたいように設定をする方のテナントです。
▼「Microsoft サブプロセッサーとして動作する AI プロバイダー」
こちらのテナントではこの設定項目に気が付いた昨日の時点で同意をして有効にしました。ただ、こちらのテナントでは逆にこれまでの「他の大規模言語モデル向け AI プロバイダー」の方で Anthropic モデルを有効化してあったので、「Microsoft サブプロセッサーとして動作する AI プロバイダー」の方を有効化したらどう変わるのか?がわかりづらい状況です。そこらへんは申し訳ないけど、上述の通り、僕も自腹を切って環境を持っている都合上、色々な検証環境を準備できないのでご容赦ください。
これまで「他の大規模言語モデル向け AI プロバイダー」の方で有効化していた時は M365 Copilot のエンタープライズデータ保護下ではなかったので、M365 Copilot Chat だと緑色の盾アイコンでエンタープライズデータ保護状態を示しているものが、 Claude を選択すると盾アイコンがグレーアウトしていた状態でした。僕の推測だと「Microsoft サブプロセッサーとして動作する AI プロバイダー」が有効になると Claude を選択しても盾アイコンが緑色になるんじゃないかと思っているわけです。それを確認してみます。
▼リサーチ ツール エージェント
リサーチツールエージェントは既定では OpenAI のモデルを利用しているので盾アイコンは緑色でエンタープライズデータ保護下です。では、「 Claude を試す」をクリックしてみます。
▼あれれ?
盾アイコンはグレーアウトされたままじゃないか。有効化したら即反映されないかもしれないと思って昨日設定して1日待って今確認しているんで、まだ反映されていないとはあまり考えられないです。う~ん、これはどうなんだろう?サブプロセッサとして動作しているかどうかなんて見た目じゃわからないじゃないですか。だからこそこの盾アイコンがエンタープライズデータ保護下かどうかを確認するユーザーの大事な確認方法なのに、それがまだ緑色じゃないという事は安心して使えないですよね。念のためこの吹き出しの中の「(詳細情報)」をクリックすると、以下の Microsoft サポートのページにリンクします。
Microsoft 365 Copilot で研究者と共にクロードを使用する
https://support.microsoft.com/ja-jp/topic/23e2503b-d73e-4abb-902d-b9814205a38a
このページの「注」を見ると、まだサブプロセッサではない記載があります。
▼該当部分を抜粋引用
う~ん、単にUI上の変更が追いついていなかったり、サポートページの変更が追いついていない説もありましょうが、それでも目に見えるものじゃないので明示してもらわないと安心できないですよね。
他に Claude を使う Word / Excel / PowerPoint エージェントは?
▼ PowerPoint エージェント
こちらも同じく盾アイコンはグレーアウトされたままです。
フロンティアプログラムの機能だからなのか?いやぁ、もう僕にはよくわからなくなってきました。
この環境では、「Microsoft サブプロセッサーとして動作する AI プロバイダー」の設定で同意して有効化にする前から、「他の大規模言語モデル向け AI プロバイダー」の設定でも以前から有効化にしています。そして上述の通り、こっちの方は今は非推奨とされています。ということは、非推奨の方を無効化したらどうなるか?
▼こちらの設定項目で「プロバイダーを無効にする」をクリックし、
▼このように確認され、
▼元に戻しました
さて、確認事項のところに最大15分反映されるのに時間がかかるようなので少し放置します。
15分後…。
まずはリサーチツール エージェントを見てみます。
▼え?…
そもそも「 Claude を試す」ボタンが消えてるじゃんか!!!も~、ちょっと意味わからない!
▼ PowerPoint エージェント
いやいや…盾アイコン相変わらずグレーのままです。
ただ、盾アイコンのグレーアウトが緑色に変わるであろうという事は完全に僕の憶測なのでここが緑色に変わるとはアナウンスされていないので、まぁ仕方ない。でも結局…サブプロセッサ状態なのかどうかは視認できないです。
あ、そうそう、まだ確認する方法ありました。現時点ではテナントの設定でエージェントを展開させる必要があるけど、 Copilot with Claude っていうエージェントがありました。
▼あっ!
このエージェントでは Claude 使ってるのに盾アイコンは緑色でエンタープライズデータ保護下でした。
▼ちゃんと動いてる
「Microsoft サブプロセッサーとして動作する AI プロバイダー」を無効化しても Claude が使えるという事は、「他の大規模言語モデル向け AI プロバイダー」の有効化が効いているという事でしょうか。
もう1つ確認方法がありました。 Excel のエージェントモードです。
▼Excel の Copilot Chat でエージェントモードにして
▼モードセレクターを見る
Claude Opus 4.5 が選択肢としてありますね。
▼Claude Opus 4.5 を選択した状態
▼ちゃんと仕事してくれました
ですが、ここには盾アイコンが表示されていないんですよね。なので Claude の利用ができることは確認したけど、相変わらずサブプロセッサ状態かどうかは視認できないです。唯一、エンタープライズデータ保護下である事を視認できるのは Copilot with Claude エージェントだけ。しかし多くある Claude を利用できる機能の1つしか緑色の盾アイコンが表示されないっていうのはあまり信ぴょう性が…。
実はここまで書いた後にあらためて本件に該当する M365 管理センターのメッセージセンターのメッセージを確認したら、2026/01/13に更新されていました。
▼(更新)近日公開:AnthropicモデルはCopilotの体験でデフォルトで利用可能となります
黄色く囲ったところが更新情報ですが、えっと、 Researcherエージェント(リサーチツールエージェント)はまだすべてのテナントで利用可能ではない可能性があり、1月末までに提供が期待されているとの事。
なるほど、だからさっき「他の大規模言語モデル向け AI プロバイダー」を無効にしたら、リサーチツールエージェントから「 Claude を試す」ボタンが消えたんですね。
つまり、従来のエンタープライズデータ保護されていない状態であれば使えたけど、そっちを無効にして、サブプロセッサの方を有効にした状態ではまだ僕のテナントではリサーチツールエージェントで Claude は使えないという事ですね。
という事は…やはり視覚的には盾アイコンが緑に変わっていなくても、現状 M365 Copilot 内で使える Claude モデルは全てサブプロセッサ状態だっていう事ですかね。
以上、色々試してみたけど、結局は Microsoft 365 Copilot で Anthropic モデルを安心安全に利用する設定は、
「他の大規模言語モデル向け AI プロバイダー」:無効
「Microsoft サブプロセッサーとして動作する AI プロバイダー」:同意して有効
こうじゃないかと僕は思います。特に上の方を事前に有効にしていた場合は、 Microsoft 曰く今後非推奨という事なので、無効にした方が良いと思います。ただ、フロンティアプログラムの参加の場合はユーザー単位で指定できるけど、 Anthropic モデルの有効化についてはユーザー単位では指定できずテナント単位で有効・無効しか設定できないので、やはり多くの企業では今までも有効にはしていなかったと思うし、ここを有効にしているのは別途検証用テナントを持っていたり個人でテナントを契約しているような一部の方々なのかなと思います。そう考えると多くの企業では「他の大規模言語モデル向け AI プロバイダー」は無効のままで、 Anthropic モデルの導入を検討している企業は「Microsoft サブプロセッサーとして動作する AI プロバイダー」を同意して有効にさせるかどうかを検討する事になるかと思います。
という事で事前情報では2026/01/07から既定で Anthropic モデルは Microsoft 365 Copilot のエンタープライズデータ保護下になって利用可能になるという事でしたが、1週間経過した現時点では僕の環境だとテナント管理者が同意して有効化しないと使えない状況でした。また、エンタープライズデータ保護下というかサブプロセッサであるという状態も明示的にユーザーが視認できる術がない状態です。
「 Microsoft 365 Copilot で Anthropic モデルも利用できる」という話題は割とインパクトあるようですが、現状僕が四苦八苦して限られた環境で試したり調べたりしたところ、結局のところ自信をもって「こうだ!」という断言は全くできない状況です。なんとなく実際に試してみた結果と僕の考察を加えただけで、現状は特にサブプロセッサ状態がユーザー視点だと視認できないという不安要素があるので、これはもう少し待つか Microsoft のサポートに直接問い合わせた方が良さそうです。
はやく誰もが安心安全に使えるようになると良いですね。僕の方も新たに分かったらまた記事にしようと思います。また、相違点や新情報などがありましたら、ご一報いただけると幸いです。