Microsoft 365 ホームに突如表示された「近日公開予定!…」のメッセージ

あけましておめでとうございます。今年も当 黒いブログ をよろしくおねがいします。

■更新が滞っていた理由(本記事内容には関係ない話)

※興味ない方は次の章へスキップしてください。

いやぁ、下手したら1カ月ぶりくらいになる記事です。ここまで更新が途絶えたのは2016年11月から当ブログをスタートさせて約8年で始めてかもしれません。心配された方が万が一いらしたら申し訳ないです。家庭の事情と仕事やプライベートが忙しかったのに加えて、クリスマスイブの前日にインフルエンザに罹患してしまい大変な事になっていました。そもそも12月は Microsoft 自体が長期休暇に入る従業員も多いのでアップデート自体が少ないってこともあるんですけどね。それでもここまで更新が途絶えてしまったのは、前述の諸々の理由もありますが、その他にも僕自身の問題がありまして、 Microsoft 365 の情報だけでも追うのが大変なのに Copilot が加わって1年チョイ。さすがに情報収集に疲れてしまって…この年末年始はインフルエンザの療養と遅れてしまったクリスマスパーティーや大掃除も相まって僕にとっては10年以上ぶりに仕事に関わることを完全にシャットダウンをして家族と一緒に過ごす時間を作ってみたんです。僕にとって Microsoft 365 の情報収集やそれをどう利活用していくのか?あたりは仕事としての辛さは一切ない趣味みたいな・呼吸をするようなものだったのですが、元々頭が悪くて理解力に乏しい僕は時間がかかるので普通の人以上に情報の洪水に常にさらされている状態でした。それが Copilot が加わる事でさすがにしんどくなってきたのでシャットダウンしてみたら、思いのほか心地良い気分でリフレッシュできてしまった事があり、年明けからもモチベーションが全く上がらない状態で、でも仕事はスタートするので、情報収集が趣味性がほとんどなくビジネスとしてやらざるを得ない…みたいな心理になっていたんです。とはいえ、ようやく少しずつモチベーションが回復してきて楽しめるようになってきた(と思う)ので、のんびりと再開していこうかと思います。

■本題はココから

※本件は僕も自信ありません。間違いがあれば随時修正していきますが、業務上正確な情報を求めている方は Microsoft のお問い合わせください。

さて、年明けて仕事をはじめて Microsoft 365 ホームを開いたユーザーは、なんかよくわからない説明文が表示されて困惑したんじゃないかと思います。あ、でも僕の勝手な統計では、 Microsoft 365 ユーザーの多くは Microsoft 365 ホームを利用していないので( Word Excel PowerPoint , Outlook , Microsoft Teams と業務に必要な最低限のツールはアプリを直接起動して使っているので Microsoft 365 ホームを入口として利用しているユーザーは少ないという意味)、実は気が付いていないユーザーは多そう。でも、当ブログにアクセスするような「わからない事があったらネットで検索して調べる」ような人は Microsoft 365 ホームも定期的に開いているユーザーは多そうですが。

▼年明け早々の Microsoft 365 ホームの上部

1月6日あたりではこのように日本語訳されておらず、英語での記載になっていたと思います。

▼現在の同じ場所のメッセージ

現在はこのように日本語でも表示されていますが、正直わけわからないんじゃないかと思います。

上のスクリーンショットのユーザーは Microsoft 365 のライセンスはあるものの Microsoft 365 Copilot のライセンスはありません。ない人が Microsoft 365 アプリが Microsoft 365 Copilot アプリになるという事は、無償になったの?使えるの?と勘違いすらしてしまいそうですね。ここらへんを僕の把握している限りで僕の認識で紐解いていきたいと思います。自信はあまりないです。

さて、急に降ってわいてきたアナウンスメッセージですが、この情報自体は急ではありません。実は去年2024/12/16 付けで Microsoft 365 管理センターのメッセージセンターに、以下のメッセージが公開されていました。なのでやはり管理者がテナント内のユーザーにこれらのアナウンスから自分たちにとって大事だと思う情報をピックアップして事前に共有する仕組みは割と大事だと思います。

▼ Microsoft Copilot と Microsoft 365 アプリの重要な更新

つまり、 Microsoft 365 と Copilot のややこしいところをUX(ユーザー体験)的に簡素にしてわかりやすくする目的がありそうです。そしておそらくもっと Microsoft 365 ユーザーの Copilot の利用率を上げていきたいのではないかと思います。この諸々の変更がそうなるかどうかは置いといて。その意図はメッセージの冒頭に記載されていますね。

▼メッセージの該当箇所

Microsoft 365 ライセンスのみで利用できるチャットベースの Microsoft Copilot を組織全体で体験する方法として重要な更新なようです。

ここで重要なのは以下の表です。

▼名前とアイコンの変更の表

見にくいので罫線を足します。また翻訳がややこしさを助長している部分もあるので、英語と照らし合わせながら少し変更します。

▼僕なりに変えた名前とアイコンの変更表

これを基に一つ一つ確認していきます。

■プロダクト名

さて、こう見ると、プロダクト名に関しては、 Microsoft 365 Copilot ライセンスを持っていない Microsoft 365 ユーザーが使える Microsoft Copilot がありましたよね。以前は「 Bing Chat Enterprise 」なんて呼ばれ、それから「商用データ保護版 Copilot 」、更に「エンタープライズデータ保護版 Copilot 」なんて僕は呼んでいましたが、いまいち名称がフワっとした Copilot です。このメッセージの英語では「Microsoft Copilot (for users with Entra Account)」と記載されていました。 Entra アカウントとはザックリ言い換えれば Microsoft 365 ユーザーのアカウント。このプロダクト名がややこしかったですよね。まだ初期の Bing Chat Enterprise の方がわかりやすかったです。それが「 Microsoft 365 Copilot Chat 」という名前に変更されるとの事です。なので、 Microsoft 365 ライセンスのみのユーザーがチャットベースで利用するWebグラウンディングのみの Copilot の事を今後は Microsoft 365 Copilot Chat と呼ぶ事になるわけですね。

さて、ややこしいのが Microsoft 365 Copilot ライセンスを持っているユーザーが利用するチャットベースの Microsoft Copilot との相違。

▼左が Microsoft 365 ライセンスのみのユーザー、右は+ Microsoft 365 Copilot ライセンスもあるユーザー

それぞれ Copilot で表示するチャット。当然機能は全然違うしUIも少し違うけど割とパっと見は同じ。これで、左の方は Microsoft 365 Copilot Chat で、右側は Business Chat (もしくは BizChat )という名前の違い(だと思っています)。ここらへんもややこしい。

■プロダクトURL

これはプロダクト名の下に記載されていたものなので、この Microsoft Copilot から Microsoft 365 Copilot Chat に変わるタイミングで、利用するために直接URLを入力する場合は、更新後のURLで利用する必要があるという事でしょう。ただ、以前紹介しましたが、 Microsoft 365 Copilot Chat にアクセスするには、現在は Microsoft 365 ホームのアプリ一覧に「 Copilot 」へのリンクもあり、それを左のアプリバーにもピン留めできるので、URLを直接入力せずにそちらからクリックでアクセスする導線もオススメします。URLを意識するエンドユーザーも少なかろうし。

Microsoft 365 :Copilot がアプリ一覧に表示された&ピン留めと併用すると良いかも

■アプリ名

さて、ここからが更にややこしいです。 Microsoft 365 ホームの上部のメッセージには「 Microsoft 365 アプリ」が「 Microsoft 365 Copilot アプリ」になるって書いています。英語だと「 The Microsoft 365 app will become the Microsoft 365 Copilot app 」って書かれています。これはそもそも「 Microsoft 365 アプリ」という名称と日本語訳がややこしいんですよね。英語の「s」を日本語訳する時に「ス」とか「ズ」を省略するじゃないですか。例えば「 Microsoft 365 Groups 」は s を無くして「 Microsoft 365 グループ」って。それがちょっとややこしさを助長していると思うんです。今さっき紹介した上部のメッセージの英語には「 Microsoft 365 app 」と s はついてないんです。 Microsoft 365 Apps もあるじゃないですか。どっちも日本語訳だと「 Microsoft 365 アプリ」って同じなんですよね。ややこしいですよね。僕思うんですけど、プロダクト名や機能名など固有名詞?は訳さないで良いんじゃないかと。

なので Microsoft 365 Apps の認識だとすると、なんだか Microsoft 365 アプリが Microsoft 365 Copilot アプリに名前が変わると、 Microsoft 365 ライセンスのみのユーザーでも追加ライセンスなく Word や Excel や PowerPoint の中でも Copilot が使えるようになるんじゃないか?と思っちゃいそうです。でも違うんですよね。このアップデートはあくまでも名前やアイコンのアップデートなので、機能のアップデートでもないし、ライセンスのアップデートでもないんです。

じゃ、この「 Microsoft 365 アプリ」とは何を指しているのか?それは Microsoft 365 Apps ではなく Microsoft 365 app だと僕は認識しています。 Microsoft 365 にサインインした際に表示される Microsoft 365 ホームは Microsoft 365 アプリのホーム。表現が正しいかわかりませんが、 Microsoft 365 アプリのブラウザー版みたいなものです。実際に僕の対象指定リリース環境の一部ユーザーはすでにこのアップデートが反映されているのか、 Microsoft 365 ホームにアクセスすると、

▼現在一部ユーザーで表示される Microsoft 365 ホーム

このように「 Microsoft 365 へようこそ」の部分が「 Microsoft 365 Copilot へようこそ」に変わっており、ブラウザーのタブに記載されているページタイトルも「ホーム | Microsoft 365 」から「ホーム | Microsoft 365 Copilot 」と表示が変わっています。

また、もう少しピンとくる言い方をすれば、 Microsoft 365 アプリってありますよね。スマートフォンに。

▼スマートフォンの Microsoft 365 アプリ

そして実は知らない人も多いであろう、 Microsoft Store からインストールできるPCの Microsoft 365 アプリ。

▼ストアアプリの Microsoft 365 アプリ

これらの名称も Microsoft 365 Copilot に変わるというわけです。たぶん。おそらく。いや、すでに変わっているという情報をSNSでも確認したし、例えばストアアプリのPCの Microsoft 365 アプリを今起動すると、

▼このようなボックスが表示されます

という事で、アプリ名の変更はあくまでもアプリ名の変更です。ただ、 Microsoft 365 ライセンスだけでも利用できる Microsoft 365 Copilot Chat は以前からずっと使えていて、その認知度が低いこともあるので、そういう意味ではこのアプリ名のおかげで Microsoft 365 ライセンスのみのユーザーであっても、機能限定ではあるけど Copilot が使えるという認識になるのかなとは思います。が…、これがややこしいのは「 Microsoft 365 Copilot 」というライセンスもあるという点ですね。「 Microsoft 365 Copilot (アプリ)があるけど Microsoft 365 Copilot (ライセンス)はないのであの機能は使えません」…みたいな話をする時は(アプリ)や(ライセンス)を省略して話を進めると色々と勘違いで意思疎通がうまくできなさそうでもあります。

■アプリのアイコン

こちらロゴの変更はメッセージセンターにアナウンスが出る1か月前の2024年11月に開催された Microsoft の大型イベント「 Microsoft Ignite 2024 」の中で発表があったんですよね。アプリ名が変わるタイミングでアイコンも変わりますが、完全に Microsoft 365 が Copilot に浸食されてしまった感じになりますね。これもしかして Microsoft 365 のアイコンはもう使う機会がなくなるって事なのか?そこらへんはどうなんでしょうね。実際に、 Microsoft 365 ホームにアクセスすると左上から Microsoft 365 のロゴが消えています。

▼アップデート前は左上に Microsoft 365 のロゴがあるけど、

▼アップデート後は左上に Microsoft 365 のロゴは消えて、アプリ起動ツールのアイコンが表示され、

▼アプリ起動ツールの中身も、アップデート前は Microsoft 365 のロゴだけど、

▼アプリ起動ツールの中身も、アップデート後は Microsoft 365 Copilot に変わっています

もちろんこの Microsoft 365 Copilot はアプリ名なので、クリックすると Microsoft 365 Copilot Chat でも BizChat でもなく、 Microsoft 365 ホーム(いや、アップデート後は Microsoft 365 Copilot ホームかな)に遷移します。

Office 365 から Microsoft 365 に変更されたタイミングでこのロゴが登場しましたけど、もし今回のアップデートで消えてしまうとしたらわずか数年の短命アイコンですね。どうなることやら。

あ、あと、この変更後のアイコンを見て一つスッキリしたのが Microsoft 365 の省略ですね。僕の観測では「 M365 」派の他に「 MS365 」派もいたけど(僕は M365 派です)、公式でこのように M365 と右下に記載されていることから、今後は Microsoft 365 の省略は M365 で間違いないかなと思いました。


ブランディングやネーミングって本当に難しいですね。特に Microsoft のような大企業で従業員数も多く色々なアイデアや考えがあり色々な製品・サービス群とその中に星の数ほどの多くの機能があると、そこに「すべてのサービスに Copilot を」なんて大きな変革が訪れると現場では相当混乱するし、慎重になりすぎるとスピード感が出せないからとにかくやってみて試行錯誤する必要が出てきます。ユーザーとしてはそれに踊らされて混乱する事も多いでしょうけど、このスピード感は今の時代にとっては非常に大事だし、超大企業がそのスピード感で日々変化していっているというだけでも凄いのではないかと思います。僕は最大でも従業員数1万名以下の企業にしか属した事ないですが、その数千名の企業規模でも新たな取り組みや様々な意思決定には時間がかかっていますからね。
とはいえ、ユーザーサイドとしては不満点や改善点は声をあげた方が良いです。それは気を遣う必要はないですね。ユーザーからのフィードバックをメーカーは求めていますからね。前向きなコメントとしてフィードバックを入れておきましょう。もし自分なりのアイデアがあればそれも含めてフィードバックしても良いと思います。 Microsoft 365 には様々な場所にフィードバックをエンドユーザーからも出せる仕組みがありますからね。

TAICHI