Microsoft Ignite 2022 で Microsoft Places の発表がありました。
Microsoft Places をご紹介します: 空間を場所に変える
https://www.microsoft.com/ja-jp/microsoft-365/blog/2022/10/12/introducing-microsoft-places-turn-your-spaces-into-places/
「コネクテッド ワークプレイス プラットフォーム」というカテゴリらしく、結局何なの?というと、当初の発表では、リモートと対面の働き方を再創造するとか難しい事言っていますが、従業員の勤務場所を調整してAIの機能で最適化するという事です。この発表の時はまだ生成AIも出ていない頃ですね。こちら追加ライセンスを払ったりすれば色々できるようだけど、 Microsoft 365 のライセンスの範囲内であれば誰がいつ出社するのか?がわかって、対面で会議をしたいなと思った時に勤務場所も含めて調整ができるみたいなものかなと思っています。
その後、 Copilot の波でなんか消えかけている感じがしたけど、ひっそりとプレビューで展開されていたりしました。正直僕自身もあまりキャッチアップしていませんでした。
また、 Microsoft Places とは銘打っていないけど、勤務場所を Outlook から設定できる機能なら、2023年6月あたりに機能が追加されました。
更に Microsoft Teams のステータスにも勤務場所の設定と表示ができるようになりました。
どちらの機能もアナウンスとしては Microsoft Places の名前は出ていないからイマイチよくわからないです。
そんなこんなでモヤモヤしているところに、 2024/10/31 付けで Microsoft 365 管理センターのメッセージセンターに、以下のメッセージが公開されました。
▼(更新済み)Microsoft Places アプリが既定でオンになっています
Outlook で同僚とオフィスで会ったり会議したりする調整ができるとの事。勤務地が指定されていたら誰がどの勤務地で働いているかも確認できるので、対面でコミュニケーションをとる最適な出社日を決定できるという事。これは2022年に発表されたとおりの機能ですね。
他に Teams Premium ユーザーであれば追加で色々な機能が使えるらしいけど、僕自身 Teams Premium 持っていないのでスルーさせてもらいます。
さて、記事タイトルにトラップがあったと書いてあるけど、実はこちらも機能展開されていたことに気が付かなかったんです。一応一般提供は12月初旬~12月中旬と記載されているので、たいして出遅れてはいませんが、気が付かなかった理由がトラップだったんです。
▼ Outlook
僕は Outlook on the web 派なので、それで試していますが、このようにアプリだから左のアプリバー内の「その他のアプリ」アイコンをクリックし、アプリの検索で「 Places 」で検索しても表示されない。なのでまだ展開されていないんだと思っていました。
ところが、SNSでは展開されているポストを見かけたので、もしや?と思って、このボックスの右下の「アプリの追加」をクリックし、
▼この画面から「 Places 」で検索したら出た!
トラップ!これはちょっとヒドイじゃないですかぁ。ということで、皆さんもこっちで検索した方が良いですよ。
という事で、ちょっと試してみます。
▼追加画面のスクショ①
このスクショは Teams Premium ユーザー用の画面かな。特定の勤務地(ここでは「 Building 4 」)で今日は誰が働いているのか?がわかる感じですね。
▼アプリの説明文
う~ん、読む気無くしますね…。ただじっくり読めば読むほど、 Microsoft Places は元々 Microsoft が自分の会社のためにまずは開発したことがわかります。米国 Microsoft 本社は一つの街くらいの大きさにたくさんの建物がありますからね。どこで誰が働いているか?を探せたら便利だし、「自分が関心のある対面イベント」とか「アメニティサービス」あたりは大企業ならではですよね。中小企業なら1日の中で広いオフィス内で複数の対面イベントが開催される事もないですからね。
▼スクショ②
こちらもおそらく Teams Premium の機能。地図が表示されて誰がどこで働いているかがわかります。僕も米国 Microsoft 本社に行った事ありますが、その時はオフィスの壁に大きなタッチディスプレイがあって、このような地図が表示されて、 Microsoft 社員であれば自分の権限の範囲内で、誰がどこで働いているかを探せていました。
▼スクショ③
これが Teams Premium ユーザーじゃなくても利用できる機能でしょう。今週は誰がいつどこで働いているかが一望できるので、「あの人に会うにはあの日に出社しようっと」とか「全員と対面で話したいからあの日がイイな」とか検討できるわけですね。
▼スクショ④
これは分析なので…おそらく Teams Premium が必要でしょうね。たしか Microsoft Ignite 2022 の発表では、分析をして「全体的に〇曜日が会議室は利用されていない」とか「この会議室は全然使われていないから不要」とかそういう分析にも使えますって言っていた気がします。
▼スクショ⑤
これもおそらく Teams Premium が必要でしょうね。そして Microsoft みたいな会社の敷地内に複数の社屋がある会社じゃないと響かないでしょう。予約した会議室の場所をスマホアプリで教えてくれるんでしょうね。日本だとどうだろう?製造業で広大な敷地に工場が何棟もあるようなところだと欲しいんですかね。
と、アプリの追加をする前の説明とスクショをとりあえず眺めたところで、多くの人が 非 Teams Premium ユーザーだと思うので、上のスクショで言うところのスクショ③にあたる機能をちょっと使ってみます。
▼アプリを追加して開いたところ
Outlook 内で Microsoft Places アプリが開かれました。これを見ると、オフィスに中村太一さんが水金で出社する予定が記載されていますね。
では、ここに別の人も出社情報を入れてみます。
▼別の人(悲しみます子さん)が Outlook の設定で毎週の定期出社日を設定したとします
すると、さっきの人がもう一度 Places アプリを表示させると、
▼Places アプリ
あ、悲しみます子さんのオフィスへの出社日がわかるようになりました。
たとえばこれを見て、「金曜日に私も出社すればより多くの人に会えるな」とか計画ができるというわけですね。
実際触っていると、この勤務地をオフィスに入力した人がここに表示されるわけですが、そうじゃなくても、
▼「編集」をクリックすると、
▼ユーザーを追加することができます
▼どこで働いているか気になる人を追加すれば、
▼その人たちの勤務地の情報がわかりますね
▼右上のアイコンの「コラボレーターを表示」をクリックすると、
▼こういうUIもありました
▼自分の勤務地の予定の変更もできます
ただ、色々触ってみたけど、ここからスケジュールの新規作成はできなさそうです。そのうちできるようになりそうな気もしますが、今はここで確認して対面会議を設定したいと思ったら、予定表に移動しないといけなさそうです。
という感じでパっと触ってみたところ、ハイブリッドワークの環境で働いている人にとってはイイなと思う一方で、皆さんもお気づきだと思いますが、これが便利な大前提は「全員が勤務地を設定しておく必要がある」です。これなかなかハードル高そうですね。いや、上からトップダウンで強制すれば徐々にクセが付きますかね。色々な働き方があると思いますが、毎週この曜日は出社しているとかルーティーンが決まっている人は、上の方でスクショ出したように、 Outlook の設定をしておけば良いですね。また、さすがに予定表に予定を入れる事はしていると思うので、出社の予定が入ったらその日の勤務地を Outlook の予定表から変更しておくクセを付ければ良さそうですね。いずれにせよ、全員が勤務地を正確に入れてこそ便利に利用できる機能ですね。
という事で、 Microsoft Places はイマイチ全容がよくわからないですが、 Microsoft Teams にも Places アプリを探したらあって、同じ機能が利用できました。
▼ Microsoft Teams の Places アプリ
なので Microsoft Places 単体でアプリがあるというより、現時点では Microsoft 365 の色々なところから利用できる機能という感じですかね。そうなると、冒頭で紹介した Outlook や Microsoft Teams に勤務場所の表示や設定ができるのも、結果的に Microsoft Places の機能の一部であるという事がわかるので、 Microsoft 365 Copilot のように Microsoft 365 の色々なところに溶け込むようなものなのかもしれないですね。知らんけど。
先月末に開催された日本のユーザ…