SharePoint :ニューステンプレートが全てメール共有(配信)をサポート

SharePoint 使っていますか? Microsoft Teams のチームの裏側で無意識に利用されているだけという会社も少なくはない印象です。もちろんそれでも十分ですが、単体で SharePoint を利用するとなるとキモになる大事な機能は「ニュース」かと思います。15年以上前だとリストに「お知らせ」というテンプレートがあり、そのお知らせリストを一方通行の掲示板として利用するケースが主流でしたが、その流れを汲んで未だにリストを情報発信で利用している会社も少なくはない印象です。別にそれが悪いとは言いません。それで要件が十分に満たされているのであれば。ただ、 SharePoint 自体がもうだいぶ前からニュース機能を出して機能強化し続けている事や今後のロードマップなどを考えると、さすがにもう SharePoint を利用した社内発信はニュース機能を利用しない手はないんじゃないかなと思います。

そんな SharePoint のニュースですが、およそ1年前の2023年9月にニュースをメールでも配信できるテンプレートが登場しました。

SharePoint :ニュースをメールで配信できるテンプレートが登場

社内に向けた情報発信の目的とは?これ良くありがちなのが情報を発信する事を目的としがちですよね。発信者視点だと発信したんだからあとは受信対象者が読まなかったらそれは読まない方が悪いという考え。でも受信対象者に読まれないのであれば発信しても発信しなくても同じなので無駄な作業になります。情報発信の目的は発信した情報が受信対象者全員に閲覧してもらう事だと思います。いや本当の目的は閲覧してもらった上で正しく内容を理解してもらう事だと思いますが、さすがに理解してもらう事まで目的にしてしまうと厳しいのでとりあえずは受信対象者全員に受信してもらう事かと思います。そうなると課題となるのが受信対象者にいかに発信を気付いてもらえるか?かと思います。

SharePoint のニュースなら、公開されたら例えばサイトホームのニュースWebパーツに表示されたり、昔の SharePoint で大きな課題があったいわゆる「サイトコレクションを跨ぐ」という事も気にせず別のサイトでもニュースを表示できるし、 SharePoint スタートページにも自分がフォローしたサイトのニュースなどが表示されます。お知らせリストで発信していた時よりも露出が増えてきました。しかしそもそも SharePoint 自体を利用していない人にとっては発信に気付きません。なので例えば全員が利用しているであろう Microsoft Teams の組織全体チーム内に SharePoint ニュースのリンクを貼り付けて案内したり色々あの手この手はあると思います。今や Microsoft Viva で Viva Connections や Viva amplify なども候補に挙がりますが、やはり社内の情報伝達手段としてはまだまだ王者である「メール」も大事な手段ですよね。という事もあり、このメールでも配信できる SharePoint ニュースのテンプレートを利用する事で、サイトにニュースを公開すると同時にメールでも配信できるという体制がとれ、より社内に気付かれやすくなるでしょう。

いつものように前段が長くなりましたが、そのニュース配信用テンプレートがなくなりました。なくなって代わりにどのテンプレートでもメール共有(配信)機能をサポートする事になりました。

2024/08/02 付けで Microsoft 365 管理センターのメッセージセンターに以下のメッセージが公開されました。

▼ Microsoft SharePoint: ニュース テンプレートの更新

僕の標準リリース環境にも展開されはじめていたので試してみます。

▼ニュース作成時

以前はテンプレートに「メール用」とか「標準」とかカテゴリーがありましたが、現在はカテゴライズされていません。

▼テンプレート適用後の編集モード

実は別途記事にしなきゃだけど、編集モードのUIも変わりましたね。右にパネルが常に表示されるようになっています。いや、ここ2週間くらいで特に対象指定リリース環境に SharePoint のアップデートがたくさん来ているので記事にするのが大変で困っているんですけどね。それは置いといて…。

▼コマンドバー内には「メールのプレビュー」もある

▼配信されるメールをプレビューできる

ここらへんは以前はメール用テンプレートから作成しないと使えませんでしたが、今は気にせず利用できます。

▼下書きが終わって公開したい時は右上の「投稿と送信」をクリックすると、

▼メール配信の設定

ここで上を見ると「 Your news in posted. 」という注意書きがあります。日本語訳されていませんが、つまりこの時点でもうサイトにはニュースは投稿されており、ここからの設定はメール配信の設定ですね。

じゃ、強制的にメール配信しなきゃいけなくなったの?というとそうじゃなくて、この時点ですでに投稿されているから、

▼ボックス内右上の「×」をクリックすれば、

▼メール配信はやらずに投稿のみ

という感じで、メール配信専用のテンプレートはなくなり、どのテンプレートからもメール配信もできるようになりました。

さて、このアップデートで気になった点は、ニュース作成者が戸惑うかもしれない点。

▼ニュースを作成・編集している時

Webパーツを追加しようとしたらWebパーツの種類が少ない。これメール配信用テンプレートができた時の上で紹介した記事にも書いてあるけど、メール配信用テンプレートには利用できるWebパーツはかなり限られちゃってるんです。でも今回のアップデートでメール配信用テンプレートってわけじゃなくなったけど、使えるWebパーツが少ないまま。メール配信するつもりがないニュースを作る時はどうしたら良いの?

これわかりにくいですが、

▼Webパーツ追加ボックス内の検索エリアの下「メール用に作られまし」をクリックしたところ

ここをクリックして「すべて」をクリックすれば、

▼すべてのWebパーツが選択可能に

じゃ、メール配信では利用できないWebパーツを追加したら?

▼ コードスニペット Webパーツはメール配信には利用できないけど追加しました

すると上に注意書きが出てきました。

「このニュース投稿には、メールで送信できない Web パーツが含まれています。ニュース投稿全体をメールで送信するには、次の Web パーツを削除します: コード スニペット」

▼更に「メールのプレビュー」がグレーアウトされている

じゃ、新規ニュース作成時にメール配信では利用できないWebパーツを追加した状態で「投稿と送信」をしたら?

▼投稿はされてメール送信用のボックス

このようにメール本文にニュースコンテンツを表示させる配信ではなく、単にニュースページのリンクを送信する方法しかできないようです。

という事で、事前にメール配信をするのか?単にサイトにニュースを投稿するだけなのか?またはリンクをメールで送信する方法で良いのか?あたりは想定してから作りこんだ方が良さそうですね。


とにかく情報発信においては受信対象者にいかに気付いてもらうか?が大事なポイントの一つになるので、そこをこのように色々な手段で気付いてもらうように仕向ける機能が追加されアップデートされていますね。

ただ、逆に過剰にやりすぎて同じコンテンツの通知が色々な場所に来るとオオカミ少年になりかねなく、今度は気付いてもらえているのに中身を閲覧してもらえないという状況にもなりかねないので、なかなか難しいところですね。

TAICHI