※本記事の内容は事前に Microsoft の CPM ( Community Program Manager ) に確認済です。
※長い経緯も含めて語るので長文です。
【目次】
僕はこのブログもそうだし YouTube もそうだし複数のコミュニティの主催や運営メンバーをしているし登壇活動もしています。趣味で。そんな活動が米国 Microsoft 本社に認めてもらい Microsoft MVP という年次のアワードを受賞して連続5年目です。その Microsoft MVP には様々な特典があるのですが、そのうちの大きな1つが「 MVP Global Summit 」という Microsoft MVP のみ参加できる1年に一度のイベントです。日本では通称「グロサミ」と呼ばれているので、以降はこの通称で呼びます。グロサミは完全NDAのもとで様々なナイショな情報を共有してもらえたり、各製品についての今後を Microsoft の製品担当チームの人たちと一緒にディスカッションしながら考えられるセッションがたくさんあるイベントです。僕より Microsoft MVP 受賞歴の長い人たちから聞くところによると、以前に比べて最近はディスカッションを多くする傾向だそうです。つまり Microsoft 側から「教えてあげる」じゃなく、「有識者の人たち、一緒に考えましょう」という感じですかね。僕は初受賞の年度の2019/03に初めて参加しました。その時のレポートは以下に記事があります。
2019年に初めて参加したグロサミですが、セッションを通じて得る情報の他にも、渡米して Microsoft 本社に行けるだけでも特別感あるし、最後の夜に大きなパーティーなどもあり、凄く特別感を味わえる幸せな気持ちになれるイベントでした。非常に楽しくて「来年も必ず参加するぞ!」という気持ちでいっぱいでした。そしてコロナ…。運営側は最後まで検討されていたようですが、結果は2020年のグロサミは初のオンラインイベントとなりました。結果は非常に味気のないイベントでした。もちろん Microsoft 側も急な対応で大変な中、色々と初オンラインイベントという事で手探りで色々と参加者を盛り上げるような工夫をしてくれていましたが、やはり現地参加の特別感や高揚感に比べてしまうと残念な気持ちでした。そしてまさかコロナ禍が何年も続くなんて思っていなかったので「来年こそは渡米して現地参加するぞ!」という気持ちで乗り切りました。そして2021年…またオンラインイベント。この頃には半ばあきらめムードすら感じていて、仮にコロナ禍が過ぎてもずっとオンラインイベントになっちゃうんじゃないか?(楽だし予算もかからないし)なんて事も考えていました。そして2022年…3回目のオンラインイベント。絶望感すら漂ってきました。いや、本来のイベントの主旨はしっかりオンライン上でできているんです。でもとにかく気持ちが盛り上がらない。実はオンラインイベントになった2020年から、僕と同様にガッカリしている世界中の Microsoft MVP 達に何か元気を出してもらえないか?盛り上がってもらえないか?という思いから、非公式応援曲を作って公開していました。
MVP Global Summit 2020 Un-official Supporters’ Music
https://youtu.be/PsOlVs9ZBaQ
MVP Global Summit 2021 Un-official Supporters’ Music / HALOP SOLOP ( Power Automate / Power Apps )
https://youtu.be/bYsRzNI_tOs
MVP Global Summit 2022 Un-official Supporters’ Music ( Guitar / Power Apps )
https://youtu.be/cOBrxjswIDE
これ、2020年と2022年の動画を見比べると後ろの機材がだいぶ変わっているのがわかると思います。僕だけじゃなく多くの人がオンライン会議・登壇用に機材を充実させていったんじゃないかと思います。そういう変化も垣間見れますね。話が逸れたので戻します。
そして2023年…。少し世の中は明るくなったように思います。海外ではマスクをしている人が珍しい光景をよく写真で見るし、2022年後半あたりから世の中のオンラインイベントが徐々にオンライン・オフラインのハイブリッドイベントにシフトしつつあります。日本はそこから少し遅れたけど徐々にハイブリッドイベントが増え始めてきました。マスクは海外ほど外していないけど最近はマスクしていない人の姿もちょいちょい見かけるようになりました。いよいよ次のグロサミもハイブリッドイベントとして開催されるのでは?という期待値が非常に上がりました。そしてついにハイブリッド開催というアナウンスが来たんです。凄くワクワクしながらそのアナウンスを読んだ事を未だに覚えていますが、結果は現地参加は断念しました。費用が高い事と、僕の周囲の Microsoft MVP 仲間も現地参加を断念していた事もあり、今年2023年のグロサミもオンラインでの参加という事になりました。あまりにもショックすぎて2020年からずっとつづけてきた非公式応援曲は今年は作曲する気も失せてしまったくらいです。ということで Microsoft MVP 初受賞後、1回だけ現地参加、その後4回オンライン参加です。
いつもお世話になっている大先輩の愛先生が現地参加しており、こんな写真を無理にお願いして撮ってもらいました。
▼米国 Microsoft 本社にグロサミ期間中に飾ってある全MVP/RDの名前
▼僕の名前が書かれている部分を撮ってもらいました!( Taichi Nakamura を探せ!)
さて、グロサミに2019年に初参加した時に上で紹介した記事内にも記載しましたが、これまでになく「英語は大事だな」と感じるイベントでした。日本国内にいれば日本語を話せるだけで十分で、英語を話せなくても不便を感じません。でも海外の人と交流しようとしたり、海外に行こうとすると一気に不便さを感じます。英語が話せたら米国側の空港でも戸惑わないし、現地の人と話すこともできるし、買い物や外食も不安がないでしょう。そして肝心なグロサミに関しては、情報共有は PowerPoint のスライドを見ればなんとなく理解できるので問題ないとして、一番残念に思うのがディスカッションに加わる事もできないし、聞いてるだけでも理解できない。議論が白熱するほど何を言ってるかサッパリわかりません。これは本当に自業自得ですがおそらくイベントの4割くらいしか楽しめていないだろうと思います。グロサミ初参加してからというものの、年間で1億回は「英語を話せるようになりたい!勉強しようかな?」と考えるけど、同じく1億回「やっぱいいや…」という結論になってしまうんです。僕が学生の頃の日本の英語教育が酷かった事のせいにすれば簡単だけど、今もヤル気が出ないので言語を学ぶことが好きじゃないんでしょうね。他にやりたいことが山のようにあるので。というわけで、以下は自業自得だと思いながら読んでみてください。
ということで現地参加のグロサミのセッションのほとんどは僕は理解できていませんでした。そんな中、1つのセッションが今でも印象深かったです。もちろんセッション内容はNDAなので話せませんが、とあるセッションで冒頭に多言語対応をすると言ってくれて Microsoft Translator を使っていました。怪しい記憶なので不正確かもしれないけど、 Microsoft Translator で部屋を立てられるんです。話者の言語を英語に設定した状態で参加者はそれぞれスマートフォンから部屋に入ってもらうと、スマートフォンのアプリにそれぞれの言語に翻訳されて字幕で表示されるというものでした。おぉ!と思って利用してみたんだけど、結果としてはなかなか実用的とは言えず翻訳された日本語字幕を読んでも内容をほとんど理解できませんでした。また、スピーカーが途中でその仕組みやめちゃったんです。なぜか? Microsoft Translator で部屋を立てた話者のPCが部屋のスクリーンに投影されているんだけど、画面下に話者が話した英語が字幕で表示されるんです。つまり音声認識の部分ですね。実はその音声認識の精度があまり良くなくて、凄くおかしな英文の字幕が表示されてしまい、それを見た英語圏の人たちはおかしな字幕にイチイチ反応しちゃって笑いの渦がおきて、セッションが全然進まなかったからです。
他にも Microsoft Translator もそうだし、スマートフォンの翻訳アプリを複数使って、海外の Microsoft MVP との交流を何度も試みたけど、結果は散々でした。というわけで、2019年のグロサミの印象としては「音声認識も機械翻訳も実用レベルには遠い」でした。
コロナ禍以降オンラインイベントとなってしまったグロサミですが、オンラインセッションで利用されているのはもちろん Microsoft Teams です。グロサミ運営側も色々と試行錯誤されており、なんと言っても Microsoft Teams を作っている Microsoft が運営しているので学ぶことはたくさんあります。2020年の初回は Microsoft MVP 側もオンライン会議に慣れているわけじゃないので、マイク関連のトラブルは結構あったように思います。オフにし忘れて生活音が聞こえたり。また、機材への投資もしていない頃だったから音質もヒドイ人も少なくはなかったです。
それがコロナ禍が長引き、働き方も変わり、オンライン会議の利用頻度も急上昇するし、そのために機材に投資をし始める人が増えてきました。徐々に多くの人が慣れてき始めたんですよね。そんな中オンラインイベントとして回数を重ねていくグロサミも例外ではありませんでした。徐々にオンラインセッションに慣れてきます。また Microsoft Teams の進化も著しかったので、例えば会議のリアクションでオンラインセッションを盛り上げたり、挙手機能でディスカッションの発言の統制をしたり、セッションごとに開催メンバーが複数人いて会議チャットを利用してのQ&Aもどんどん頻繁になってきたり、セッションの最後に Together モードで記念撮影をしたり。
ただ、それでも英語ニガテマンの僕の楽しみ方はあまり進化しませんでした。 Microsoft Teams にはライブキャプション機能があったけど、英語で話して英語の字幕が表示されるので音声認識のみです。僕はしゃべりではほとんど理解できないので字幕の英単語で理解を補完しますが、たいして補完できません。字幕の英語を機械翻訳にかけたくなるじゃないですか。でもNDA情報なので機械翻訳にかけちゃダメなんですよね。翻訳サービス側にデータが行っちゃうので。たぶん。
そんな中、先日開催された2023年のグロサミの体験は大きく異なりました。以下に Microsoft MVP Award Program 公式ツイッターアカウントが公開していたツイートを掲載します。
※ここに記載されている内容はNDAでないと判断し、この記事を続けて書いていきます。
おそらくですが英語圏の人たちは例年通りじゃないかと思います。しかし英語が苦手かつ Microsoft Teams の機能をある程度熟知した Microsoft MVP にとっては劇的に体験が良い方向に変わったんじゃないかと思います。僕がそのうちの一人です。その理由を順に紹介します。
まず一番大きな点は「ライブキャプションの自動翻訳機能」です。この機能が展開されたあとの初グロサミが今回ですからね。まず音声認識と翻訳の精度が遥かに高くなりました。なのでセッションの内容を理解できるようになりました。うれしいのがセッション中のジョークすらもほぼリアルタイムで理解できたことです。2019年現地参加した時は会場で笑いが起きてもサッパリわからずに周囲に合わせて作り笑顔していました。2020年以降も会議のリアクションや会議チャットで笑っている様子・盛り上がっている様子が表現されるけど、同じく僕は理解できませんでした。それが2023年は理解する事ができました。大きな体験の違いです。ライブキャプションの自動翻訳機能があるだけで世界が変わったと実感したと言っても過言ではありません(過言かも)。
ライブキャプションの自動翻訳機能の精度が上がったのはもちろん周辺の機能のアップデートはもちろんですが、僕個人的な見解だけど、マイクも関わっているのでは?と思います。いくらソフトウェアが良くてもハードウェアがダメならダメだという意味で。上の方で「参加者( Microsoft MVP 達)の機材も年々充実していった」という話をしましたが、2020年の初オンラインイベントになったグロサミのセッションでは、質問をする人のマイクの音質が悪い人もいた気がします。それが今年のハイブリッドイベントのグロサミのセッションでは、会場の音声がしっかり聞こえるのは当然(たぶん日本マイクロソフトの品川オフィスの31階みたいに天井に高価なスピーカー・マイクが埋め込まれているんでしょう)、オンライン側から質問する人たちの音声もクリアに聞こえました。ハードウェアからしっかり収音できるからこそ、そこからのソフトウェアもしっかり効果が発揮されると思います。そういう意味でもあらためてオンライン会議においてはハードウェアも大事な要素だと感じました。たしかに仕事でオンライン会議をしていても、いつも聞き取りづらい人がいるけど出社して対面で話すとしっかり聞こえるのでマイクのせいなんだと思う場面もあるので。
さて、良い点だけを言っていても仕方ないのでライブキャプションの自動翻訳機能の気になる点・今後に期待な点を挙げてみます。
まず、仕方のない事だけど映画の字幕と同じで字幕を読むとカメラ映像や共有コンテンツに集中できません。目線が行き来してしまうので。英語圏の人であれば耳で音声を聞いて目で共有コンテンツを見る事ができるので、その体験に比べると劣る事は仕方ないとはいえ実際はそうですよね。だからこそもしその体験の差を埋めるとしたら僕が思いつく方法はスピーカー側で工夫できそうです。話すスピードをゆっくりにする。共有コンテンツの情報量を減らす( PowerPoint なら1スライドに細かく文字や画面を配置しない)。それを心がける事で、共有コンテンツと字幕の行き来を減らし全体の理解度も向上すると思います。参加者側ができる事は…英語力をアップさせることくらいですかね(自分にブーメラン…グサッ)。
次に、字幕が2行しか表示されない点。これはなかなか厳しかった。ライブキャプションはちょくちょく遅延が発生します。すると実際の会場の時の流れより遅れて急に長文が表示されるので一生懸命読むんだけど、別の人が相槌のように「OK」って言うだけで1行使われてしまうので、読み途中の長文が「OK」の1行によって消えちゃうんです。つまり、2行しか表示されないから、長文の1行が短文の2行によって読む前に消えてしまうという現象。これがトークが白熱するほど遅延が発生しやすいのか、スクロールが早くて読めない事もしばしばありました。
これに関しては今後のアップデートで解決できるでしょう。字幕部分をスクロールできて過去の字幕も読めるようになります。そうすれば表示から消えても問題ないですね。ただ、僕の考えで言えば、字幕って映画の字幕のイメージしかないので固定観念で「字幕は下に表示されるもの」と思いがちですよね。でも、映画の字幕は編集段階でタイミングよく表示されるように編集されているので、字幕が表示されない事はないです。一方、ライブキャプションに関しては視聴側にとってタイミングよく表示されるわけではなくあくまでもライブキャプションであるし、また遅延などで良いタイミングで表示されない事もあるというのはすでに言及しました。そう考えると「字幕は下に表示されるもの」という固定観念を外しても良いのかな?と思いました。それこそ2行しか表示されないし、「OK」などの短文でスクロールされちゃうし、仮に過去の字幕を遡れても、今度はスクロールの操作がいそがしくなります。そこで僕が良いなと思ったのはトランスクリプトです。トランスクリプトを表示させると会議ウィンドウの右側に縦長で表示されるんですよね。実はライブキャプションこそ縦長の方が効率良いんじゃないか?って思ったんです。改行が頻繁に発生するようなディスカッションになると、マウスホイールで頻繁にスクロールさせるよりも、目線の移動で過去のキャプションを追える縦長表示の方が良いのでは?と。残念ながら現在はトランスクリプトは話者の言語でしか表示されない(と思う)のですが、結局会議中においてはトランスクリプトとライブキャプションって「音声をテキスト表示させる」という点では同じですよね。なので機能をマージさせちゃっても良いのかな?なんて思いました。
次に、字幕のフォントサイズが僕には小さくて、ずっと読んでいくと疲れちゃいました。これも今後のアップデートでフォントタイプやフォントサイズをカスタムできるので、解決できるでしょう。
PowerPoint のスライドを共有してオンライン会議をする際に多くの人は画面共有をして画面にスライドを表示させると思いますが、グロサミのセッションだけでなく Microsoft の社員とオンライン会議をする時も PowerPoint Live を使って共有される事が多いです。これ知らない人が結構多いけど、 PowerPoint Live ってメリットたくさんありますよね(デメリットもあるので全てのシチュエーションで PowerPoint Live の方が良いわけではないけど)。で、グロサミのセッションでの PowerPoint Live のメリットはスライドの翻訳機能です。テキストであれば好きな言語に翻訳表示できちゃうんですよね。しかも参加者全員の表示が変わるんじゃなく、参加者それぞれ自分だけが影響範囲なので心配ないです。ライブキャプションの自動翻訳機能と PowerPoint Live の翻訳機能をセットで使うと、更に理解が増したように思います。
これまで話してきた中で、グロサミがオンラインイベントになった当初はマイクのトラブルが結構多かった気がすると話しました。大抵トラブルが頻発するとネガティブな対策を考えがちです。つまり参加者のマイクを制限する方法。しかし、グロサミでは今年もそうだったけど、参加者のマイクとカメラのオンオフは自由にできるようになっていました。あえてネガティブな統制をしない点は素晴らしいと思いました。そして年々徐々に参加者側もトラブルが減るし、マナー的な部分で変な人もいません。もちろん Microsoft MVP 達が凄い事もあるんだけど、こうやって参加者を信じてポジティブな継続をしていく事で参加者全員が向上していくというストーリーは仕事でも見習いたいです。 Microsoft 365 の新機能は特に日本企業ではすぐに「従業員に使わせないように利用禁止にさせたい」という動きになります。その気持ちもわかりますが、それじゃ従業員のITリテラシーは向上しません。参加者を信じるポジティブさは見習いたいところですね。
そして、今年は初のハイブリッドイベントでしたが、僕も何度かハイブリッドイベントは参加者としても運営としても経験しているのでわかるけど、準備が大変です。会場側の機材準備(会場内にマイクの音声を流す・オンラインメンバーの音声を流す)もあれば、オンライン側に音声を届ける準備もあります。ハイブリッドイベントの開催は会場・オンラインと両方に配慮するにはコツもあるし経験も必要です。当然今回のグロサミでも僕が参加したセッションで機材トラブルが何件か起きていました。主にハウリング、音が出ない、聞こえないという音声にまつわるトラブルです。トラブルは付きものだけど、そのフォローが大事ですよね。僕が見たセッションではトラブルが起きた時に周囲のセッション運営メンバーがうまくトークでフォローしていました。会場のマイクの音声がオンライン側に届かないトラブル以外ならトークでフォローで対応できるし、会議チャット側でもフォローできますよね。大事なのはフォローできる体制だと思いました。オンライン会議においても開催側にフォローできる体制は整えておいた方が良いですよね。
これはグロサミでも気が付いたし、日本マイクロソフト社の品川オフィス31Fでハイブリッドイベントを開催した時にも気が付いた事。それは会場のマイクの収音性が非常に高いという点。スピーカーの音声だけでなく、会場内の声まで精度よく拾えます。これは良い事なんですけど気を付けるべき点は開催前後や休憩時間。会場にいる参加者は参加者同士でおしゃべりをするのも楽しみの一つですが、そのおしゃべりの内容がオンライン側に聞こえてしまう可能性があるという点です。休憩中のおしゃべりの中にはビジネス上の繊細な話もあるだろうし、(そもそも良くないけど)どこかの会社や誰かの陰口っぽい話もしがちですよね。業界の裏話なんかもしていると思います。それがすべてオンライン参加者に筒抜けになってしまうんです。でもおしゃべりは楽しいですよね。なのでこういう時代になったから、開催側はセッション中以外は会場の音声はオンライン側にオフにしたり、会場内の参加者は会場の外でおしゃべりを楽しむなどの配慮が必要になってきていますね。これは本当に要注意です。
まず、2022年と2023年のグロサミを通して、上述の通り、ライブキャプションの自動翻訳機能のおかげで、だいぶ英語が話せない僕の体験が変わりました。でもやはりグロサミの醍醐味はおそらく「ディスカッションを聞く」じゃなく「ディスカッションに参加」だと思います。そういう意味だとドラえもんの「ほんやくコンニャク」みたいな世界が実現できると良いですよね。そこまで行かずとも、今はライブキャプションの自動翻訳機能では、話者の言語は英語なら英語と固定しなければいけないので、話す人が複数人で複数言語だと対応できません。でもライブキャプションって誰が話しているかは識別できるので、話者それぞれが自分の言語に設定すれば、話す人によって音声言語が切り替わってくれると、多言語でディスカッションができるのかなと思いました。そういう時代ならそう遠くはないんですかね。
次にこれは Microsoft Teams の問題だけど、画面右下の通知ボックスが邪魔ですよね。会議ウィンドウを画面いっぱい広げて会議チャットを開きます。すると会議チャットのメッセージ入力欄の上に通知ボックスが重なって表示されるUIになります。これ普段のオンライン会議ではあまり会議チャットって使われる事がないと気が付かないけど、グロサミでは Microsoft MVP からの熱いメッセージや質問がたくさんあるので、特に参加者からのチャットが頻繁です。なので通知ボックスが下から上にズラっと並びがちです。すると通知ボックスが邪魔で会議チャットが読めないし、自分が入力する時も邪魔です。これを回避するには会議ウィンドウの設定で通知をミュートに設定するなどの対応は取れるけど、たぶんそういう事ができるのを知らないでイライラしちゃう人は結構いるんじゃないかと思います。UI的な点で改善できるのではと思います。また、そもそも会議ウィンドウに会議チャットを表示させた時の右から出現するパネルの横幅が狭い気がします。そこらへんは個人の感想になってしまいますので、横幅が自由に変更できるようになると良いのかなと思いました。
2023年のグロサミを全体的に見ると、初のハイブリッドイベントという事で、ハイブリッドイベント・会議にはよくある事に「オンラインメンバーの疎外感」というのがありますが、たしかに現地参加している人達の方が盛り上がってるし非常に楽しそうである点はうらやましさしか感じないけど、セッションに関してはオンラインが置いてけぼりを食う感じはあまりありませんでした。ただそれは言語の壁(特にこちらから話せない)があったからそう感じたのかもしれないです。しかし、例えば参加者が話したい時は、現地ではリアルな挙手、そして同様にオンラインでは挙手機能の挙手で受け付けていて、そこら辺のオペレーションや統制が取れていた事も大事なポイントだと思いました。オンライン側にはチャットもあるし、チャットにしっかりセッション運営側が対応してくれるし、チャットを通して参加者同士でも交流できたし。 Microsoft 側のスタッフが多くて、スピーカー以外のスタッフが現地もオンライン側もしっかりフォローできていたからですね。
2019年からグロサミに色々な形で参加していますが、結局は渡米して現地参加が一番良い事には変わりはないというのが結論です。これは「古臭い人間だ」と一言で片づけてはいけない現地でしか体験できない満足感があると思います。これを言うと「それなら社内会議も対面にしなきゃ!さぁまた強制的に出社を義務付けよう!」という声が強くなりそうだけど、それは僕は違いますよ。会議に関しては対面する価値はそんなに感じません。僕がグロサミが現地が良いと言っているのは、旅行と同じです。モニター越しに海外の風景を見て旅行した気分になるのと、実際に旅行に行くには体験は雲泥の差ですよね。グロサミにおいては飛行機に乗るという体験、アメリカに滞在する体験、アメリカの食事を楽しむ体験、海外の仲間と握手やハグをする体験、そういう体験や雰囲気とセットでセッションで学ぶという事に満足感があるので。また、オンライン参加だと時差の関係で昼夜逆転生活になるけど、日本にいる事には変わらないので、結局仕事や家庭に合わせなきゃいけないので、現実に戻りやすいです。没入感がないので盛り上がりに欠けます。そして渡米して現地参加していればよほどのことがない限り仕事もその期間は後回しにするけど、オンラインだとついつい仕事も気になっちゃいます。
そういう意味でも「来年こそは渡米して現地でグロサミに参加したい!」という気持ちには変わりはないでしょう。そのためには次回の Microsoft MVP 再受賞する事が前提なので祈るしかありません。
2019年にグロサミに現地参加した時に、次回現地参加した時の目標がありました。
いつか叶えたいです。
という事で来年の今頃は「今年のグロサミの現地参加レポート」って記事が書けるようになる事を願いつつ、日々がんばります。そしてどのような形にせよ、このようなイベントを提供してくれる Microsoft には感謝です。
※完全に僕の備忘録でもあるこんな長文にもし最後まで読んでいただいた人がいたら、お付き合いありがとうございました。