Microsoft 365 :「フィード」が現れた

皆さんは Microsoft 365 ホーム は良く利用しますか?おそらく当ブログに足を運んでいただける方々は利用している人が多いんじゃないかと思っています。定期購読してくれたり、わからない事があって検索してくるくらい関心があるという事で。でもおそらく Microsoft 365 ユーザーの多くは Word / Excel / PowerPoint と Outlook と Microsoft Teams くらいしか使っていないんじゃないかと思っています。そういうユーザーはそもそも Microsoft 365 ホーム自体を利用する機会がないんじゃないかと。今回はその Microsoft 365 ホームの話です。

2022/12/17 付けで Microsoft 365 管理センターのメッセージセンターに以下のメッセージが公開されました。

▼(更新済み)マイクロソフト 365: マイクロソフト フィード

※現時点では対象リリーステナントに展開中で、標準リリーステナントには4月下旬以降の展開予定との事です。

「フィード」って想像つかない人も少なくないと思うし、実は僕も別にその言葉自体はしっかりわかりません。上のメッセージを読むと、ザックリと Microsoft 365 全体からユーザーに合わせて関連性の高いコンテンツを表示してくれる機能との事。ここで言う Microsoft 365 とは世界中のユーザーというわけではなく(そりゃそうだ)自分が所属しているテナント内という事でしょう。ゲストユーザーあたりは対象なのか?あたりは記載されていないので不明だけど…。
また、ここで表示されるのはそのユーザー専用のものだし、アクセス権のないコンテンツは表示されないとの事。特に後者は当たり前っちゃ当たり前だけど、遡る事オンプレの SharePoint 時代から SharePoint の運営をしていた頃にちょくちょく従業員から問い合わせ来ていましたからね。権限設定しても検索から見られるんじゃないか?って。権限があるものしか検索結果に表示されませんよって良く回答してました。

次に思う事は、自分の業務は自分の業務範囲の中でチームメンバーとコンテンツを含めて共有しあってるから別にフィードはいらなくない?という考え。それはそれで良いと思うしそういう環境ならそれで十分な場合もあると思うので不要かもしれないです。このフィードを追加する Microsoft の意図はあまりメッセージの中に記載されていないので僕の憶測も加えますが、メッセージの中に少し記載されている内容を引用するなら「関連する人や関心事を見つけて学習するのに役立つ」あたりでしょうか。特にコロナ禍以降は Microsoft 自体がこれからの働き方であるハイブリッドワークに向けて Microsoft Viva を中心に多額の投資をして取り組んでいるようですが、ハイブリッドワークの課題の一つが横のつながりが薄れる事。縦のつながりというかチーム内のつながりに関しては業務上コミュニケーションはオンライン上で頻繁に発生しているけど、出社しないのでオフィス内での雑談などのつながりが希薄になってきています。そういう意味もあって Yammer が Viva Engage となってさらに進化していくというストーリーもあると思います。なので横のつながりが希薄になってきているのを補う1つの機能としてフィードが役に立つんじゃないでしょうか。 Microsoft 365 内の様々なデータを元に各ユーザーに合わせた関心事を提案してくれる事。なのでこれからの働き方に対する大事な機能の一つなのかな?と大げさながら思ったりしました。オッサンの妄言です。

さて、長い前置きはここらへんにして、実際に見てみます。

まずこの機能が展開されると、Microsoft 365 ホームに行くと、

▼「 Microsoft フィードの概要」

左ナビに「フィード」が表示され、(おそらく初回アクセス時に)吹き出しの説明文が表示されます。まぁ、そもそもこの説明文の「職場で関連する人や興味を見つけて学習します。」の「学習します」って、従業員に学習を促す意味なのか?それとも Microsoft 365 内で AI が学習しますって意味なのか?ちょっとわからないですけどね。まぁ。どちらも当てはまるとも思います。

とにかくこの「フィード」をクリックすると、

▼フィード

おっと…僕の家族テナントではそもそも家族とファイルの共有をしあわないのでデータが足りなかったようです。フィードに1件しか表示されませんでした。このようにフォローしているユーザーがどこかで共有したファイルが表示されるようです。

でも、メッセージセンターのメッセージに添付されているスクショを見る限りは、

▼該当部分を抜粋引用

ファイル以外にも Microsoft Teams の会議や会話も表示されるみたい。

で、次に気になるのは「フォロー」って何だろう?初めてフィードを見たのに、すでにフォローしている人が数人いるけど、これはなんだろう?その答えは、

▼左上の「 Manage network 」をクリックすると、

▼マイネットワーク

▼その中でも大事な部分

なんと Yammer のフォローと同期されているようです。なので Yammer の方でフォローしていたユーザーがフィードでもフォロー済になっているみたいですね。

さぁ、みなさん、先日僕はこういう記事を書きました。

Yammer から Viva Engage ( Viva エンゲージ )へ

特に日本企業ではおそらくほとんど利用されていないであろう Yammer は、特に Microsoft Teams が出てから「もう Yammer は消えるんじゃない?」という意見が飛び交っていましたが、僕はそれは違うと思っていました。そして Yammer が Viva Engage となって今後も色々と機能展開がされていくであろうロードマップもある中での、このフィードの Yammer との連携。これはやはり Microsoft 365 や Microsoft Viva の中でも Yammer ( Viva Engage ) が今後重要な役割になるであろうという事の一つなんじゃないかと思います。

僕は AI の事は良く知らないけど、でも AI にとってデータが大事なんじゃないか?というのはなんとなくわかります。 Microsoft 365 の中で AI によるユーザーへの提案をするような機能あたりは、テナント内の多くのユーザーが様々なサービスや機能をどんどん利用すればするほどアクティビティのログが増え、そのログを AI が解析するんだとしたら、ユーザーが使えば使うほど良い学習ができるし、逆を言うと、折角の機能も使われなきゃ AI からの提案は洗練されないんじゃないかと思います。

という事で、僕の環境でパっと見た限りはまだちゃんと表示されていないのか?表示させる情報が足りていないのかわからないけど、おそらく標準リリースに展開される頃には仕事で利用しているテナントなら色々と情報が表示されるかもしれないですね。

そして今 Yammer 利用していない、一度使ってみたけど定着せずに過疎って放置してある場合は、今一度検討してみると良いかもしれませんね。事業所が1か所しかなく従業員も少なく出社しなければいけない会社であれば不要かもしれませんが、事業所や拠点も広範囲に複数あってハイブリッドワークを推奨している企業であれば、緩く横のつながりがつくれる Yammer / Viva Engage は検討する余地はあるかと思います。

TAICHI