Microsoft が提供する、イマイチよくわからない「従業員体験プラットフォーム」である Microsoft Viva から、 Viva インサイト の話を連載的に書いています。 Microsoft Teams に Insights アプリとして追加する事で現時点でも気軽に試せるわけだけど、イマイチ情報が浸透していないので知らない人が多いという事、そして機能だけを見ると「ふ~ん」って感じに思えてしまうので、その機能を試してみて、しっかりその存在意義を僕なりに考察してみようと思ったわけです。今はまだ赤ちゃんや幼児くらいの段階だと思いますが、これらプラットフォームが成熟するほど、従業員体験という意味で今後重要な役割になってくるのではないか?…は、かなり大げさに盛りました(笑)正直、今後どうなるかはわかりませんが、このような挑戦的な取り組みに投資して提供していくスタイルは個人的に大好きなので、使えるモノは積極的に使っていきたいと思います。
▼第1弾
Microsoft Teams : Insights アプリが進化している( Microsoft Viva Insights )
▼第2弾
Microsoft Teams : Insights アプリの「リフレクション」機能( Microsoft Viva Insights )
そして第3弾の今回は「バーチャル コミュート」機能。英語ニガテマンの僕には「コミュート」ってなんだろう?だったけど、通勤の事だとわかって繋がりました。バーチャル通勤なんて機能が今後出てくるってアナウンスあったので。
去年2020年の Microsoft のイベント「 Ignite 」あたりでアナウンスがありましたっけね。 Microsoft Viva Insights の機能の一つとして「バーチャル通勤」が2021年に展開される予定ですよって。それを聞いて僕は「なんじゃそりゃ?」って思いました。これは僕の個人的な事ですが、コロナ禍で2020年3月からフル在宅勤務になり、そのメリットの一つが「通勤時間がなくなった」というところでした。そして通勤時間がなくなった事を在宅勤務のメリットとしている人の声もSNS上ではたくさん見てきました。なのに、在宅勤務によってなくなった通勤をバーチャルで復活させようだなんて。でも意図や機能を知るほど存在理由に納得できるようになってきました。
当時の説明では、行きと帰りの2つの通勤をバーチャルで行うとの事。
朝の通勤は例えば電車内や出社前にカフェでコーヒーを飲みながら今日1日の計画を立てたりするための時間を意識的に確保して、仕事に向けて気分を整えるのだとか(日本の通勤ラッシュじゃそんな余裕ないけどね…)。
帰りの通勤では、電車内などで今日のタスクを確認したり、明日のタスクを加えたり、今日1日の調子を振り返ったり、瞑想をしたり徐々に仕事から自分を切り離すのだとか(瞑想はなかなかしてる人いないかと…)。
たしかに家から職場に行く間で気持ちを仕事モードに切り替えていくし、職場から家路につく間で仕事を切り離す…というところはあると思います。それが在宅勤務だとオンオフの切り替えがなかなかできないですよね。そういえば在宅勤務でむしろ仕事をやりすぎてしまうって声もあったような。そういうところからも燃え尽き症候群みたいなものを感じているワーカーが増えてきている一因かもしれません。コロナ禍により半強制的に一変した生活スタイルをバーチャル世界で補うという感じでしょうか。
Microsoft Viva Insights がイマイチ浸透していない理由の一つとして、機能が展開されても気が付きにくい点があると思います。例えば Microsoft Teams の会議の機能が追加されれば、今や毎日のように利用する Teams会議で画面上のUIやメニューやアイコンなど変化にユーザーが気が付くんです。この「気付き」さえあれば興味があれば調べます。でも気付きがなければ調べるまでに至らないですよね。その点、ユーザーが自ら Microsoft Teams に Insights アプリを追加しないとわからないし、例えば今回のバーチャル コミュート機能は、更に設定をしないと利用開始されません。そしてその設定画面までの導線がわかりづらい。
▼ Insights アプリのホーム
この画面を舐め回すように見てもバーチャル通勤の表示が全くないんですよね。だから気が付きにくい。どうするかというと、
▼右上の「…」から「設定」をクリック
▼ Viva インサイトの設定画面
前回のリフレクションのリマインダー設定の画面と同じ左メニューがあり、だから前回記事の時点ですでに見えていたんですけどね。ここに「バーチャル コミュート」なるメニューがあり、この中で設定というか登録をしないと利用できない仕組みです。
▼中のタイトルと説明文
「1日の締めくくり…」と書かれていますね。つまり帰宅時の通勤の事かと。
▼そのタイトル右の「 i 」をクリックして表示される説明文
説明文を読むとやはり帰宅時の通勤の事ですね。精神的に仕事オンモードを仕事オフモードにするのに役立てましょうという事です。先に言ってしまうと、冒頭の方で話した去年のアナウンス時には行きと帰りの通勤をバーチャル通勤にするという事だけど、現時点では帰りの通勤のみ利用できるという事です。
在宅勤務をしているとずっと自宅で仕事をしているので作業に集中していると退勤時間を見失いがちです。なのでリマインダーの機能が必須というところです。曜日も設定できるけど、祝日や有給あたりは通知が来るでしょうね。そこらへんは別にイイ。
▼「通知時間」右の「 i 」をクリックすると説明文が
リフレクション機能でも同じ説明文ありましたね。ここで設定した時間の約30分前に通知を送信するって書いてあって、実際は設定時間の数分前に通知が来ていたので、この説明はあまり信用できません。
あと、このバーチャル通勤のリマインダーの通知時間を何時にするのか?が悩ましいところです。まぁ普通は会社で決められた退勤時間でしょうね。対外的にはそう説明しないといけないしその時間で設定しましょうって言わなきゃアレですよね。
ただここは僕の個人ブログなので、この中では本心で話します。在宅勤務となると人それぞれ様々な環境があると思います。一人暮らしの人もいれば家族と同居している人も。家事育児は通常通勤している時と同じ条件で勤務時間中は奥さんに任せて仕事に専念できる男性もいれば、勤務時間中であろうと家事育児に積極的に参加する男性もいれば、共働きで家事育児は分担、旦那さんが無職で奥さんが大黒柱なのに家事育児もしている、シングルマザーで働きながら家事育児も、などなど。そうなると在宅勤務でも働き方は多様なんですよね。コロナ禍で急に在宅勤務になった事により、テクノロジーのおかげで在宅で業務ができる環境は整えられても、会社的に法的な整備がなかなか整わずに、表向きは多様な働き方に対応できないところも多いハズです。しかし現実は勤務時間中に家事育児を放って業務に集中できないので…という。そうなると、勤怠の打刻は定められた時刻にするものの、実際の業務は柔軟にやらざるを得なく、家族がまだ寝ている早朝から仕事を開始して、家事育児をしながら業務をして、子供を寝かしつけた後に残りの仕事を集中して…なんて働き方もしている人は少なくないんじゃないかと思います。
話は長くなってしまったけど、だからこそ「通知時間」は本来は会社で定められた退勤時間を入れるべきだけど、実際はその後にも仕事をするので、バーチャル通勤の意味がなくなります。ここは正直に、本当の仕事終了時間を入れた方が良さそうです。僕の場合は…
▼こんな感じに設定しました
設定後に通知時間になると、
▼「調子はどうですか?」という通知が飛びます
▼フィードにも出てきます
これらをクリックすると、
▼こんなボックスが表示されます「始めましょう」をクリックすると
▼まずはタスクを振り返ります
今日までにやるタスクだけど未完了のタスクがあれば表示され、なければこのように明日以降にやるべきタスクが頭の中にあればここからタスクを追加しましょうという感じです。
▼次は明日の予定のチェックです
明日どんな予定があるのかがわかるのはイイですね。まぁただこれを見て憂鬱な気持ちになってしまう場合もあるのかな?
▼予定が多い場合は、下までスクロールすれば「次へ」が出てきます
▼次はリフレクションの記録ができます
前回リフレクション機能の説明をした時にリフレクションのリマインダーは1日1回しかできないと書いていました。でも実はバーチャルコミュートの中でもリフレクションの記録ができるので、リフレクションのリマインダーを例えば朝or昼に設定すれば、1日2回は忘れずに記録する事ができそうです。
そして、ここで「次へ」をクリックする前に、PCのスピーカーの音量と心構えが必要です(笑)それは何故かというと、
▼深呼吸の機能
最後に深呼吸をしてリラックスしてから仮想通勤を完了させるんですよね。ここではヒーリング音楽みたいなのが急に再生されるので、PCのスピーカーの音量と心構えが必要になってくるわけです。ちなみに僕は初めてバーチャルコミュートをやった時に、ここで急に音楽が流れて椅子から飛び上がりました…リラックスするところなのに(笑)これ、できれば画面が変わったら自動再生じゃなくて再生ボタンをクリックするとはじまるようになればイイんですけどね。あ、それだとやらずにスキップしちゃう人が多いかもしれないからなのかな?
▼終わりです
「残りの1日をお楽しみください」って文章がイイですね(笑)たぶん翻訳される前の英文は違うんでしょうね。これじゃ数日後に死ぬ事がわかっている系の映画やドラマやアニメで、神様的な人に主人公が投げかけられるセリフっぽいですよね。おそらく正しくは「1日の残りをお楽しみください」という仕事を終えてから寝るまでの時間を楽しんでくださいって事だと思います。
という流れが バーチャル コミュート でした。結構前から利用してるけど、意外とイイですよ。特に在宅勤務している方は是非試してみてください。嫌になったらリマインダーを解除すればイイんで。
さて、おそらく今後は「帰り」だけじゃなくて「行き」の方もバーチャル通勤できるようになるんでしょうね。
Docs の方にもバーチャルコミュートの説明がありますが、UIなどが違うんですよね。もしかしたら近いうちにまた変わるんでしょうかね。
仮想通勤Microsoft Viva インサイトを使用する
https://docs.microsoft.com/ja-jp/insights/viva-insights-virtual-commute