SharePoint 2013 以降/ SharePoint Online で SharePoint 2010 のパンくずリストを復活させる方法

以前、「ポータルサイト接続」機能の設定は、設定しただけでは意味がない話をしました。

SharePoint の「ポータルサイト接続」とは?

ポータルサイト接続はパンくずリストに表示させる設定で、そのパンくずリストが SharePoint 2013 からは非表示にされてしまったので、設定しただけでは意味がないと書きました。

つまり、パンくずリストを復活さえすればポータルサイト接続も利用できるのですが、それにはマスターページをイジらなければいけなく、マスターページをイジらない主義の僕としては別の方法を考えてくださいと書きました。

しかし、それから機会あってとりあえず動作検証してみたので、やり方だけ残しておきます。

※seattle.masterを適用しているとします。
※もしこの記事を参考に試みる場合は、マスターページのカスタマイズはサイトコレクションがおかしくなる場合もあるので、バックアップをとるなどをし、あくまでも自己責任でお願いします。

▼ SharePoint Designer でマスターページを開き、「bread」で検索すると表示されるここらへんのソースが対象です。

▼classが「ms-breadcrumb-dropdownBox」のdiv内「style=”display:none;”」を削除。

▼Visible=”false”のfalseをtrueに変更。

これで保存し、場合によっては発行して完了です。別のマスターページとして保存した場合は関連付けを忘れずに。

▼作業が終わると、トップリンクバーの左に見慣れぬアイコンが現れます。

ただ、これ…わかります??右のリンクのリンクアイコンのようにも見えます。しかも一般的な別タブ表示リンクのアイコンっぽいです。少なくとも知らないユーザーが直感的にパンくずリストがあると気がつく確率は限りなく低いように思えます。(なんかゴミみたいなのがある?くらいの印象ですよね。)

▼この小さなアイコンをクリックすると SharePoint 2010 のように展開されます。

そもそも SharePoint 2010 でも「これパンくずリスト?」って感じでなかなか気がつかず、クリックしないと展開しないので使い辛い。おそらくこんな感じだから SharePoint 2013 からなくなったんだろうなぁと思います。


パンくずリストが表示されたところで、ポータルサイト接続を設定してみます。

▼サイトコレクションの設定内に「ポータルサイト接続」があるので設定します。

▼パンくずリストを展開するとさっきまで無かった最上位に設定したリンク先が表示されます。

SharePoint 2007 の頃のポータルサイト接続はページ左上に常時表示されていて使い勝手が良かったのですが、やはりこれでは用途としては微妙で、わざわざマスターページをイジってまで復元させる機能ではないかなと思います。いつ消えてしまうかわからないし。

ということで、遊んでみたので記事にしてみました。

【参照】

What does “Portal Site Connection” do?

SharePoint の「ポータルサイト接続」とは?

サイトコレクションの設定画面に「ポータルサイト接続」なるリンクがあります。これは SharePoint 2007 の頃にはお世話になりました。 SharePoint 2007 には画面左上にパンくずリストが存在し、ポータルサイト接続で設定したリンクがパンくずリストの最上位に表示されたんです。なので、利用例としては社内ポータルサイトがあれば、そのリンクを他の全てのサイトコレクションの「ポータルサイト接続」に設定します。そうすると、どこへ行っても左上のパンくずリストから社内ポータルへ行く事が可能になります。

SharePoint のパンくずリストへの扱いはバージョンアップするごとに追いやられてきました。SharePoint 2010 ではユーザーが気がつかないほど目立たなくなり、SharePoint 2013 からはとうとうなくなりました。

となると、パンくずリストがない今、なぜまだ「ポータルサイト接続」の設定が生き残っているのか?他にポータルサイトへのリンクが存在するのか?と思って色々調べてみました。

日本語で「SharePoint ポータルサイト接続」で検索しても、古い情報しかないので、苦手な英語で検索をしました。英語では「Portal Site Connection」というようです。するとさすが世界は広く色々と結果が出てきました。

ただし、恥ずかしながら僕は英語が苦手なので…以下はあまり自信がありません。

複数検索結果を翻訳を頼りに読んでいったところ、どうやら「ポータルサイト接続」はパンくずリスト用途以外はなさそうです。そして SharePoint 2013 からはパンくずリストは表示されていないため、単にここを設定しただけでは意味が無いようです。

つまり SharePoint 2013 からポータルサイト接続を利用したい場合は、まずはパンくずリストを表示させなければいけません。パンくずリストは機能として消えたわけではなく、表示されていないだけで、裏側で機能としては残っているようです。ただし、標準機能の範囲でポチポチ設定するレベルではなく、どうやらマスターページを編集する必要があるようで、若干敷居が高いです。

元々、SharePoint 2007 では、個人的に「ポータルサイト接続」は冒頭に説明した利用用途では重宝していましたが、「パンくずリスト」自体は微妙でした。( SharePoint 2007 の頃はパンくずリストが2箇所あり、いまいちパンくずとしての機能が果たせていなかったと感じています。)なので、 SharePoint 2013 からは消えてしまったこともあり、パンくずリストを頼りにしない構成や見せ方を検討した方が良さそうです。

ポータルサイト接続に関しても、「どこへ行っても社内ポータルへのリンクがある」という要件であれば、別の方法を模索してみましょう。
例えば、面倒ですが各サイトのトップリンクバーに必ず社内ポータルへのリンクを追加するという約束事を設ける事も別にナシではないと思います。
例えば、 SharePoint Online なら画面左上の「SharePoint」をクリックすると(正式名称はわからないけど)自分用のリンク集みたいなページがあり、その中の「おすすめリンク」は自分で編集ができるのでそこを活用してもらうのも手かと思います。
例えば、ブラウザのブックマーク(お気に入り)を利用してもらったりホームページに登録してもらう方法だってありますよね。(企業によっては会社支給のPCにはあらかじめホームページに社内ポータルが設定されているところもあったりしますね。)

手段は色々あってユーザーが自発的に行える方法も複数あるわけで、それを教えてあげればユーザーは学習して、他にも応用されていくのではと思います。なのにIT部門などがカスタマイズをして手厚く用意してあげるのは、やはり「IT過保護」なのかなと思います。こんな世の中なのでIT企業でなくても従業員のITリテラシーは高いに越したことはないですよね。また、普段IT部門が「うちの会社のITリテラシーは低くて…」と嘆いていても、そんなITリテラシーの低い従業員は、プライベートではスマホでSNSを大いに活用し、PCで家族に内緒でエロ動画を見まくっているわけで、ポテンシャルは本来は持っていたりするハズなんですよね。ヤル気がないなどでポテンシャルを引き出せていないだけで。
従業員の教育にお金を注がずにIT過保護のためにカスタマイズにお金を注ぐのは、将来を考えると違うんじゃないかなと思います。 Office 365 の日々の進化っぷりや、コーディングせずにパワーユーザーが作成できるようなアプリが色々出るような時代の流れの中で、従業員に対してIT過保護になればなるほど取り残されていく危機感はあった方が良いのではと考えます。

脱線してしまいましたが最後。「SharePoint Portal Site Connection」などで検索してみると、SharePoint 2013 からのパンくずリストを表示させる方法や、SharePoint 2007 や SharePoint 2010 のパンくずリストの表示位置などが出てくるので、徐々にパンくずリストが追いやられていく歴史もわかって面白いです。