UXにおいて一貫性は重要だと言われています。同じアクションなのに様々なパターン、もしくは同じパターンなのに様々なアクションがあるとユーザーは混乱するしストレスを与えてしまうから。例えば、会社でトイレには個室が10個並んでいて、10個のうち9個のドアは押して開くドアだけど、残り1個が引いて開くドアだった場合。引き戸に当たった場合は違和感あるし、押戸だと思って押したら開かなかった…っていうのは、場合によっては尿意・便意を極限状態までガマンしてトイレに来たのに、押しても開かないとイライラしますよね。もちろんそういうものだと覚えてしまえば良いけど、覚えてもらうくらいなら最初から押戸に統一すれば良く、提供者が利用者に強いるのは得策ではないですね。
そういう観点で SharePoint を見てみると、違和感を覚える人がいる部分があると思います。それがナビゲーションとコマンドバーにおいて同じデザインなのにアクションの違う箇所です。
▼それはこの見慣れた下矢印アイコン(「>」が下を向いてるアイコン)
同じデザインでナビゲーションとコマンドバーでは挙動が違うんですよね。
▼ハブサイトのナビゲーション
▼コミュニケーションサイトのサイドリンクバー
ここでの挙動は以下の通り。
・マウスホバーをすると中身が展開される(つまりクリックせずに展開される)。
・カーソルをボックスから離してもボックスは消えない。
・ボックス以外の部分でクリックするとボックスは消える。
▼ホームページのコマンドバー
▼Webパーツのコマンドバー(ここもコマンドバーって名前でいいのかな?)
▼リストやライブラリのコマンドバー
ここでの挙動は以下の通り。
・マウスホバーしても背景色が変わるだけでクリックしてメニューが展開される。
・カーソルをボックスから離してもボックスは消えない。
・ボックス以外の部分でクリックするとボックスは消える。
▼リストやライブラリのヘッダーにも下矢印アイコンありますね
ここでの挙動もコマンドバーと同じ挙動。
この2種類の大きな違いは、マウスホバーをするだけでボックスが展開されるか?クリックしてメニューが展開されるか?の違いです。これは僕はある意味正しい動きだと思っていて、ナビゲーションとコマンドは別物ですからね。特にコマンドバーの「+新規」などは逆にマウスホバーするだけでメニューが展開される挙動だと操作性が悪くなると思っています。
ただ、気になるのは同じ下矢印アイコンを利用している点。ユーザーにとってナビゲーションとコマンドを明確に区別しているかというとしていないと思います。全て「リンク」と認識しているユーザーが多いと思います。その場合、この下矢印アイコンがついているとデザイン的に見れば同じものという認識をするので、当然アクションも同じアクションだと思ってしまいます。結果的に別のアクションになるのは違和感を覚えるかもしれません。
ではどうしたら良いのか?僕としては下矢印アイコンをナビゲーションとコマンドで別のデザインのものにしたら良いのかな?と思います。または、ナビゲーションの挙動をマウスホバーではなくクリックで展開されるアクションに統一する。つまりデザインが同じなら一貫したアクションにすべきだし、一貫したアクションにしたくないならデザインを変えるべきと。
と、僕の想いを語りましたが皆様はどう感じましたでしょうか?いや、別にそんなこと気にならないし考えた事もない!それでも良いと思います。今の仕様で良い!それでも良いと思います。ただ、そういう観点でも見方があるという事を知っていただけると、例えば SharePoint ならページ作成や列やビューの書式設定など、あとは PowerApps でアプリを作成する時などに、この「一貫性」という点も考慮して作成していくと良いと思います。他にも考慮すべき点は多々あると思うのですが、一般的に「Web UX」などで検索すると色々な大事な話が出てくるので調べて吸収してみても良いと思います。