Microsoft Teams は数年前に登場した新しいサービスではありますが、裏側では Office 365 の中の複数サービスの機能を利用しています。例えばチームのファイルは SharePoint Online のライブラリに保存されるし、チームの Wiki も SharePoint の中にファイルとして保存されます。で、そこで大事なのが Office 365 グループの存在です。チームが作成されると裏側で Office 365 グループが作成され紐づけられます。特に Microsoft Teams が登場して、 Office 365 グループ自体の利用は少ないと思いますが、表舞台にはあまり出ないけどなくてはならない存在と言ったところでしょうか。
じゃ、 Microsoft Teams で作成されたチームの裏側にある Office 365 グループを削除したらどうなるか?
早速やってみます。
▼今回、生贄になるのはこの「【検証】190516 Team 」というチーム
Microsoft Teams からチームを削除する形ではなく、 Microsoft 365 管理センター側から Office 365 グループを削除してみます。
▼グループ一覧から該当するグループを削除
▼ Azure AD 上から見てもグループは削除されています
では、この状態でチームを見てみるとどうなるのか?
▼ファイルタブの中身は表示されなくなりました
っていうか Office 365 グループを削除しても、チームは削除されないんですね。
▼Wikiタブも中身は表示されなくなりました
▼チームの裏側にある SharePoint のチームサイトにアクセスしても存在しません
という事で、テナント管理者の人が、増えた Office 365 グループを Microsoft 365 管理センター側から消した際に、誤って Microsoft Teams のチームに使われている Office 365 グループを削除するとこうなってしまいます。
ただ…
▼あれれ???会話はできるぞ!
これはどういう事でしょうか?
まずは会話のデータはどこに保存されているのか?という点ですが、プライベートチャットやグループチャットのデータは、チャットに参加したそれぞれのユーザーのメールボックスに保存されます。一方、チームのチャットのデータは、そのチームの裏側にある Office 365 グループのメールボックスに保存されます。
ん?つまりやはり Office 365 グループを削除すれば会話ができなくなるんじゃない?
という事で、いつも丁寧に対応してくれる Microsoft のサポートに問い合わせをしてみたところ、どうやら Office 365 グループが削除されてから会話が使えなくなるまでにはタイムラグが発生するとの事です。つまり、グループを削除した際に SharePoint のサイトは即削除されるけど、メールボックスが削除されるのは時間がかかるからこのような現象が起きるようです。サポートの方が実際に試したところだと、およそ20時間くらいタイムラグがあったとのこと。また、そのあとは Microsoft Teams 上からチームが削除されるようです。
僕の方もしばらく放置してみると…
▼あ、該当チームが削除されていました
僕がやってみたところ、ほぼ同時に2チームの裏側の Office 365 グループを削除したところ、そのうちの1チームは1時間後の今削除されていて、もう1チームはまだ削除されていません。つまりこのタイムラグはチームによってバラバラのようですね。
いずれにせよ、最終的には裏側の Office 365 グループを削除すればタイムラグがあるものの Microsoft Teams 側のチームも消えてしまいます。テナント管理者の方は気を付けた方が良いですね。
ただ、消しても復元は可能です。 Office 365 グループを復元すれば、自然と Microsoft Teams 側のチームも復元されます。
▼ 削除した Office 365 グループを復元したら、チームも復元されていました
しかし、削除してから30日後に完全削除されて復元はできませんのでご注意を。