Microsoft はこれまでも「 Wave 」という表現で、 Microsoft 365 Copilot の大型アップデートをまとめて発表する事がありました。たしか Wave 1 は M365 Copilot の一般提供開始などなど。 Wave 2 は Copilot ページや Copilot エージェント などなど。そして昨日の夜というか夜中あたりに Wave 3 が出てきました。僕は7年ぶりの人と食事しながら語り合って夜遅くに帰宅しはじめた時に、電車内で X を見たらザワザワしているのでビックリした次第です。以下のページで大体の事は説明されています。
Powering Frontier Transformation with Copilot and agents – Microsoft 365 Blog
https://www.microsoft.com/en-us/microsoft-365/blog/2026/03/09/powering-frontier-transformation-with-copilot-and-agents/
基本的に当ブログは機能が展開されたらそれを触ってネタにするので、今後の未確定な情報はあまりネタとして扱わないんですけど、こういうインパクトあるようなネタなどは僕の気まぐれで例外で取り上げます。僕が読んだり他で仕入れた情報などから、ツラツラと書いていきたいと思います。近未来の話である点と、ここではタダのオジサンの主観が多分に含まれているため、 Microsoft からの純粋な情報を知りたい方は、上のブログなど Microsoft からのアナウンスを確認ください。
出ましたね。僕は生成AI全般は詳しくないし、なんなら Copilot 以外の生成AIはほぼ使っていないので、あくまでも X のタイムラインに流れてくる情報くらいしか目にしていませんが、 Claude Cowork という言葉は情報として目には留めていました。それが今回 Microsoft 365 Copilot に入って Copilot Cowork としてデビューするようです。
去年開催された Microsoft の大型イベント「 Microsoft Ignite 2025 」のキーノートで、 Anthropic 社との強固なパートナーシップを印象付けていましたが、そこからドンドンと安心安全に Anthropic モデルも利用できる機能が追加されてきています。そこへきて Claude Cowork のテクノロジーを Microsoft 365 Copilot に導入したとの事です。
Microsoft 365 Copilot の魅力は、業務用途でも安心安全に利用できる土壌。 Work IQ と呼ばれる Microsoft 365 内の社内「データ」と、業務全体を理解する「メモリ」と、そのデータとメモリを融合して最適化や洞察・行動を予測する「推論」などが実現できる事。そして特に最近はマルチモデルをアピールしてきているところもありますね。
その Work IQ の環境で Copilot Cowork が利用できるわけです。今までは Copilot に何か1つの成果物を作るように指示してきましたが、僕の印象では Copilot Cowork は本来の目的を伝えると、目的を実現させる様々な行動を代行してくれたり複数の成果物を作ってくれる印象です。何か1つの成果物を作るのは本来の目的の1部分だったりしますよね。一例として「会議でプレゼンするためのパワポを作って」など。じゃなく Copilot Cowork は本来の目的そのもの「会議でプレゼンしたい」を一緒に実現してくれるという感じです。するとまず会議参加メンバーの予定を調整してチャット内で会議の日程候補を挙げてくれるので人間はそこから選びます。次にフォローメールを送るので文面を下書きまでしてくれるので、チャット内でそれを見て人間が送信ボタンを押します。次に必要な資料を添付するとテンプレートに基づいて会議に必要な資料も作ってくれるので人間はそれをチェックして手直しする…みたいな。本来の目的を伝えるだけで、それを達成するためのタスクやアクションは Copilot がお膳立てをしてくれ、人間が判断加えればそれに基づいたタスクは自動で実行してくれています。デモを見る限りだと。
あ、あと Copilot が考えて実行してくれている途中で追加指示などもできる点もありますね。 Copilot の作業が終わるのを待ってから回答や成果物に追加で指示をせずとも、 Copilot が作業をしている途中でプロセスを表示してくれるので、違和感があれば待たずにその場で指示ができます。今まで指示に対して生成AIが回答や成果物を作り上げるまでに時間がかかると「待っていると遅いと感じるので、待たずに人間は別の作業をしましょう。」というアドバイスを良くしていましたが、 Copilot Cowork に関しては Copilot の行動を随時確認しながら適切に指示していくようなスタイルもアリになってきますね。
Wave 3 でも「 Anthropic のマルチステップタスク向けエージェントモデルと Microsoft 365 を組み合わせる事により」という記載の通り、これらを実現させるのはやはり業務上のあらゆるデータが蓄積されている Microsoft 365 という土壌があるからこそ実現できますよね。僕の付け焼刃の知識だと Claude Cowork はデータを添付する必要があるように思います(間違っていたらごめんなさい)。しかし Copilot Cowork は Claude Cowork のテクノロジーと Microsoft 365 の組み合わせなので、 Microsoft 365 を普段から利活用し業務データがたまっていれば、データを添付する必要が全くないという点ですね。結局それは Microsoft 365 Copilot の一番の魅力につながる話ですね。
こちら Copilot Cowork については、 Microsoft の今や手の届かないようなところにいるようないないような友人でもある吉田大貴くんが、その地位を利用して(笑)日本語でデモ動画も含めてブログ記事として発信しています。本家のデモより日本人が理解しやすい動画が4つもあるので、是非あわせてごらんください。
Copilot Cowork:仕事の進め方を変える新しい方法 – 吉田の備忘録
https://memo.tyoshida.me/office-365/copilot-cowork-announcement/
このデモ動画を全て見て僕は一番印象に残ったのが、もはやチャットUIから全然離れていないという点です。チャットUIから指示を出し Copilot と対話をする事はもちろん、そこから会議作成やメール作成送信まで Outlook や Microsoft Teams に一切切り替えない、資料作成も Copilot に作ってもらって確認もチャットUI上で行っていて、各アプリに切り替える事がありませんでした。アプリ間の移動は少なからず思考の分断につながるので、一貫してチャットUIの中で Copilot と対話をしながら目的を完遂するUXは非常にこれからの時代を感じました。すでに各アプリやサービスは裏側で動いている状態で、これは過去に Microsoft Teams の登場で SharePoint や OneDrive for Business は裏方の存在になったところを思い起こしました。
これちょうど先日以下のような記事を書きました。
Microsoft 365 Copilot : Word Excel PowerPoint のエージェントモードの挙動が変わった&名称が過去のものになった!?
ここでも触れた「エージェントモード」という名称がもはや当たり前の状態というか Copilot の仕組みの中核になることから、プレビュー期間中にもう全く別のモードではなくなるという事が方針変更され、一般提供に向けて特別な名称ではなくなるという事も Wave 3 で触れられていました。
Microsoft 365 Copilot の魅力の一つに「あらゆるアプリの中に Copilot がいる」というのがありますが、もしかしたらその考えも過去のものになるかもしれないですね。ちょうど上で Copilot Cowork のデモでチャットUIから離れず目的を完遂している様子がそれを物語っていると思います。 Wave 3 の中でも「多くの場合、仕事は( Copilot との)会話から始まります。」や「 Copilot チャットがチャットファーストの作成と実行のエントリーポイントとなる。」という記述もありました。 Copilot Chat で仕事をはじめ、チャット内で直接ドキュメントやスプレッドシートやプレゼンテーションを作り、会議のスケジュールやメール送信をし、アプリ移動でコンテキストの切り替えが必要なくなると。それが Word エージェント、 Excel エージェント、 PowerPoint エージェントでもあると。 Copilot Chat 内から@メンションで各エージェントを呼び出して一緒に作業をして、別の作業をするなら一旦エージェントを外して別のエージェントを呼び出す…みたいな使い方を僕も仕事でお客様に紹介してオススメしていますが、まさにそういった感じでしょうか。 Wave 3 内では「 Outlook 用のエージェント」という記載もあり、僕は現在 Outlook エージェントは見つけられなかったけど、今後登場するのかな?あとは Microsoft 365 以外でも接続さえできれば Dynamics 365 など Microsoft の他のサービスや Adobe など他のメーカーのサービス・アプリのデータもチャットUIから利用できますね。結局全てチャット内で完結できてしまう世界観。そのためには各エージェントを構築して、適宜呼び出して利用する感じでしょうか。それらが全てエンタープライズ規模で監視や管理やセキュリティを確保できるという事。
Wave 3 でも随所で主張していたのが「マルチモデル」という点。 OpenAI モデルに Anthropic モデル、現時点でもこれが Microsoft 365 Copilot 内で使い分けられます。Wave 3 がアナウンスされたタイミングくらいで、 Microsoft 365 Copilot Chat にも Claude Sonnet を選択できるようになっています。
▼3月10日時点で確認できたモードセレクター内
現時点では、先日記事に書いて紹介した GPT-5.4 Think Deeper が何故か消えちゃっていますけどね…。すぐに復活するでしょう。
わからないけどマルチモデルって言っているくらいなので、今後さらに増えていく可能性も十分ありますよね。そして生成AIソムリエな人達は、あのモデルは優秀だ、このモデルはそれに比べてダメだ、という話だけじゃなく、各モデルの特性を把握して複数モデルを使いこなす必要があるようなアウトプットをよく目にします。先駆者の方々のアウトプットは非常に参考になりありがたいと思う一方で、それ世界中の全社会人がそこまで意識してモデルを切り替えて使いますか?というとなかなか厳しいと思います。そういう点、 Microsoft 365 Copilot のマルチモデルは、 Wave 3 内でも「モデル選択の負担」という表現もありましたが、それを解消すべく各機能にモードセレクターには「自動」が既定で選択されており、人間が依頼した内容に応じて Copilot 自身がどのモデルがふさわしいかを自動選択してくれます。人間側はモデルを意識せずに裏側では適切なモデルが選択されているの、凄く良いUXだと思います。 Wave 3 内では「多くのAIツールは、ユーザーを単一ベンダーのモデルに縛り付けています。」という表現もありました。そもそも Microsoft 365 Copilot において、あの Microsoft が自社独自のモデルを作らずに OpenAI のモデルを採用してきたのは、このようにモデルをロックせずに様々なモデルを利用する事を考えての事なんですかね?それともたまたまこうなったんですかね?全くわかりませんが。
Microsoft Ignite 2025 で発表された Agent 365 がついに5月1日に一般提供開始され、1ユーザーあたり月額15ドルとの事です。 Agent 365 の基本的な考えはエージェント管理をユーザー管理と同じ方法で管理するという事です。 Microsoft 365 Copilot には組み込みのエージェントもあれば Copilot Chat からエージェントビルダーでユーザー各自がエージェントを作成できるし、 Copilot Studio などで高度なエージェントも作成できます。するとそこに何らかのセキュリティやガバナンスの仕組みがないといけませんからね。かと言って厳しく制御しすぎるとイノベーションを阻害します。そうなると1ユーザーあたり月額15ドルって実際どういう仕組みなのか?あたりは正直僕もイマイチよくわからないので、ここらへんは5月1日に向けて Microsoft に直接問い合わせいただければと思います。特にお金の部分はただのオジサンが無責任な事言えませんからね。
いやぁ、1年前だか2年前あたりから Copilot もしかりですがドンドン機能追加されていく Microsoft 365 を、僕らはふざけて「そろそろ E5 じゃカバーできないから、全部乗せの E7 とか出てくるんじゃないか?アハハハ」なんて笑い話にしていましたが、マジで E7 が登場しましたね。そのうち E9 とか E11 なんて事も有りうるんですかね。 Microsoft 365 E7 はザックリ言えば、「 Microsoft 365 E5 + Microsoft 365 Copilot + Agent 365 」といった感じです。上で紹介したページの最下部あたりに価格も入っている比較表があるのでそれを参照ください。まさに現時点での全部乗せ。もちろん高いので、現状 Microsoft 365 E5 ですら躊躇される企業が多い中で、 E7 を選択できる体力のある企業がどれほどいるかわかりませんけどね。僕はライセンスも詳しくないので全く自信はありませんが、現状それでも「あれ?全部乗せって言うには足りなくない?」と思われる事も、実は今年は Microsoft 365 自体が追加で機能が拡充されるというか別途ライセンスが必要な機能などが追加されるという事もあり、それも含めて結果的に E7 が全部乗せになるんじゃないかと。もちろん Microsoft 365 にAI機能、セキュリティ・ガバナンス機能の充実があるからこそ今年7月に値上げにつながるわけですが。さて、あまり饒舌になるとボロがドンドン出てしまうので、この話はここまでにします。こちらも詳細は Microsoft に直接お問い合わせください。
という事で Wave 3 of Microsoft 365 Copilot の内容を頭の悪い僕がじっくり読んでデモも見て感じた事も含めて書いてみました。特に Copilot Cowork が当たり前の世界観になる頃は僕らはどんな働き方をして人間はどんなバリューを発揮すれば路頭に迷う事がなくなるんでしょうね。また、昨今は生成AIを導入して活用されても人間の業務時間は減る傾向がなく、浮いた時間を別の仕事を入れてしまう…みたいな話だったり、生成AIのアウトプットをレビューする人がむしろ大変だとか、でも一方で人間の雇用が減っていくだのの話もあり、キラキラした世界でもない話も良く聞きます。ただ、生成AIが出てからこの2・3年で確実に生成AIは想像以上に激変し、そして特にホワイトカラーと呼ばれる層の働き方も良くも悪くもそれに流されて変化しています。もはや半年先も読めない時代ですね。僕は淡々と自分の推しである Microsoft 365 を今後も趣味でも仕事でも推していけたらなと思います。先日50歳になったばかりで、社会人としては残り10年~15年ですかね。いや、お金さえあれば今すぐにでも辞めたいですけどね。でもお金はないのでギリギリまで働くと思います。半年も先が読めない世の中で、5年後、10年後、15年後、どうなっているんですかね。そもそも地球がなくなっているかもしれませんね。話がまとまらなくなってきたのでここらへんで!