※長文です!
実は9/5から2泊3日で福岡に出張し、福岡から韓国へ行って2泊3日で昨晩帰国してきたどうも僕です。福岡は仕事の出張でしたが、韓国へは何しに行ったのかというと記事タイトルの通りコミュニティイベントに参加してきました。今回はふとしたキッカケから韓国へ行く事になった事と、向こうで体験してきた事を報告します。
あれはそう…日本の Microsoft MVP を束ねるボスである Microsoft のCPM(Community Program Manager )の森口さんが某弊社の座談会ウェビナーに参加してくれた後に打ち上げをしていた席でした。「太一さん、韓国のコミュニティに興味ある?」みたいな切り口で話しかけられたように思います。何やら日韓のコミュニティを相互で盛り上げたいとの事で、その第一弾として韓国の Power Platform のコミュニティで日本の Microsoft MVP を招き入れて日本の活動を紹介するようなイベントが計画されているとの事。すでに Microsoft MVP 仲間の中村亮太くんが参加するという事で声をかけられました。その時は海外に行くとなると気軽に返事はできないので前向きに検討すると保留した記憶があります。
後によくよく聞くと Power Platform の日本のコミュニティを紹介した後にハンズオンをするんだとか。しかもなんと Power Apps でピアノアプリを作るハンズオン!世界中で Power Platform のコミュニティがある中で、日本コミュニティは独自の進化?としてゲームや音楽を取り入れた活動がありますが、特に世界でも唯一無二の楽器アプリを作って演奏会をする Japan Power Apps Orchestra ( JPAO ) があり、それが韓国の Microsoft MVP 達に「そんな発想ない!」とだいぶ衝撃を受けてもらった流れでピアノアプリのハンズオンになったと聞いています。それを聞いて JPAO 主宰の僕が参加しないわけにはいかない!と思い、家族にも快諾してもらって参加を決めました。あ、ちなみに Power Apps で楽器アプリを作る発想を持ったのは小玉氏と僕が先駆だけど、その楽器アプリで演奏会をしようと思ってJPAOを構想したのは僕です。さすがの小玉氏も複数人で演奏会を開催する発想はなかったので、僕が構想を話したらビックリしつつも即賛同してくれた過去がありました。
その後、僕も交えて2回目の日韓ミーティングに参加しました。まずそもそもビジネスアプリケーションを作る Power Apps で楽器アプリを作る事は嘲笑されてもおかしくはない中、むしろ多大なる敬意を払ってくれました。そしてイベント内容を詰めている中で、僕は一つ提案をしました。楽器アプリをハンズオンで作ったなら演奏会も実施しましょう!と。これ大事なんですよね。ビジネスアプリも作って終わりではなく、利用して効果を得て成功体験にした方が良いですよね。楽器アプリ作成を通して体感してほしい事はそこなんです。楽器アプリを作成して「楽しかったね!」で終わりではなく、その後に複数人で演奏をする体験までを1セットに成功体験にして欲しい事です。本来、楽器の演奏には知識やスキル(スキル習得の練習)が必要です。しかし Power Apps で楽器を作れば基本的にはタップで音が出るのであまりスキルを必要とせず、また1曲全て1人で演奏しようとすると知識やスキルが必要だけど、1音ずつ担当者を割り当てて指揮者が的確に指示を出せば、常に同じ音をタップすれば良いだけなので、知識もスキルも必要なく演奏に参加ができます。これはおそらく小さくとも大きな成功体験だと思います。実際に演奏会までやろうと提案したところミーティング内でも盛り上がりました。という事で、ハンズオン自体は中村亮太くんが担当し、演奏会は僕がリードする体制に決定。
そして偶然にも9月7日にイベント開催なのに、前日に福岡に出張がそのあと決まって、むしろ福岡から韓国の方が近いので、出張からそのまま韓国入りとなりました。
【参照】イベントページ
Super Hands-on with Korean and Japanese MVPs!
https://event-us.kr/powerplatform/event/89268
僕は旅慣れているわけでもないし英語は苦手。そりゃ一人旅はドキドキですよ。福岡空港から飛行機で1時間半くらいの仁川国際空港へ。出国はまだ安心なんですよね。日本語が通じるから。問題は到着して入国審査あたり。でも今までシアトルの入国審査は複数質問されたり怖かったけど、韓国の入国審査はほぼ質問ナシだったので安心でした。
今回、ソウルの Microsoft Korea のオフィスで開催されるので、通常は仁川国際空港からソウルの会場まで公共交通機関で移動しなきゃいけないけど、外国の電車に乗るのもハードル高く思えてしまいます。しかし今回はなんと韓国MVPのInheeさんが迎えに来てくれて車で会場まで一緒に行ける事になっていました。いやぁ、東京周辺に置き換えると都心からの距離はたぶん金浦国際空港が羽田空港にあたり、仁川国際空港が成田空港にあたると思います。つまり成田空港まで迎えに来てくれて品川の日本マイクロソフトのオフィスまで車で一緒に行ってくれる感覚だと思うと、どれだけ優しい人なのかがわかりますよね。しかもまだ会った事もないし言葉の壁もあるでしょうし。実際1時間以上のドライブでした。しかも、お腹空いたでしょ?ってジュースとお菓子も用意してくれて、僕が女性だったら惚れてしまう!そして言葉が通じないかと思ったら日本語も結構話せるんですよ。普通に「大使館」とか言ってましたからね。英語も日本語もできるって凄い!なので道中はまるで観光バスに乗っているかのように案内もしてもらえてむしろ貴重な体験ができました。3月に Microsoft MVP Grobal Summit に参加した時もシアトルの空港まであっちで働く吉田大貴くんに車で迎えに来てもらった事もあったけど、本当に友人に恵まれていると痛感しつつ、この恩はいつか返したい思いでいっぱいです。
▼到着直前の Inheeさんの車の助手席から撮影
左の建築物は「景福宮」という朝鮮王朝の王宮らしいですが、その右側の建物に Microsoft Korea があります(拡大して良く見ると建物上部に「 Microsoft 」のロゴがあります)。だから逆に Microsoft Korea のオフィスからの眺めが凄いんです。
▼絶景!
すでに長文ですがようやくイベントの話に入ります。数十名が参加の中、日本ではガチっと開会宣言みたいなところからスタートするのに対して、割とヌルっと開始する感じでした。言葉はわかりませんが司会の韓国MVPのJaeseokさんが場を盛り上げています。日本のコミュニティイベントは参加者が凄く静かだけど、韓国の参加者は適度にリアクションがあって心地良いなと感じました。
そしてまずは中村亮太くんが日本の Power Platform コミュニティの紹介のセッションをしました。さて言葉の壁はどうしたの?と疑問に思う人もいると思いますが、亮太くんが用意したスライドは英語だけどトークは日本語です。実は韓国MVPのJinseokさんが日本人並みに日本語堪能なんです(日本の諺すら翻訳できるほど)。なので今回のイベントは彼がいて成り立ったと言っても過言ではありません。さて、亮太くんの熱いセッションをJinseokさんが熱く翻訳し、参加者みなさんも熱く聞いていました。日本の Power Platform コミュニティは多様である部分はビックリしていましたね。韓国では今回参加したコミュニティ1つだとたしか聞きました。と、日本には多様のコミュニティがあり、規模感も多様だし、真面目なコミュニティももちろんあれば、真面目じゃない!?コミュニティもあるという紹介が先にあった事が前提でハンズオンです。
え? Power Apps でピアノアプリ?と衝撃ではありますが、実は後々わかってきたけど、今回の参加者の中には学生が多かったり、ジャンルが違う人がいたり、初学者が多い印象でした。だからこそ先にこのハンズオンをやっていたら Power Apps は Microsoft の楽器制作ソリューションと勘違いする人もいたかもしれないので(それはないか!)、先に亮太くんのセッションをやっておいて正解でしたね。
日本のコミュニティのハンズオンは開催前に環境を自分たちであらかじめ準備する前提で開催する事が最近は多くなってきた印象だったけど、今回のイベントでは学生や初学者が多いのかサインインするところからスタートでした。最初は「これ最後までできるの?」と不安に思ったけど、サポートする運営の人数が結構多くて、またできた人ができていない人をサポートする姿も見受けられて、徐々に足並みが揃っていく感じがありました。日本のイベントではおそらく知らない参加者同士がサポートし合う場面はなかなかないと思います。僕もシャイだからわかるけどなかなか話しかけづらいし自分も知識なかったらサポートしようにも自信ないですからね。
たしか途中でトイレで抜けてそのままロビーで別件の大事な話をして戻ってきたら、すでに皆さんアプリが完成して僕を探していた事態になっていたと思います。え?もう完成したの?とビックリした覚えが。
演奏会をリードするのは僕です。僕はこのために韓国へ行ったと言っても過言ではありません(笑)
今回演奏する曲は「ドレミの歌」です。名前の通りドレミファソラシド全て使う曲ですね。適度な難易度だしワールドワイドな曲。そういえば韓国では「ドレミファソラシド」は一般的だったようです。「CDEFGABC」ではなく。まずは9人演奏に参加したい人をその場で募りました。ここらへん日本だとシャイだから周囲の反応を伺いながら手が挙がらないところですが、今回は即決まりましたね。あ、ドレミファソラシドだと8人じゃない?と思いますが、ドレミの歌には1音だけB♭があるんですよね。なのでB♭担当の人はたった1音だけを渾身の力でタップしてもらいます。他にも担当の音によってタップする回数が左右されますが、それもまた運ですね。とにかくピアノで1オクターブで1人で演奏してみましょう!とお願いしてもピアノ経験がない人には厳しいですが、1人1音担当であればその障壁はなくなります。実際に演奏した動画は亮太くんがXで公開してくれているので紹介します。
「音楽は国境を越える」とはよく言うけど、言葉は通じなくても音で交流ができますね。凄く良い成功体験を得てくれたと確信します。イベント全体の中では演奏会のターンはカレーの福神漬けのような存在になったかなと思います。
かねてから JPAO の同じ主宰の小玉氏とは「海外の人と一緒に演奏できると良いね」とか「海外で演奏会ができたら良いね」と語っていましたが、残念ながら彼はこの場にいなかったけど達成する事ができました。「 Japan Power Apps Orchestra 」から Japan の冠が取れて「 Power Apps Orchestra 」になった瞬間です。いつかできたら多国籍メンバーで合奏したいですね。
この後は日本人が前に並んで質問を受け付けるコーナーです。僕と亮太くんの他にも同じく Microsoft MVP の三宅さんやCPMの森口さん、そして森口さんが気軽に呼んだらまるで国内のイベントのように来てくれたらしいおだしょーさんも前に並びました。
「質問ある人!」となると日本のコミュニティイベントではまずは周囲を見渡すシーンがあるかと思います。日本では今だとチャットや質問受付システムみたいにテキストでの質問は積極的だけど、やはりシャイな人の多いお国柄なのか会場では積極的に手が挙がるには時間がかかりますよね。でも今回は最初からトップギアみたいにドンドン手が挙がっていました。素晴らしい!中には学生さんが自分のキャリアと Power Platform を絡めた質問をしてきました。凄いですね。僕が大学生の頃なんて就職氷河期だっていうのに危機感もなくバンド活動ばかりやっていたので大違いです(笑)また、日本のコミュニティとつながりを持ちたいという人達もいて、コミュニティイベントの案内は基本的に日本ではXで行われる事が多い旨を伝えました。言葉の壁を越えて参加してみたいという点がまた凄いです。
▼関係ないけど韓国のこのサイダー美味しかった!
イベントが終了し全員で記念写真を撮るじゃないですか。撮って終わりかと思ったら僕や亮太くんと一緒に撮ってほしいとたくさんの人に声をかけてもらいました。オジサンがこんなに写真を催促される事もないのでビックリです。またQ&AでSNSの話をしたからか、SNSでのつながりも多くの人に求めてもらいました。色々な事に関して凄く積極的ですね。
そうそう、日本のIT技術コミュニティ界隈ではSNSはやはりXが主流だと思いますが、今回知ったのは韓国ではXは主流ではないというかあまり使われていない感じです。若者は Instagram で、年上の人は Facebook が主流だそうです。そして学生さんも含めて LinkedIn やってる人が多い印象。
コミュニティの世界に長い事身を投じて思った事は、コミュニティイベントだけ参加していてもコミュニティの醍醐味は味わえないという事かなと思います。あくまでもコミュニティイベントは大きな点であり、点と点をつないで線を描くのはそれ以外の普段からのコミュニケーションであり、コミュニティイベントはそのコミュニケーションのキッカケ作りなのかもしれない。そうすると大事なのがSNSの存在だったりします。そう考えると日韓でSNSの主流に違いがあるので、もし日韓で国境を越えて交流できるコミュニティを考える場合は、何かしら普段からコミュニケーションを取れる共通したプラットフォームが必要かもしれないですね。思い出せば Power Platform という言葉すらなかった黎明期の2018年あたりは、当時の Twitter を通じて Power Platform 界隈のワールドワイドなコミュニケーションが取れていて、言語の壁は自動翻訳を使って取り除き、凄く盛り上がっていましたね。コロナ禍以降に急に日本以外の国の人達が Twitter で見かけなくなってしまったけど、何が原因だったんでしょうかね。
▼関係ないけど本場のキムチ美味しいけど辛かった!
誰が読むんだ?というくらい長文ですが、そもそもこのブログが僕の備忘録用途で開始したルーツがあります。今回、初の海外のコミュニティイベントに参加した熱い気持ちの時に書き綴っています。
とにかく今回参加して僕個人のIT技術コミュニティ活動の原点でもある「楽しむこと」を再確認できました。誰一人としてつまらなそうにしていなく、笑顔の絶えないイベントでした。そして参加者同士に面識がなくとも不思議な一体感があるようにも感じました。変に内輪ウケという雰囲気もないし、一人でポツンとしている光景も見られなかったです。一方で楽しみながら真剣でした。特にQ&Aになった時の雰囲気が変わった感じ。これらも含めてこちらも非常に色々学べた一日でした。
今回は色々とお世話になった数日間でした。誘ってくれた森口さんをはじめ、日韓の Microsoft MVP の方々、そして参加者の皆さん。またこのイベントに際して協力してくれた方々、そして亮太くんが日本のコミュニティを紹介していましたが、誇れる日本のコミュニティ群を形成しているコミュニティメンバー一人一人。すべて感謝です。
あ、他にもすでにイベントレポート書いている人がいるので紹介。
韓国にいって登壇してきたお話
https://zenn.dev/bizoptimars/articles/dc5d815e7e624e
Super Hand-on Korean and Japanese MVPs! 참여후기
https://blog.naver.com/khsystems2018/223578522998