アナウンスが出た頃から他のアップデート内容に比べて話題になっていましたが、いよいよ Microsoft Teams のチームでも扱いに困る人も多いらしい「一般」チャネルのチャネル名が変更できるようになりました。「一般」ってフワっとしていて用途が全然連想できませんからね。ここの名前を変更したいニーズは割と多かったようです。しかしパっと触った限りでも注意点などもあります。
2024/07/16 付けで Microsoft 365 管理センターのメッセージセンターに、以下のメッセージが公開されました。
▼ Microsoft Teams:一般チャネルの名前を変更する機能
対象指定リリース環境では8月上旬~8月中旬。標準リリースでも8月中旬~8月下旬の展開予定です。今週はお盆休みの人が多いので、お盆明けたら一般チャネルの名前を変更できるようになっている人は多いかもしれませんね。僕の標準リリース環境でもアップデートが展開されていたので、触ってみます。
その前に注意点として、名前が変更できるだけで一般チャネルは一般チャネルです。どういう事かと言うと、一般チャネルって他のチャネルと違って特別ですよね。チームを作ったら必ず生成されるチャネルである点、チャネルのアーカイブや削除ができない点など。チャネル名を変更できてもその特別な存在は変わりません。なので他のチャネルに紛れて使っても後で「あ、不要になっても削除できない…」などの足かせになりかねない点は要注意です。今回はそこらへんも含めてザックリと触ってみます。
まず先に既定では一般チャネル以外のチャネルはチームの所有者じゃなくメンバーであってもチャネル名の変更はできますが、一般チャネルのチャネル名の変更はチームの所有者のみです。メッセージセンターのメッセージにもさりげなく記載されていました。
▼チームのメンバーだと一般チャネルのチャネル名の変更はできないけど、
▼チームの所有者だと一般チャネルのチャネル名の変更は可能
なので、このアップデートが展開されたかどうかを確認すべく、一般チャネルの「…」メニュー内を見て「チャネル名の変更」がなかったとしても、アップデートが展開されていないんじゃなくて、そのチームの所有者じゃない可能性もあるので、そこはお気を付けを。
で、自分が所有者であるチームの一般チャネルの「…」メニューから「チャネル名の変更」をクリックすると、
▼チャネル名の変更のボックス
ここで違和感ありますよね。まず「一般」チャネルなのにチャネル名が「 General 」になっている点。これはややこしいですが、言語が英語だと「一般」は「 General 」です。いつもの日本語訳部分がおかしいという可能性もありますが、ここはそれだけじゃ済まないかもしれないです。理由は後述します。
もう1つの違和感は注意書き。
▼注意書き
ここの「全般」はもちろん「一般」です。日本語訳がおかしいだけです。しかし、これも後述しますが、結論から言えば「一般」に戻すことはできます。
とりあえず一旦スルーして、
▼チャネル名を変更してみると、
▼チャネル名が変更されました
少し前に一般チャネルを非表示にできるようになったので、 Microsoft Teams を長年利用していて慣れているユーザーでもチャネル一覧に「一般」がないことに違和感は覚えないとは思いますが、それでもなんかちょっと変な感じがしますね。
で、これもメッセージセンターのメッセージに記載されていますが、「一般」チャネルは例外的にチームのチャネル一覧の一番上に表示されますが、このように元一般チャネルは他チャネルと同じく名前順に表示されます。(上のスクショも一番上にあったのが名前変更後には一番上にないことがわかります)
チャネル名を変更した後に、チャネルの「…」メニューを見ると、
▼チャネルの…メニュー
チャネルのアーカイブやチャネルの削除といったメニューはありません。
▼もちろんチームの所有者なので他のチャネルの…メニュー内にはアーカイブや削除はある
ここらへんからも、名前を変えたところで元一般チャネルとして一般チャネルの特別感は残っている事がわかりますね。
という事で、チャネル名が変更できるようになったというだけのアップデートなので、内容としては単純ではありますが、もう少し気になる点を深掘りしていきます。
このアップデートの一環でしょうけど、新規チーム作成の際に、
▼一番下の項目に注目
「最初のチャネルに名前を付けてください」という項目が現れました。必須項目です。たしかにチャネル名を変更できるようになったなら、チーム作成時から「一般」に縛られる必要はなくなったのでわかりますが、逆を言うとこれチーム作成時に毎回悩む人も出てきそうですね。
正直、ここまではこのアップデートの変化に気付くには一般チャネルの「…」メニューを開かないと気が付かないので、あまり認知されにくいアップデートかなとも思ったけど、新規チーム作成時にこれが必須項目になっている事でこのアップデートが認知されやすいですね。
一般チャネルの名前を変更する際に他のチャネルのその操作とは違う点として注意文が表示されていました。
▼該当部分
「全般」は「一般」の翻訳ミスなので、つまり「一般」チャネルのチャネル名を変更したら、再度「一般」というチャネル名に戻せないという事です。しかしここで気になるのが「 General 」になっていたという点。なのでこれは試してみます。
▼元一般チャネルのチャネル名を再度変更してみる
やはり「 General 」はダメでした。「予約済み」って書いてあるのはいわゆる General は予約語という事ですかね。そして大文字小文字関係なくダメですね。
▼「 General 」は新規チーム作成時でも予約済みでNGです
じゃ、肝心な「一般」は?
▼「一般」だとエラー出ない
▼念のため「全般」でもエラー出ない
じゃ、これ(一般)で名前を変更すると?
▼「一般」に戻りました
これはややこしいですね。つまり予約済みである「 General 」はもう再び使う事ができないので英語圏の人にとっては要注意ですが、日本語なら「一般」なら元に戻せるという事です。ただし、上のスクショを見てもらうとわかるとおり、元一般を一般に戻してもチャネル一覧の並び順は最上部には戻らず名前順のままですね。ここはそういう意味では本当の意味で元に戻すことはできません。
メッセージセンターのメッセージを見るとプラットフォームの項目が「デスクトップ」のみの記載でした。今まで確認に使っていたユーザーで、ブラウザー版 Microsoft Teams からも確認してみます。
▼デスクトップアプリでは「チャネル名の変更」はありますが、
▼同じ条件でブラウザー版だと「チャネル名の変更」はありません
という事で、現時点では一般チャネルのチャネル名変更はデスクトップアプリのみのようです。
ということで、おそらく要望が多かった一般チャネルのチャネル名変更のアップデートでした。「一般」って言われても困る…という感じで、用途がわかりやすい意味のあるチャネル名に変更できた方が良いでしょうね。一方で、特殊なチャネルである事には変わりがないので注意が必要そうです。そう、なんとなく昔から SharePoint 使ってる人だと、 SharePoint のリスト( Microsoft Lists )のタイトル列に類似した感想を持つかもしれないですね。チーム(リスト)を作ると既定で勝手にできる一般チャネル(タイトル列)は他のチャネル(列)と違って特殊で扱いに困る場合もある。一般チャネルもそうですが、タイトル列も列名を変更する時に、どの列にすべきか?は悩ましかったりします。旧一般チャネルもこのようにこれから新規チーム作成するには必ず命名しないといけないので、むしろ悩んでなかなかチームが作成できないなんて場合もあるかもしれませんね。要望が多かったようなので実現されたアップデートだけど、一方でめんどくさく感じる人もいるかもしれなくて、このような世界中で多様な人達が利用するツールって大きな事から小さなことまで、最適解を見つけるのって難しいですね。よく音楽に例えると「ビートルズだって嫌いな人いるでしょ?」みたいな表現があります。つまり100%はなかなか存在しないという事ですね。いやぁ、難しい世界です。