企業でSharePoint (に限らず)を導入すると、少なからずIT部門に使い方や操作トラブルの問い合わせが入ると思います。利活用促進の一歩だと思えば問い合わせが入る事は喜ばしいこととは思いますが、多くの企業ではサポート業務専任スタッフはおろか、SharePoint 専任スタッフもおらず、だいたい他業務と兼任していることが多く、これらのサポート業務に忙殺され、他業務に影響が出ててしまう事もあります。
IT部門がサポート業務を担う、いや、渋々担わされている企業にありがちなのが、以下の状況。
つまり、悪い言い方をすれば「行き当たりばったり」。問い合わせが電話で、それを保存していない場合、実は過去に何度も同じ内容で問い合わせが来ているのに、受けたIT部門のメンバーが違う事で、各自毎回調査をして回答をするという、かなり非効率な状況になっていたりするんですよね。
以前にも書いたとは思いますが、IT部門はサーバー管理など運用面には関心があっても、運営面では無関心な事が意外と多いんです。また、ありがちなのがIT部門自体がSharePoint をあまり活用していないケースもあります。IT部門が主導で各種グループウェアなどを比較検討した結果選んだ製品を導入し、技術面でも詳しいのであれば、その段階では一番積極的に有効活用できる部門だと思うんです。でもそのIT部門が相変わらずメールやファイルサーバーを使っていて、導入したSharePoint を利活用していない。これじゃ社内展開がうまくいかないですよね。
そこでIT部門が積極的にSharePoint を利活用しつつ、社内サポート業務の効率化を図る、一石二鳥な方法があるんですよね。それが社内向けにSharePoint に関する情報発信をすることです。
別に目新しいことではないんです。これだけでも十分なんです。
先にブログなどでTipsなどを発信する事で利用者のSharePoint スキルの底上げを図れます(読まれているかどうかは置いといてですよ)。
ユーザーからの問い合わせをIT部門内で共有する事で、チームメンバーのスキル底上げにもつながるし、同類の問い合わせに関しての調査・回答工程を省けます。
FAQとして公開する事により、ブログと同じくユーザーが自発的に問い合わせる前に自己解決できる可能性が出てきます。また、既出で解決済みの問い合わせを新規で受けたとして、該当するブログ記事やFAQを参照してもらうだけで済むので対応の時間効率化にもなります。これが1年2年…とコツコツ増える事によりナレッジは蓄積されます。
これもありがちですが、中小企業でIT部門のメンバーも少なく、SharePoint 担当者が一人で対応していた場合、この方が急に退職されたりして残されたIT部門のメンバーが途方に暮れる…みたいな。属人化させないためにも、日々ナレッジは蓄積し、できる限り共有されている仕組みは大事ですよね。
私は実際に運営で問い合わせを受けるサポート業務も兼任していたのですが、まぁ問い合わせ内容もピンキリで、時にはマイクロソフト社に助けを求める事もありますが、多くの場合は簡単な説明で解決できる内容でした。
このように実際にSharePoint を有効活用している事例を自然と見せる事により、少なからず社内全体の利活用促進に貢献できるのではと考えます。
一石二鳥どころかそれ以上だとは思いませんか?
このような提案を上長や組織内にする際に、自ら情報発信をするのに抵抗を感じる人がいたり、そもそも業務を増やしたくないと思われたり、抵抗勢力があるので厳しかったりもしますが、大事な事だと思うんですよね。もう一度言いますが、別に画期的な方法でもなく、誰でも思いつく事。だけどそれを実現できていない企業も少なくはないはず。