先日急遽宣伝した10月31日開催した某弊社のウェビナーで Microsoft 365 Copilot の情報を話す前にこんな切り口でスタートしました。本当にそうで、実際一般提供開始日の11月1日にはSNS上でも「どうやったら買えるの?使えるの?」という声も散見されたようです。本記事は書く予定はなかったのですが、なんとなく今朝起きた時に気が変わって今書き始めました。
話題の Microsoft 365 Copilot って何?という点は、すでに Microsoft や IT系Webメディアから多くの情報が出ているので割愛しますが、少し例を挙げるなら、製品仕様のメモを元に Word で製品仕様書をおこしてくれたり、その Word の製品仕様書を元に PowerPoint で製品カタログをおこしてくれたり、メールの返信の草案を考えてくれたり、 Excel のデータを分析して可視化や洞察をしてくれたり。それらを自分のアクセス権の範囲内で Microsoft 365 内のデータを元に出してくれるわけで、まぁそれを聞くだけだと夢のある世界観ですよね。副操縦士( Copilot )がアシストしてくれて最終的にそれを利用するかどうかを操縦士(僕たち)がジャッジする。
そんな Microsoft 365 Copilot ですが、約1カ月前に一般提供開始日が発表された段階で以下の記事を書きました。
この記事の冒頭にも書いたけど、当ブログでは僕が実際に触った事を書く事が大半です。なのでもちろん本記事も例外です。
※本ブログは正確性を担保できないのであくまでも参考程度にしていただき、本気で Microsoft 365 Copilot の利用を検討されている場合は、 Microsoft にお問い合わせください。
多くの Microsoft 365 ユーザーが Microsoft 365 Copilot の世界を知った時、そしてそれが11月1日に一般提供開始されると聞いた時、11月1日になったら利用できると思ってしまいがちですが、そういう恵まれた人もいるにはいますがほんの一握りの人かと思います。
まず、「 Microsoft 365 」と一言で言ってもライセンスは複数種類があります。 Microsoft 365 Copilot を利用できるライセンスは限られているので、そのライセンスで利用しているか?が大事なポイントの1つです。2023/07/04の Microsoft からの情報によると、 Microsoft 365 E3 / E5 と記載されており、さらに脚注では中小企業の場合は Microsoft 365 Business Standard / Business Premium と記載されています。
Microsoft 365 Copilot 導入に向けての準備 – Windows Blog for Japan
https://blogs.windows.com/japan/2023/07/04/how-to-prepare-for-microsoft-365-copilot/
次に、それに加えて Microsoft 365 Copilot 自体のライセンスも必要です。つまり追加費用が発生します。これが1ユーザーあたり月額30ドルです。ソコソコのお値段ですが、もし前情報が本当ならそのくらい払っても良さそうですよね。海外では実際にアシスタントを雇った時と比較して Microsoft 365 Copilot の方が安いよね?みたいな話をしている人もいました。
Furthering our AI ambitions – Announcing Bing Chat Enterprise and Microsoft 365 Copilot pricing
https://blogs.microsoft.com/blog/2023/07/18/furthering-our-ai-ambitions-announcing-bing-chat-enterprise-and-microsoft-365-copilot-pricing/
▼上記ブログ記事から該当箇所を抜粋引用
ここを説明する際にIT部門の方向けに説明するなら、2023/11/01時点では「EA契約」「最小購入規模は300シート」というキーワードを出すだけで理解いただけると思います。なのでIT部門の方は本章の以降は読み飛ばしてください。
逆に僕は販売の方に関わった事がないのでEAという言葉は漠然としか知りません。そういう意味ではIT部門以外の利用者と同じ目線です。わからないなりにその方たちに説明するとしたらザックリと「11月1日は大企業向けに一般提供開始」で良いでしょうか。なので、少し上では必要な Microsoft 365 ライセンスは4種類記載しているけど、実際は現時点では E3 / E5 に限られるようです。また EA契約 ってのの他に CSP だのあとは Microsoft 365 管理センターからダイレクトで購入する方法などあるけど、それが「EA契約」ってのに限定されているので、 E3 / E5 だとしても Microsoft 365 Copilot を買えない場合もあるようだし、実際に僕も購入できないです。更にハードルが高いのが「最小購入規模が300シート」という部分。1ユーザーあたり30ドルなので、30ドル×300シート=9000ドル、月額です。今現在だと月額135万円のようです。そう考えるとだいぶ「自分関係なさそうだな」って思えてきた人が多いんじゃないかと思います。
これらの情報源ですが、僕も2週間前くらいかな?教えてもらって知ったんだけど、顧客向けではなくパートナー向けの情報ですが、一般公開されているドキュメントを参照しました。
Modern Work for Partners – Microsoft 365 Copilot
https://cloudpartners.transform.microsoft.com/practices/modern-work/copilot
この下の方に「 Microsoft 365 Copilot GA partner FAQ 」というリンクがあり、中身は PDF ファイル です。
▼ Microsoft 365 Copilot はどのチャネルで購入できますか?(上記PDFファイルから抜粋引用)
▼ Microsoft 365 Copilot の価格は?(上記PDFファイルから抜粋引用)
一応ここでは、ダイレクトチャネルとCSPチャネルでの販売は今後数か月以内にお知らせしますという記載があるので、まずは数カ月待ってそこから更にいつ販売が開始されるかが明らかになるという事でしょうか。また、さすがに中小企業に対しても最小購入規模が300シートは酷なので、おそらくその頃には中小企業についてのここらへんの情報も明らかになるのではと思います。
これも多くの人が気になる点ですが、上記PDFファイル内に明記されていました。一般展開の時点(2023/11/01)で日本語はサポートされているとの事です。ただし、 Excel in Copilot のみは英語のみサポートですが、来年2024年の最初の数か月間の間に追加言語もサポート予定だそうです(そこに「日本語」とは明示されていませんが)。ただし、サポートされているとはいえ、英語よりは精度が…みたいなのはあるとは思います。それは実際に試してみないとわからないですね。
▼Microsoft 365 Copilot は GA で言語制限を受けるのか?(上記PDFファイルから抜粋引用)
2023年11月1日現在ではこのような感じで、まだまだ選ばれし者たちしか利用できません。上記PDFを読む限りだと、まずは先行利用できるお客様に導入してもらい、より多くの洞察と経験を得て、徐々に規模を拡大していく予定との事です。
僕もまだ1ミリも触れていないし、目の前で日本語でデモをしている光景すら見た事ないです。上記PDFファイル内にはパートナー企業に関しても同じ条件なので、つまり顧客から「 Microsoft 365 Copilot の購入を検討してるからデモを見せてほしい」と頼まれても「いや、ウチでもまだ使えないんです」というパートナーも多いでしょう。また、僕が懸念しているのは、仮にライセンスを購入できて利用できたとしても、十分なデモを行う環境を準備できないんじゃないか?という点。だって、普段 Microsoft 365 をガンガン利用してリアルなデータが蓄積されている環境じゃないと Microsoft 365 Copilot のリアルなデモはなかなか見せられないハズなんです。デモ用テナントを準備してデモ用ファイルを10ファイルくらいアップロードして、「テスト」みたいな短文のメールやチャットを送信している程度じゃ、たいしたデモできないですよね。かと言って、自社で業務利用しているテナントでデモをするのは現実的ではないし。ここら辺も大きな課題かなと思います。
正直に言えば、 Microsoft は Microsoft 365 Copilot を発表してから数カ月間、非常に夢のある発信をしてきて期待値爆上がりにさせてきました。そして一般提供開始日が2023/11/01!という発表で期待ピークでしたが、蓋を開ければ多くの人はまだ最低数カ月待たなきゃ…という状況。しかもこれらの情報もあまり目立ったところに公開されていません。これはちょっとどうなんでしょうね…という気持ちはあります。話題性として旬なウチに何としても小さくても形にしなきゃ!という気持ちはわかりますが、これらの情報も含めてしっかり公開してほしいですね。
とはいえ、楽しみな事には変わりがありません。庶民は首を長くして待つほかありませんね。いや、ただ待つだけじゃダメですね。中村太一個人の発信ではあまりしていないけど、仕事での発信では Microsoft 365 Copilot への準備の話を色々なところでしています。主に「データ大事だよね」という話です。 Microsoft からも「 Microsoft 365 を使い倒しましょう(クラウドにデータを)」「過剰共有に気を付けよう」などなどの発信もあります。多くの人が利用できるのにまだ月日がかかるという事は、ポジティブに考えるとまだ準備期間がとれるという事です。しっかりとデータと向き合う必要がありそうですね。それは企業やIT部門の問題ではなく、もはやデータと向き合わなきゃいけないのは利用者1人1人ですよね。