細かい単位でまでアクセス権を設定できるのは良いけど、僕は15年以上前の SharePoint を触りだした頃から一貫して(アクセス権も含めて)「シンプルイズベスト」という考えを貫いているので、この機能も使い方次第では良し悪しかなぁと最初に伝えておきます。
っていうか SharePoint のページは「サイトのページ」というページライブラリの中に保存されているファイルなので、つまり他のドキュメントライブラリに保存されているファイルと同じなんですよね。だから僕の怪しい記憶だと昔からページ単位でアクセス権を変える事はできていました。たぶん今回のアップデートはそうじゃなくて、サイト共有と同じユーザー体験でページやニュースも共有できますよって事なんだろうなと思います。(←これもすぐ後に違う事に気が付いていきます)
2023/08/04 付けで Microsoft 365 管理センターのメッセージセンターに以下のメッセージが公開されました。
▼ (更新済み)SharePoint : ページ共有機能
「 Microsoft 365 ファイルと同様に、サイト全体を共有することなく、 SharePoint ページとニュース投稿を個別に共有できます。」という事なので、つまり SharePoint のアクセス許可レベルの付与ではなく、 OneDrive 由来の共有リンクを使う手段なのかなと思います。だから少し前に「サイト共有と同じユーザー体験で…」って言いましたが、そうじゃなくて「ファイル共有と同じユーザー体験で…」の方がよりピンと来るかもしれないですね。
では実際に見てみます。コミュニケーションサイトで確認します。
※思った以上に長い記事になっています…。
▼ SharePoint のニュース
このアップデートが展開されると、コマンドバーの右側に「共有」が表示され、クリックすると、
▼共有のメニューが表示されます
うん、やはり共有リンク臭が濃厚ですね。
では実際にサイトに権限が付与されていないユーザーにこのニュースのみ共有してみます。
先にこのニュースについてファイルとしてのアクセス許可の設定を確認します。
▼ニュースのアクセス許可の管理画面
▼更に詳細設定
このようにサイトのアクセス権を継承した状態を確認しました。
次に、共有される側のユーザーがサイト自体にアクセスしてみると、
▼このようにアクセス権がないので閲覧できない状態
ではようやく、共有する側から共有してみます。
▼「ページの共有」をクリック、
▼完全に共有リンクのソレですね
▼このようにして送信します
▼送信完了
では、共有された側のユーザーの確認をします。
▼共有者からメールが届くので「開く」をクリック、
▼閲覧できました
画像も表示されていますね。そして下の方に行くと、
▼別途権限が必要な部分は閲覧不可です
サイト自体が共有されたわけではないので、ページ内に埋め込んだライブラリWebパーツやリストWebパーツも参照元のライブラリやリストに権限がないのでこのWebパーツは表示されないという感じです。
▼ページに権限さえあれば「いいね」やコメントもできますね
▼ヘッダーにはサイトナビゲーションが表示されておらず、サイト名をクリックすると、
▼やはりサイト自体は閲覧できません
▼画面右上の歯車メニューから「サイトコンテンツ」をクリックすると、
▼こっちは「403 FORBIDDEN」かい
▼サイトのフォローは?
▼できるんかい!
フォローはできるけど結局アクセスはできないので意味ないですね。ここら辺は若干まだ詰めが甘い感じですが平常運転でもありますね。徐々に洗練されていくのかな?いかないような気も。
という事でサっと試したところ、このように元々サイトにアクセス権のある人がニュース・ページ単位で共有リンクを利用して共有する事が簡単にできるようになりました。これ利用シーンとしてはどうなんでしょうね?共有したい相手がサイト自体にアクセス権がない場合、サイト自体にアクセス権を付与すると関係者外秘的な情報も共有してしまうので、特定のページやニュースのみ共有したい…という場合ですかね。だけど、そもそもそのページやニュースの情報を発信する場所が間違えているんじゃないか?なども疑えそうですね。
ちなみにページを共有された人も更に共有できるんです。
▼共有された人にも「共有」のメニューが
つまり、共有がドンドン波及される場合もあるわけです。そしたらはなからこの情報はアクセス権の設定したサイトで発信する必要性があったのか?という事になるんじゃないかと思うんですけど…どうなんですかね。
おそらくこのアップデートに関連してだと思うけど、コミュニケーションサイトに限り名称が変更された部分があります。
▼右上の「サイト アクセス」という部分
これ、以前は、
▼【過去のスクショから抜粋】「共有」でした
これ「共有」のままだったら、左下にも同じ「共有」があるのでややこしいですよね。なのでこの機能が展開されるタイミングで右上の方は「サイト アクセス」に変更されたんだと思います。それでも若干ややこしいけど、右上の方はサイト自体のアクセス権の事を示しているし、下の「共有」はクリックしてメニューを開けばページの共有だという事を示しているので。
あ、右上が「共有」から「サイト アクセス」に変わっても、クリックした後の右ペインの中身は変わりませんよ。単に名称変更されただけです。
▼「サイトアクセス」をクリックした右ペインの中身
この中の上部の文章の通り、ここは「サイトのアクセス許可を付与します。」なんですよね。実際はここでできる事はアクセス許可レベルを直接付与するんじゃなくて、アクセス許可レベルが付与された SharePoint グループにユーザーやグループを追加する操作なんですけどね。ややこしいですね。
ちなみにこれはコミュニケーションサイトであって、チームサイトはまた別です。 Microsoft Teams のチームの裏側にあるサイトなど Microsoft 365 グループに紐づくチームサイトを見てみると、
▼チームサイト
▼右上を拡大
ここは以前から「共有」ではなく「〇人のメンバー」と紐づく Microsoft 365 グループのメンバー数が表示されるし、クリックすれば、
▼右ペイン内には Microsoft 365 グループの所有者やメンバーが表示され追加ができる
ここらへんは、 Microsoft 365 グループに紐づくチームサイトと紐づかないコミュニケーションサイトの違いですね。ただし、本題のニュース・ページの共有に関しては共有リンクを利用しているので、コミュニケーションサイトもチームサイトも関係なく共有リンクで共有できますね。ここらへんもややこしい。
さて、とりあえず基本的な動きは確認したけど、これ気になる点もあるので、以下につらつらと書いていきます。
共有前はサイトの権限を継承される設定だったのはすでに確認済ですが、共有後はどうなっているでしょうか?まぁ、共有リンクを使っている時点で予想はできますが念のため。
▼予想通り
まぁ、直接アクセスはそのままで、共有リンクが追加されていますね。ここを見る限り「表示できます」なので閲覧の権限ですね。
ページに表示されている画像ファイルは共有された方も表示されていました。ってことはその画像ファイルの権限は?画像Webパーツなどにアップロードした画像は「サイトのリソースファイル」ライブラリ内に保存されます
▼ここにありました
▼画像ファイルのアクセス権
あれ?特別なにかアクセス権があるわけじゃない??いやいや、画像ファイル単位で権限付与してるんじゃなくて、1つ上のフォルダーにアクセス権が付与されてるのかな?
▼1つ上のフォルダーのアクセス権
ん?さっきと違う。これなんだっけ?「ブラウザーのアドレス バーからのリンクは、既にアクセス権を持っているユーザーが使用できます」って。説明文の右に歯車アイコンがあるからクリックしてみると、
▼共有リンクがありますね
やばっ、よくわからなくなってきた…。これ色々と試してみたら腹落ちするかな?と思って時間かけて色々やってみたけど結局腹落ちするくらいまで理解できませんでした。これなんでしょうね?まだまだ勉強不足です。
▼例えばコレ
左はサイト自体に権限のあるユーザー、右は特定のページだけ共有したユーザー。どちらも「サイトのリソースファイル」ライブラリの「 SitePages 」フォルダーを開いています。共有された右のユーザーには、共有したニュースに紐づくフォルダーのみ表示されていますね。
▼でも共有していないニュースに紐づくフォルダーのアクセス管理の設定画面を見ても同じ見え方
つまり、僕が触ってみた限りだと、サイトのリソースファイルライブラリ側では紐づいているニュースが共有されたか否かの区別はつきませんでした。ここからはどのフォルダーやファイルが共有されているのか?がわかりません。う~ん、もうよくわからないので深追いするのやめます!
という事で最後は久しぶりに僕の力及ばずというか未解決のままおしまいです。まぁ、でも別にここがスッキリしなくても困らない(笑) 少なくとも共有されていないニュースに表示された画像ファイルは権限のない人は閲覧できないし、共有されたニュースに表示されている画像は表示される事はわかっていますからね。裏側の仕組みを熟知する必要なんてないです!開き直り。
っていうかそもそも冒頭に戻りますが、僕はこの機能を多用するのはあまりよろしくないと思っています。社内のサイトに適切にアクセス権が付与されており、ニュースで発信すべき情報が発信すべき対象に適切に発信されていれば、追加でアクセス権を追加するような共有する必要はありませんからね。この機能を多用するという事は、どこかで何かが破綻しているんじゃないかと思います。付け焼刃的にこの機能でそれを回避するなら根本的な部分の解決が必要だと思うし、共有リンクを多用するとアクセス権としては複雑怪奇なカオスな世界になりますからね。それこそいずれか利用できるであろう Microsoft 365 Copilot を利用する前に今から準備すべき事として「データをクラウドに保存しましょう」の他に「過剰共有をなくしましょう」というのがあります。この共有機能は多用すると後者の過剰共有の一助になってしまうんじゃないかと。