※ただ機能を紹介するだけでなく、その理由を僕の憶測で語ります。機能紹介だけを読みたい方は前半は飛ばしてください。
SharePoint もブラウザーを使ったWebサイトと捉えると、インターネット上のWebサイトを利用するユーザーはWebページの表示に3秒までは我慢するけど4秒を超えると離脱率が急増すると言われています(これも古い情報で今は更に気が短くなっているという話も)。そのために多くのWebサイトはレスポンスを良くする工夫をしています。つまり「ブラウザー利用者はせっかち」と言っても良いと思います。
SharePoint に話を戻すと、昔の SharePoint は動作がモッサリしている上に、何か編集しようと思うと編集ページに切り替える必要がありました。例えばリストやライブラリのビューを編集しようとするとビューの編集用ページに遷移されます。なので何をするにもちょっと編集するにもページ遷移に時間がかかってストレスになりがちでした。そういう事もあってか、全体的なUXを向上させるにはページ読み込み時間やページ遷移の時間を改善させるのは永遠のテーマになっていると思います。
さて、このユーザーに待たせる時間を改善させるには大きく2通りの方法があると考えます。
1つはシステムのレスポンスの改善。これこそ永遠のテーマかと思います。ただし、これには技術的な向上も必要ですが、運もありますよね。運というか他のどうにもならない問題。例えばネットワーク自体のスピード。ユーザーが契約している回線次第だったりもするし、ネットワーク機材次第だったりもします。他にもユーザーが使っているPCのスペックにも寄るところです。
次にもう1つのアプローチは「ユーザーの目的を達成するまでのページ読み込み回数をいかに減らすか?」です。こちらの方が実は確実にUXを向上させられると思っています。例えば、目的のページにたどり着くために2回リンクをクリックして合計3ページを表示させる導線の場合は、仮に1ページに3秒かかったとしたら、合計9秒かけて目的を達成できます。これをシステムのレスポンス改善させて1ページ2秒で表示されるようになったとしたら、合計6秒に短縮できます。一方、目的のページにたどり着くために3ページ遷移しなければいけなかったところを、2ページの遷移で目的のページにたどり着けるように導線を改善したら?システムのレスポンスを改善せずとも合計6秒に短縮できます。このような大きく2通りの方法でUXを改善していくアプローチをとれます。
なので、 SharePoint ではユーザーのページ遷移というかページ読み込みをいかに減らすか?という点で改善されている事も多くあります。ビューの編集もビューの編集ページに遷移せずともビュー上から列を追加したり設定ができるようになったのもその一つ。そして、クリックすると右からパネルが現れたり画面がグレーアウトしてダイアログボックスが表示されるような仕組みも同じく、ページ遷移せずとも目的を達成できるまでにかかる待機時間を減らす工夫。
UIや導線がコロコロ変わっている事がデザイン・レイアウト的な話だけじゃなくそういう色々な視点を持つことで、今まで「なんでUIをコロコロ変えるんだ!改悪だ!」と思っていた事も腑に落ちるかもしれません。そしてそういう視点で今回の記事のネタにようやくうつります。
いつ変更されたかわかりませんが、複数環境を見ると変更されていない環境もあるので今まさに展開期間中かもしれませんが、例えば「クイックリンク」Webパーツを見てみると、
▼クイックリンクWebパーツ
追加したらこのように吹き出しが表示されました(これは毎回表示されるものではないです)。これはつまりWebパーツの設定をその場で変更できるようになりましたよ!という事です。よく見ると吹き出しの先には「コンパクト」ってのがあるけど、クリックすると、
▼レイアウトの変更
このようにWebページのレイアウトがこの場からクイックに変更が可能になっています。以前はこれはなかったんですよね。以前はレイアウトの変更をどうやっていたかというと、
▼Webパーツ上部の鉛筆アイコンをクリックし、
▼出てきた右パネルからレイアウトを変更していました
今もこの手順でもレイアウト変更ができますが、この右パネルを出さずともWebパーツの上部からクイックにレイアウトが変更できるようになったという感じです。つまり今までは2クリックだった操作数が半分の1クリックで済むようになったという事です。この「たかが1クリック」が「されど1クリック」で実は大事だったりします。
Webパーツの設定の中でもレイアウトの項目をWebパーツ上部のバーにも追加したという事は、おそらくWebパーツの設定の中でレイアウトの変更が一番されているんでしょうね。
さて、僕の複数環境で見たところ、クイックリンクWebパーツのレイアウト変更に関してはどの環境でもすでに実装されていました。しかし、一部環境では他のWebパーツにもレイアウト変更が上部のバーに実装されている事を確認しました。
例えばニュースWebパーツ。
▼未展開の環境でのニュースWebパーツ
▼展開済の環境でのニュースWebパーツ
例えばユーザーWebパーツ。
▼未展開の環境でのユーザーWebパーツ
▼展開済の環境でのニュースWebパーツ
このようにおそらくまだ展開期間中だけど、様々なWebパーツの上部のバーにレイアウト変更がクイックにできるようになります。
という事で、割と長文で前段の話をしましたが、一応大昔にWeb制作の仕事をしていた事もあって当時の知識だから古い知識ではあるけど、Web制作という視点からも Microsoft 365 を見る事が多少できるので、そういう私見を交えて今後も情報発信していくつもりです。ただしあくまでも僕の私見です。