さぁ、いよいよ Microsoft Stream 過渡期の大きな波が来ました。ここ1年くらい Microsoft Stream ネタの記事を書く時にほぼ必ず冒頭に書いているのが「今 Microsoft Stream は Stream ( Classic ) から Stream ( SharePoint ) への過渡期ですよ」という話です。定期購読してくれている読者さんにとっては耳にタコかと思うけど、検索から記事に辿り着く人の方が圧倒的に多いので毎回書いていますが、さすがに面倒なので最近は以下の Microsoft Learn (旧 Microsoft Docs )のページのリンクを貼るだけにしています。なのでまず過渡期の理解がない人は下の2点を読んでいただければと思います。
Stream (SharePoint 上に構築)、Microsoft Stream の新しいバージョン
https://learn.microsoft.com/ja-jp/stream/streamnew/new-stream
Microsoft Stream (クラシック) とは?
https://learn.microsoft.com/ja-jp/stream/overview
まぁ、とにかく Azure の専用領域に保存されていた Stream ( Classic ) から、 OneDrive for Business や SharePoint に保存される仕組みの Stream ( SharePoint ) に切り替わるという事ですが、これによりデメリットも発生してしまいますが、長い目で見ても現時点で見てもメリットが大きいです。しかし、そもそも Microsoft 365 の全体像やアーキテクチャを知らないユーザーがこの切り替えに頭がついていけるか？説明して理解してもらえるのか？そもそも説明すべきか？説明する側が理解できていない…などなど、課題感あると思います。そういう意味もあってこの過渡期はだいぶ前からジワジワとある程度長い期間でやってきたわけですが、おそらく多くの企業で教える側（例えばIT部門）は教える事を避けてきたんじゃないかと思います。そしてギリギリまで Stream ( Classic ) をユーザーに利用してもらうようにしてきたのではと思います。でも徐々にユーザーが Stream ( SharePoint ) を垣間見るようになってきたんですよね。その様子は僕も当ブログ内で徐々に機能アップデートの記事を書く度にひしひしと感じておりました。
そんな中、今朝 Microsoft 365 内を巡回していたら大きな変化に気が付きました。
これから確認するテナントは管理系の設定を一切触っていない環境です。また、対象指定リリースではなく標準リリースです。
ユーザーがいつも通り Microsoft Stream で観たい動画を探そうと、
▼ Office ホームのアプリ起動ツールから「 Stream 」をクリックすると、
▼見慣れない画面が開いた！
▼この動きの動画
というように、事前に情報を知らないユーザーはビックリすると思います。後で説明しますが管理センター側で事前にある設定項目を変更していない限り、このようにすでに Stream ( Classic ) から Stream ( SharePoint ) のスタートページにリンクされる挙動に変わっています。そして Stream ( SharePoint ) のスタートページからは Stream ( Classic ) にアップロードされた動画は表示されません。そこも何も情報を知らないユーザーにとっては混乱するでしょうね。
さて、この場合、 Stream ( Classic ) にある動画を観たい場合はどうするか？これ、現時点では切り替えられます。
▼右上の「こちらをクリック」をクリック
▼すると見慣れた Stream ( Classic ) が表示されます
事前に Stream ( SharePoint ) に切り替わる情報を従業員に提供していない企業においては、おそらく急に画面が変わって混乱して、しっかり見渡さずにこの右上の文言（あまり目立たないですよね）を見落としてIT部門に問い合わせをする…みたいな流れは出てきそうですね。そもそもそこまで Microsoft Stream が利用されてきているかどうか？にも関わりますが。
という事で、 Microsoft Stream のタイルリンクを色々な場所からクリックすると、 Stream ( SharePoint ) のスタートページが開くように自動切換えされはじめています。いよいよ来たる時が来たという感じですね。
ここは管理者の権限がないと見られませんが、 SharePoint 管理センター内に設定する場所があります。
▼ SharePoint 管理センターの「 Stream アプリ ランチャー タイル」の設定
ここでタイルのクリック先を制御できます。気を付けるべき点としてはあくまでもタイルのクリック先を制御するだけで、 Stream ( SharePoint ) 自体を使えなくするような事はできません。
▼拡大したところ
このように選択肢の既定値が「推奨された場合、…」になっており、つまり Microsoft が切り替えたタイミングでタイルのクリック先も変わりますよって事です。そして今切り替わったんですね。説明の下部に「現在、このオプションは Stream (クラシック) に設定されています」という記載のままになっているから混乱しがちですが、 Microsoft Stream の中の人からこっちの表記が追いついていないという情報をいただけたので、切り替え自体がフライングスタートしてしまったわけじゃないようです。
今回このように長い事時間をかけて徐々に Microsoft 側も切り替えをしていっていますが、まだユーザーに何も説明しておらず混乱する事必至だと思う管理者は、この選択肢を「ストリーム(クラシック)」にしておけばタイルのリンク先は延命できそうです。でも最終的には切り替わるので、これを機に意を決してユーザーに説明する良い機会だと思いましょう。
Microsoft Stream の中の人に教えてもらったけど、このタイルの自動切換えされる事は事前に Microsoft 365 管理センターのメッセージセンターで 2022/08/24 に公開されていました。
▼ストリーム (クラシック) からストリーム (SharePoint 上) への移行の準備として予定されている変更
お気に入りに入れておいたのにスッカリ忘れていましたよ。ここを読んでいくと、
▼ロールアウトに関する記述
「10月中旬に開始され」と書いてありましたね。ただ11月中旬までとも書いてあるから、まだ切り替わっていない所の方が多いのかな？それはわからないけど、今まだタイルをクリックしてもクラシックの方に飛ぶ人は、切り替えがロールアウトされていないか、もしくは管理者が設定変更していると思います。
▼移行ツール
切り替えの最終段階は Stream ( Classic ) にある動画ファイルを Stream ( SharePoint ) に移行する事かと思いますが、すでに移行ツールは利用できます。が、プレビューなんですよね。なのでこのプレビューが解かれないとなかなか不安だと思うので今は様子見ですよね。僕もまだこれは使っていません。そのうち使ってみようと思いますが。
というわけで、待ったなしの状況に徐々に近づいています。おそらく一部の Microsoft に大きな影響力を持っているユーザー企業がゴネて切り替えの延期を繰り返される事はなんとなく想像できますが、例えばユーザーにとっては動画の検索精度の向上などでメリットはあるし、管理側にとってもセキュリティ・コンプライアンス的にもデータが SharePoint や ODfB になってくれた方が色々メリットかと思います。コロナ禍で働き方が変わり動画コンテンツの重要度が増しています。 Microsoft 365 でもユーザーが動画を簡単に作成して共有できる機能がどんどん追加されていっていますね。
