今年2022年7月に開催された Microsoft Inspire で発表された「 Viva Engage 」。結局 Yammer じゃん!というちょっとネガティブな気持ちもあり、そして Microsoft Viva シリーズがドンドン増えてきてややこしく感じてきました。
なんだかすでに僕も把握しきれなくなってきていますが、この上から4つが Microsoft Viva として最初に発表された4つのモジュールでした。中でも皆さんが一番身近なのが Viva Insights かと。逆を言うとそれ以外はあまり馴染みがないかもしれないです。 Viva Connections はIT部門などテナント管理者が設定しないと使えないし、 Viva ラーニングは既定のままでは日本語のコンテンツが少ないし、Viva Topics は別途ライセンスがないと使えないから僕も触っていないので良くわかりません。
更に Viva Goals も別途ライセンスが必要そうだし、 Viva Sales に関しては若干蚊帳の外みたいな雰囲気がありますし Dynamics 365 が絡むのでこちらも僕のカバー対象外です。
▼ Microsoft Viva トピックのサイトから引用
【参照】 Microsoft Viva トピック
https://www.microsoft.com/ja-jp/microsoft-viva/topics
▼ Microsoft Inspire の動画から引用( Viva Sales がシリーズの並びから少し外れている)
という感じでややこしくなってきましたね。全部情報を追う必要はないかと思います。ザックリと概要だけ知った上で興味のあるものを使っていく感じ。もちろんユーザーであれば会社が準備したライセンスの範囲内になってしまうし、IT部門など使う・使わないとかライセンスを購入するかどうかを検討する場合も、自社にとって今必要か否かを判断した上でですね。
さて、そんな中、一番下のというか一番新しいのが「 Viva Engage 」です。 Microsoft 発信のブログに Viva Engage の発表内容が日本語訳されているので、特にコンセプトあたりは参照してみると良いです。
Microsoft Viva Engage を発表 – Windows Blog for Japan
https://blogs.windows.com/japan/2022/07/22/announcing-microsoft-viva-engage/
日本語では「 Viva エンゲージ」になっていたりします。これは Microsoft Teams にアプリとして追加できるものですが、冒頭で書いた通り「結局 Yammer じゃん!」という最初の印象でしたがどうなのか?
まず2022/07/20 付けで Microsoft 365 管理センターのメッセージセンターに以下のメッセージが公開されました。
▼ Viva Engage、チーム用の Yammer コミュニティ アプリを置き換える
ここでは明確に Viva Engage は Yammer をベースに構築されているという点が記載されており、その上で Yammer のエクスペリエンスだけじゃなく Viva Engage ならではの新しい機能を組み合わせているとの事。具体的には「ストーリーライン」「ストーリー」などの言葉が記載されていますね。そして Yammer がベースという事で Yammer のライセンスが必要との事ですが、通常 Microsoft 365 や Office 365 のライセンスがあれば大丈夫そうですね。また Yammer を使えなくしている環境の場合はたぶん Viva Engage も使えないんだと思います。
メッセージセンターのメッセージ内にも記載されていますが、 Viva Engage アプリは既存の「コミュニティ」アプリの置き換えとの事です。コミュニティアプリは、およそ2年前の2020年4月あたりに展開された Microsoft Teams 内で Yammer が利用できるアプリです。
そもそも Microsoft Teams が「デジタルワークスペースのハブ」という事で何でも Microsoft Teams に集約できて Microsoft Teams だけで業務が完結できるように…みたいなのが今はあまり聞かないけどコンセプトの一つとしてあったと思いますが、コミュニティアプリもその一貫ですかね。当時は Yammer にダークモードの設定がなかったけどコミュニティアプリであれば Microsoft Teams をダークモードにすればダークモードで使えるのでダークモード大好きな僕には凄く良かったんです(今は Yammer にもダークモードが設定できるので魅力が…)。ここから徐々にアップデートされてきたコミュニティアプリが Viva Engage に置き換わるという事ですね。どちらも実態は Yammer ですからね。なので現在コミュニティアプリを利用している人は Viva Engage に乗り換える必要があると思います。メッセージセンターのメッセージ内にはコミュニティアプリのリタイヤについては明確に触れられていませんが、コミュニティアプリから Viva Engage アプリへのUX変更の展開は8月下旬~9月末だそうです。「UX変更」がどういう意味なのかはわかりませんが…勝手に置き換わるのか…わかりません。
▼ Microsoft Teams に追加した 置き換わるであろうコミュニティ アプリ
では、 Viva Engage を試してみます。 Microsoft Teams のアプリなので、
▼アプリの検索で「 viva 」で検索した結果
▼「 Viva エンゲージ」がありました
▼ちなみに、現時点では「 Viva Engage 」で検索しても見つからないのでご注意を
▼「開く」をクリック
▼アプリが開きました
▼UI はこんな感じ
我が家のテナントでは6歳の息子がブロックで傑作を作ると Yammer にちょいちょい投稿するのでこんな投稿が表示されますが、このように Yammer のUIと大きな差はなさそうです。ただ、コミュニティアプリに比べるとUIにもオリジナルな部分が見受けられます。
▼ Yammer と並べてみる
大きな点がコミュニティの表示部分ですかね。 Yammer では左のパネルに一覧が表示されています。
▼ Yammer のUI
一方で、 Viva Engage アプリの場合は、右にバーで格納されています。
▼ Viva Engage アプリのUI
一番下の「<<」をクリックすると、
▼展開されます
▼左上には「ホーム」タブの他に「コミュニティ」タブもあるけど、
▼コミュニティを見つけるところらしいです。作成もできそうです。
というように、ここまでは従来のコミュニティアプリの置き換えとしては問題なさそうです。
これはコミュニティアプリでも同じだけど検索する場合にややこしいです。
▼ここで検索しがち
ここは Microsoft Teams の検索バーです。 Viva Engage の検索は、
▼ここの虫眼鏡アイコンをクリックして、
▼ここで検索します
ここはちょっとややこしいけど、覚えてしまえば問題ないかと思います。
メッセージセンターのメッセージ内にも記載されていたり、上で紹介した Microsoft のブログにも詳細に記載されている Viva Engage の「ストーリーライン( Storyline )」と「ストーリー( Stories )」。Facebook っぽい!なんて言われている一端でもありますね。僕は使った事ないけど Facebook にも「ストーリーズ」ってのがありますもんね。では見てみます。
…
…
ん?見つからないぞ!
ブログを見るとストーリーラインは上部のタブに「 Storylines 」というタブがあります。
▼ Microsoft のブログから引用
でも今のところ僕の環境にはタブは存在しません。更にブログを良く読んだら一番下に…
▼ Microsoft のブログから引用
Storyline は8月下旬にパブリックプレビューが開始されるとの事。もうすでに8月下旬ではありますけど、 Viva Engage アプリとは別で展開されるんでしょうね。
という事で、いつもの事だけど触りながら調べながら記事を書くスタイルなので書き途中でこういう事に気が付く事が多いです。目玉機能が展開されていない状態なので記事にするのはどうなのか?とも思いますが、現状は現状だしここまで書いてしまったのはもったいないのでこのまま記事にしているという状況です。こちらはまた展開されたら触って記事にしていこうと思います。
そもそも Microsoft Teams の利用率はコロナ禍以降でうなぎ上りだけど、 Yammer の利用率はどうなんでしょうね。おそらくあまり活用できていない企業が多いんじゃないかと思います。例えば僕が所属している企業のようにグローバル企業だと海外では Yammer は凄く盛り上がっています。でも日本企業だと…。これはカルチャー次第だったりするのでなかなか難しいですよね。僕も過去の会社ではボトムアップというか一人で1年間 Yammer に投稿し続けてどうなるか?などやってみたけど、だいたい読まれはするけど自分以外に投稿者が現れずに心が折れた…なんて事もあります。そういう意味では Viva Engage になったとしても変わらないんじゃないかと思ったり。でも特にハイブリッドワークが加速すると従業員同士のつながりが更に希薄になる点は僕も体感しています。 Microsoft Teams はあくまでもプロジェクト単位など決まったメンバー内のコミュニケーションやコラボレーションです。そういう意味でも Yammer そして Viva Engage をどう活かしていくか?も考えていきたいところですね。やる前から「ウチの会社じゃ無理無理!」という思考は成長の妨げにもなりかねないですね。
また、これはあくまでも僕の予想ですが。 Yammer があるのにわざわざ Viva Engage という別名にして同じものを並行させてユーザーからしたら混乱の元にもなる状況を作った理由は、 Yammer って元々 Microsoft が買収した製品でその製品名をずっと使っている事もあり、もしかしたら Yammer が Viva Engage に名称変更されるんじゃないか?なんて思ったりしています。並行して2つの名前があるのはリハビリ期間みたいな。もちろん僕の予想なのでどうなるかはわかりませんが、なんとなくこのややこしい状況がそのまま続くとは思えなかったりします。さて、どうなることやら。