Microsoft Teams のチームに紐づいた SharePoint のチームサイトを SharePoint として利用しているユーザーはどれくらいいるんでしょうね?僕の肌感覚と予想ではだいぶ少ない気がします。そもそも Microsoft Teams の裏側に SharePoint があるという事自体を知らないユーザーもかなり多いのではと思います(当ブログを定期的に購読してくれている方々は知っていると思いますが)。しかし、 Microsoft 側としてはこれまでの動きや今後のロードマップなどを見る限りだと、チームの裏側の SharePoint も単なる添付ファイルの格納先ではなく、最大限に利用してほしい思惑はあると感じています。
さて、それを意識してかはわかりませんが、2022/02/26 付けで Microsoft 365 管理センターのメッセージセンターに以下のメッセージが公開されました。
▼ (更新)OneDrive と SharePoint : Teams の標準チャネル ファイルとプライベート チャネル ファイルにアクセスする
これは Microsoft Teams のチームに紐づいているチームサイトのドキュメントライブラリのみ、ライブラリ内にグループ化とはまた違う「セクション」(メッセージセンター内ではこのように表記されていたので倣います)という区分けが自動でされ、チームのチャネルと紐づくフォルダーが他のフォルダーと区別されて表示されるというアップデートです。
僕の環境に今朝展開されていたので、見てみたいと思います。
▼ まず Microsoft Teams に以下のチームがあります
チーム名に「チームサイト」って書いてあるのがややこしいけどご容赦ください。このようなチャネルの構成です。それではこのチームに紐づいている SharePoint のチームサイトの「ドキュメント」ライブラリを見てみます。
あ、その前に念のため、チームに紐づく SharePoint サイトのドキュメントライブラリに行く方法を紹介します。 SharePoint ホームから検索せずとも、
▼ Microsoft Teams のチームのチャネルのファイルタブを開き、コマンドバー内「 SharePoint で開く」をクリック
これだけでブラウザーでドキュメントライブラリが表示されますね。
▼ドキュメントライブラリ
このように「チャネル内」「サイト ライブラリ内」といったセクションで区分けされるようになりました。これまではこのように区分けされておらず、通常のライブラリと同様にフォルダーやドキュメントがズラっと並んでいました。なので、ライブラリ内に通常利用のドキュメントやフォルダー、また別アプリで添付ファイルした時に自動生成されるフォルダーなどと同じ並びに、 Microsoft Teams のチームのチャネルに紐づいたフォルダーもあるので、ちょっとややこしかったんですよね。今回のアップデートでそれが解消されるというわけだと思います。
良く見ると「チャネル内」は格納された状態で表示されます。クリックすると、
▼展開され、チャネルに紐づくフォルダーが表示されます
このようにチャネルを作成するとチャネル名と同じ名前でフォルダーが自動生成されます。「一般」チャネルのみフォルダーの方は英語の「 General 」のままですけどね。また、 Teams 側でチャネル名を変更しても、こちらのフォルダー名は変更されない仕様でしたが、今現在アップデートが展開期間中ですが、フォルダー名もチャネル名の変更に合わせて自動で変更されるようになります。
さて、ではドキュメントライブラリを開くとなぜ初期状態では「チャネル内」が格納された状態で表示されるのか?これはあくまでも僕の考えですが、およそ通常は Microsoft Teams のチームのチャネルでは、 Teams 上でメッセージにファイルを添付したりファイルタブ内にドキュメントをアップロードすると思います。そして Teams 上のファイルタブ内ではチャネルに紐づいていないフォルダーは表示されません。なので、 Teams のチーム上でメンバー同士と共有・共同編集目的で利用するドキュメントをわざわざ SharePoint サイト側からアップロードするような想定はほぼないかと思います。一方で、 Teams 用途以外にもこの SharePoint サイトを利用する場合は、逆にこのドキュメントライブラリ内でチャネルに紐づくフォルダーは利用しないのではと思います。なのであえて格納した状態で「チャネル内」セクションが表示されているのではと思います。上手く説明できたか不安ですが僕の個人的な考えなので話半分に読んでいただければと。
ちなみに、「チャネル内」セクション内のフォルダーを選択すると、
▼このようにコマンドバーも特有になり「チャネルに移動」のみ
フォルダーを選択せずとも、マウスカーソルをフォルダーに当てるだけでフォルダー名の右に Microsoft Teams アイコンが表示され、それをクリックしてもチャネルに移動します。
OneDrive 側でクイックアクセスなどから該当のドキュメントライブラリにアクセスすると?
▼こちらもセクションで区分けされていました
「チャネル内」「サイト ライブラリ内」といったセクション名が太字じゃないなど、若干のデザインの相違はありますが、同じですね。
プライベートチャネルがあるチームに紐づく SharePoint サイトのドキュメントライブラリを見てみます。
▼まずは Teams での該当チームとチャネル
プライベートチャネルの検証をした時に作ったチームなので色々とカオスですが…チャネル名の右にカギのアイコンが表示されているのがプライベートチャネルです。それでは、裏側のドキュメントライブラリを見てみます。
▼「チャネル内」セクションが格納されているので展開してみると、
▼おっ、プライベートチャネルのフォルダーまで表示されてる!
プライベートチャネルのフォルダーには右側に鍵のアイコンが表示されていますね。
ここで僕と同じリアクションしている人は良くわかっていらっしゃいます。通常のチャネルはチームに紐づく SharePoint サイトのドキュメントライブラリ内にフォルダーが自動作成されますが、プライベートチャネルの場合はチームに紐づく SharePoint サイトとは別に、プライベートチャネル専用の SharePoint サイトが作成され、その中のドキュメントライブラリなんですよね。つまり標準チャネルとプライベートチャネルでは別サイトにファイルが格納されるわけです。なので、これまでは裏側のサイトを見るとしたら別々にアクセスしなければいけませんでした。それが今回「チャネル内」セクションができたおかげで、別のサイトのフォルダーなのに、チームに紐づく SharePoint サイトのドキュメントライブラリにプライベートチャネルのフォルダーも表示されるので、便利だと思う人もいるハズです。
さて、ただしちょっとイジったところ若干イマイチな点がありました。それはここからプライベートチャネルのフォルダーをクリックして遷移すると、画面上から元に戻ることができない点。例えば…
▼このプライベートチャネルのフォルダーをクリックすると、
▼プライベートチャネル側のサイトのドキュメントライブラリに遷移します
さて、元の場所に戻ろうとした時にタイトル兼パンくずリストの「ドキュメント」をクリックすればイイのかな?クリックすると、
▼元には戻らずに、プライベートチャネル側のサイトのドキュメントライブラリの上階層に遷移します
元の場所に戻るにはブラウザーの戻るボタンをクリックしないと戻れないです。これは微妙ですね。せめてプライベートチャネルのフォルダーはクリックすると別タブで遷移するなどであればまだ良かったけど、このような構造であることを理解していないユーザーであれば、確実に迷子ですよね。
このセクションが表示されるのは Microsoft Teams のチームに紐づくサイトのドキュメントライブラリのみ、との事ですが、念のため確認してみます。
▼コミュニケーションサイトのドキュメントライブラリ
▼チームに紐づくサイトだけど「ドキュメントライブラリじゃない」ライブラリ
▼チームには紐づけていない Microsoft 365 グループの裏側のサイトのドキュメントライブラリ
このように確認した限りセクションは表示されていませんでした。
展開期間中で僕の環境では展開されてホヤホヤだと思うのですが、たまにアップデートがあった後に不具合が見つかってシレっと修正されたり、一旦取り下げられたりする事もあるのですが、その類ではないか?と思える現象を確認しています。上にも表示したスクショですが、再度見てみます。
▼何か違和感おぼえませんか?
そうです。「チャネル内」セクションにチャネルに紐づくフォルダーが表示されているけど、下の「サイト ライブラリ内」にも同じ名前でチャネルに紐づくフォルダーが表示されているんです。つまりチャネルに紐づくフォルダーが重複して表示されてるんです。これは微妙ですよね。と思ってメッセージセンターのメッセージを確認したんです。するとそこに表示しているスクショを見てみると、
▼メッセージセンターのメッセージ内のスクショから引用
英語ではありますが、上のセクションと下のセクションでフォルダーが重複していません。下の [ In site library ]セクション内にはチャネルに紐づくフォルダーは表示されていません。またサンプルではあるとは思いますが、その中のフォルダー名が「 Folder which isn’t associated with a Teams channel 」という表示になっており、これは機械翻訳で訳すと「 Teamsチャンネルに関連付けされていないフォルダ 」です。更にメッセージ内の記載を読むと、以下のような記載があります。
▼メッセージセンターのメッセージの一部を引用
「チャネル内」「サイトライブラリ内」の間にエントリの重複はない、という記載があります。
これらの事を考えると、現時点の上下セクションに重複してチャネルに紐づくフォルダーが表示されているのはイレギュラーで、近いうちに修正されるのでは?と思っています。
上下セクションに同じフォルダーが重複して表示されている事を確認した後に、また更に不思議な現象に遭遇しました。それに気が付いたのは以下のチームです。
▼このチーム
では、このチームに紐づくドキュメントライブラリを見てみます。
▼ドキュメントライブラリ内の全てのフォルダー
おや?と思いませんか?そうなんです。「チャネル内」セクションの中のフォルダー名と「サイトライブラリ内」セクションの中のフォルダー名が General 以外一致していません。これ実はこのチームのチャネルは一般チャネル以外は全てチャネル作成した後にチャネル名を変更しているんです。「チャネル内」セクションの中のフォルダー名は現在のチャネル名がそのまま表示され、「サイトライブラリ内」セクションの中のフォルダー名はチャネル作成時の名前のまま表示されています。なので実はフォルダーの中に遷移すると同じなのにフォルダー名が違うという変な現象が起きています。
▼試しに「チャネル内」セクションの「 After 」というフォルダーをクリックすると、
▼何故か「 Before 」というフォルダーに遷移します
これは更にユーザーを混乱させてしまいますね。 Microsoft Teams ではチャネル名を変更しても、紐づいている SharePoint 側のドキュメントライブラリのフォルダー名は同期されず変更されない仕様なんです。でもここからわかるとおり「チャネル内」セクションのフォルダー名は実体の SharePoint 側のフォルダー名を表示しているのではなく、 Microsoft Teams 側のチャネル名を表示しているんですね。
さて、このややこしい不思議現象は実はもう少しで解消されるでしょう。近々(すでに展開中?)チャネル名とフォルダー名が同期されるので。実は過去に一回同期されたんですが、機能アップデート後にトラブルが起きたのかわかりませんがすぐ取り下げられた事があります。そして今回そのアップデートがまた復活します。そうすればセクションの上下で別の名前になっている現象は解消されるでしょう。ただし、この機能アップデート後にチャネル名を変更すれば同期されるけど、それ以前にチャネル名を変更したものは同期されるわけではないので…ご注意を。
という事で、実際にこの記事を書き始めると意外と長くなりました。そしてだいぶややこしい記事になってしまいました。この機能も不思議現象なども Microsoft Teams のみを利用しているユーザーにとっては何も気付くことなく特に便利とも不便とも思わないと思います。しかし、 Microsoft Teams のチームの裏側の SharePoint サイトを意識して使いこなそうとすると、結果として SharePoint も知る必要があるし、このような関わり合いも知る必要が出てきます。それがハードル高いから無理と捉えるか?知っておくと色々と便利になれそうと捉えるか?で大きく差が出そうですね。