Microsoft Teams では会議中に参加者メンバーで音声での会話の他にチャットもできるけど、できなくする設定が会議のオプションに加わりました。Microsoft 365 管理センターのメッセージセンターでは2020年10月15日にメッセージが公開されています。
▼(更新)会議のチャット モデレーション設定
展開時期が遅れて1月中旬から2月上旬までとなっていたので、実は少し前から展開されていたと思うけど、ちょっとした理由で僕は気が付きませんでした。理由は後述します。まずは試してみます。
とりあえず会議を開始しました。会議のオプションの設定は開催者しかできません。
▼会議のオプション
下から2項目目に「会議のチャットを許可する」がありました。初期値は「有効」なので挙動としては今までと変わりなしですね。いつでも会議チャットでチャットができる状態です。
▼選択項目
今は「有効」なので、
▼会議用のチャットルームでチャットできます
▼「無効」に設定してみたら?
▼Oh…
開催者であろうがチャットができなくなりました。会議ウィンドウからじゃなくメインウィンドウのチャットの方も、
▼やはりチャットができなくなりました
チャットを隠すというよりは読み取り専用にする感じですね。無効化する前のチャットは見えているので。
個人的には会議のチャットを全くできなくする理由ってあまり思いつかないんですけどね。強いて言えば、会議のモデレーターが不慣れな場合、会議チャットの発言を拾い上げたりリアクションが取れないなどがあるから?とか、ちゃんと声で会話をしましょう!みたいな意図がある場合ですかね?う~ん。
設定値に「会議中のみ」があるので試してみます。
▼「会議中のみ」
設定してみると、
▼会議中はチャットができます
では、会議終了後は?
▼あれ?チャットできるぞ…
これ、上で紹介したメッセージセンターのメッセージの続きに答えが書いてありました。(「よく読みましょう!」と自分に言い聞かせる)
▼説明
ちょっとややこしいです。つまり「無効」にしていれば開催者も含めてチャットはできない。けど、「会議中のみ」の場合は開催者のみいつでもチャットができて、それ以外の参加者(発表者・出席者)はチャットが会議中のみできて、会議前後はできない。という事です。
では、開催者以外のユーザーも含めて見てみます。これまでは「今すぐ会議」から会議をしていたので、ここからはスケジュールした会議を改めて作りました。
▼こんな感じ
「会議のオプション」を開催前に設定してみます。
▼ブラウザーからの会議のオプションにも設定項目があるので「会議中のみ」に
では、会議開催前です。
▼【開催者】はチャットができます
▼【開催者以外】はチャットができません
うん、なるほど。これで想定通りの動作ですね。そして会議開始時間が過ぎました。時間が過ぎた状態であえて誰も会議に参加せずに再びチャットを見てみます。
▼【開催者以外】はまだチャットができません
つまり、スケジュールで設定された会議開始~会議終了の間にチャットができるわけじゃないようですね。では、入室してみます。(あえて開催者はまだ入室していない状態)
▼【開催者以外】チャットできました
やはり、この設定項目の「会議中」の意味は、会議開始~会議終了といった時間でOK/NGにしてるわけじゃなく、会議に入室したか否かでOK/NGにしているようです。なので、この状態で退室するじゃないですか。すると会議時間中だけど、
▼【開催者以外】またチャットができなくなった
次に、自分は会議に入室してないけど、自分以外の非開催者が会議に入室したら?
▼【開催者以外】チャットできるようになった
なるほど。つまり更に言うと、本人が会議に入室したか否かでOK/NGになるのではなく、誰かが1人でも会議に入室したか否かでOK/NGになるようです。なかなか奥が深い。
▼会議中は誰でもチャットができる
さて、上述の通り、開催者以外でも参加者の誰か1名でも参加している状態であればチャットができる事がわかったので、裏を返すと会議終了後であっても誰か1名でも会議室に残っていればチャットができるという事ですよね。そこも試してみます。
まず、会議終了時間が過ぎても、これまでの通りで会議中かどうかの判断は時間で見ていないので、
▼会議終了時間が過ぎても誰でもチャットができる
次に「開催者」が「退出」してみます。(会議の終了じゃなくて「退出」です)
▼やはりチャットできる
全員退出したら?
▼やはりチャットはできなくなった
という事で開催者以外の参加者のチャットを会議中のみに限定させたい場合はこの設定で良さそうですね。会議開催前後に雑音を入れられては困るような場合。
ただし…
会議のオプションの設定でその他の項目を特に変更していない場合ですが、一度全員退出した会議室であっても、会議時間が過ぎた後も再び入室することができますよね。なので、この状態で、開催者以外の参加者であっても再参加できます。すると…
▼またお祭り状態
これじゃあまり意味がないですよね。この場合はどうしたら良いか?
面倒ですが、この「会議のチャットを許可する」の項目を、
会議前:「無効」
会議中:「有効」or「会議中のみ」
会議後:「無効」
という風に開催者が手動で切り替えればOKですよね。
※これはダメだった方法だけど、その過程で一つ知見を得たのであえて共有します。
会議に誰も参加されなければチャットができないのであれば、ロビーの機能を使えば、方法①みたいに手間をかけなくても実現できるんじゃないか?と思ったんです。
▼会議のオプション
この「ロビーを迂回するユーザー?」を「自分のみ」にします。これにより、開催者が許可をしないと他の参加者は会議室に入室できません(発表者が全員になってるので発表者も入室を許可できるけど、ロビーを迂回するユーザーが開催者のみなので、開催者さえ他の発表者を入室許可しなければ、実質上は開催者以外は入室できない状態ができる)。その上で「会議のチャットを許可する」を「会議中のみ」にします。
次に、開催者は会議終了したら必ず「退出」ではなく「会議を終了」をします。
▼「会議を終了」
これをやらないと、開催者が退出したら他の参加者が退出しない限りは会議中とみなされて「会議中のみ」であってもチャットはできます。しかし「会議を終了」は強制的に全員退出させるので、その時点でチャットはできなくなります。
▼【開催者以外】このように開催者のみチャットができる状態
いやいや、でも会議に再参加しちゃえばまたチャットできるじゃん!
▼実際、会議終了時間がが過ぎても開催者以外でも再参加できる「参加」ボタンが右上にある
ここで、「ロビーを迂回するユーザー?」を「自分のみ」にした設定が効果を発揮するハズです。開催者以外が再参加しようとしても、
▼開催者が許可しない限りはロビーで待機状態になる
つまり、会議に参加できない状態ができるわけです。
と…実はここまで検証しながら記事を書いていたので結構ドヤ顔しながら書いてたんですよね。ベストプラクティスができそうだ!って。でも、ロビーで待機した状態になると、
▼【開催者以外】チャットできちゃうじゃん…
つまり、ロビーで待機状態も会議室に入室したって事になっちゃうんです。こりゃちょっと微妙!!!
という事で、会議チャットを利用されたくない場合は、この設定項目で「無効」に設定すれば良い。これはシンプルでした。ただ、「会議中のみ」に設定する場合は、意図した結果にならない場合もあるかもしれないので、注意が必要ですね。上述の方法①で回避する事ができるけど、「無効」にしてると開催者すらチャットできなくなるので、会議チャットで例えば開催者から事前アナウンスをしたいとか事後に何か連絡を入れたい場合は、コソッと「有効」にしてチャットにメッセージしたら即「無効」に設定するって感じかなぁ。
いやぁ…ロビーはロビーだと思うんだけどねぇ(←しつこい)
冒頭で僕はこの機能が展開されたのになかなか気が付かなかったって言ったけど、その理由がコレです。チャネル会議ではこの設定はないんですよね。僕は毎朝チャネル会議で新機能が展開されていないかをチェックするので、見落としていたんです。
▼チャネル会議の会議のオプションには設定項目がない
以上、急いで触ってみた結果でした。もし見落としや違うところがあったらご一報ください。