※当ブログには珍しく、この記事には自分が試してみた事実ベースだけではなく、良く把握していない情報や憶測や想像が結構含まれているので、いつも以上に鵜呑みにしないでください(笑) ところどころに Microsoft Docs のページへリンク貼ってるので、正確な情報はそちらや Microsoft からの公式情報で調べてください。
結構前からアナウンスされてから色々と話題になった Microsoft Teams の会議で録画した時の録画データの保存先の変更。 Microsoft 365 管理センターのメッセージセンターを見ると、公開が2020/9/22となっています。
▼(更新)Microsoft Teams: OneDrive と SharePoint に保存された会議のレコーディング
つまり、Microsoft Teams の会議で録画をすると録画データの保存先は Microsoft Stream だったのが、 SharePoint か OneDrive に保存されますよって事です。2020/10時点から会議ポリシーの変更により保存先を先行して変更する事ができましたが、僕は自然と切り替わるのをあえて待つようにしました。で、自然と切り替わるのが2021/1/7から展開開始という事で、7日からずっと毎朝会議を録画して切り替わる日を待っていたところ、今朝切り替わっていました。
※ここから実際に試す前に僕としては大事だと思う事を書きます。実際に試してるところだけ見たい人は飛ばしてください。
そもそも Microsoft Stream はウィキペディアを見ると2017/6/20にサービス開始されたようです。3年半前くらいですかね。ただ当初は利用できるプランが限定されていたんですよね。で、2018/8あたりから広く利用できるようになりました。
Microsoft Stream : Office 365 Business Premium などのプランで利用できるようになった!
ただし、当初の僕の認識は「社内版 YouTube 」です。動画をアップロードして共有するサービス。例えば自社製品のプロモーションビデオ、出展したイベントの模様、備品の使い方紹介ビデオ、経営層からの動画メッセージ配信などなど。用途は様々ありますが、正直なところ広いプランで利用できた後も、ほとんど使っていなかった会社が多かったんじゃないかと思います。そんな時ですよね。 Microsoft Teams の会議が録画できるようになる!という話が出て録画の保存先が Microsoft Stream になると。会議の録画は非常にニーズはあるので、本来の用途?ではなくそういう経緯で結果として Microsoft Stream は使われるんだろうな?と思ったら案の定そういう結果になったと思います。未だに当ブログで人気記事の上位にあるのが Microsoft Stream の自動字幕が日本語をサポートした記事。
Microsoft Stream :ついに自動字幕・トランスクリプトが日本語をサポート!更にビデオのトリミングができるようになった!
会議の議事録をとるのが不要になる日が来るのでは?会議の録画から見たい部分だけ見たい時にキーワードで検索ができる!という事で、まぁ字幕・トランスクリプトの精度は置いといて、ワクワクする機能でした。そんなこんなで会議の録画が社内の色々なところで保存されると、 Microsoft Stream の容量 [ 500GB + ( ユーザー数 × 0.5GB ) ]は枯渇しそうになりますよね。実際に Microsoft Stream の容量が枯渇しそうになった話は割と身近なところで知っています。
そんなこんなでおそらくサービス開始当初の意図とは違った形で Microsoft Stream の利用が大きく促進されたと思います。特にコロナ禍以降。そこへ来ての Microsoft Teams の会議録画の保存先変更。
保存先が変更されるという情報が出てから、界隈では色々な声があがりました。
まず、ネガティブな意見の代表は、会議録画の保存先として上述した Microsoft Stream の容量が使えなくなり、 SharePoint や OneDrive の容量が今後は使われるという事のなんとなく損した感。そもそも以前から SharePoint や OneDrive の容量を気にする企業は多いと思います。 Microsoft Teams のチームの裏側の SharePoint のチームサイトの容量制限を行っている企業も少なくないと思います。でも、会議録画の保存先が SharePoint にも入るので、データ容量の大きい会議の動画ファイルはその上限値にすぐ達するのではないか?という懸念。となるとチームサイトの容量制限の見直しも必要だし…などなど。ただ、これは正直な話、テナント内の容量が枯渇しそうだという状況でも、その膨大なデータが全て業務上必要なデータであれば喜んで容量を追加すれば良いし、ゴミデータでひっ迫しているならそれはそれで別の問題かと思います。会議録画も保存する必要があるなら残しておくべきだし、不必要な録画は削除されるべきです。あとは、 Microsoft Stream 独自の機能は使えるのか?(これは最後の方に書きます)。
次に、ポジティブな話では、会議の録画が SharePoint や OneDrive に保存される事で外部共有ができるようになります。また、 Microsoft Stream の検索機能は僕も実感していたけどなかなか残念でした。それが SharePoint や OneDrive に変わるので!という点。他にもつまり SharePoint に置き場所がかわる事により、コンプライアンスやガバナンスなど様々な恩恵が受けられるというわけです。今後は Microsoft Stream 自体が New Stream になるようなので、それも気になりますね。
新しい Microsoft Stream | Microsoft Docs
https://docs.microsoft.com/ja-jp/stream/streamnew/new-stream
長い前置きになりましたが、僕としては大事な事かと思ったのでツラツラと書きました。では、実際に試してみます。まず上述の通り、テナント管理者が特に何もしなくても徐々に勝手に切り替わります。
1対1のビデオ通話でも録画できるようになったのって、実は2020年4月あたりみたいですね。仕事でも滅多に1対1のビデオ通話で録画した事がありません。
この時に検証した時の録画はチャット上で、
▼こんな感じに表示されます
「 Microsoft Stream で開く」となっています。これは現時点でもこの表示なので、過去録画した分も SharePoint や OneDrive に移動されるされるわけではなさそうです。
では次に、保存先が変わった今録画してみたものは?
▼こうなりました
「 OneDrive で開く」と変わっていますね。
とはいえ、実際にここをクリックして録画動画を観る操作感は特に大きな違いはないんですけど、保存場所ですよね。以前は Microsoft Stream に保存されていたけど、今は OneDrive のどこに保存されるでしょうか?
まず、録画を開始した人の OneDrive に保存されます。つまり自分の OneDrive の領域を利用したくない人達が「録画どうぞ!」「いえいえどうぞ!」という譲り合いが始まるんでしょうか?(笑)もしくはダチョウ倶楽部の流れ。
それは置いといて… OneDrive のどこに保存されるか?というと、
▼「レコーディング」というフォルダーが勝手に作られており、
▼中にこのようなファイル名で録画の動画データが保存されています
で、つまり OneDrive の中のファイルなので、様々な形で様々な人と共有ができるってわけです。
権限を見てみると、
▼ 保存された録画ファイルのアクセス許可の設定
直接アクセスじゃなくアクセス許可を付与するリンクで共有されていますね。なので録画を観て欲しい人を追加する場合はここからユーザーを追加すれば良い感じでしょうか。メッセージセンターのメッセージ内にも以下のような記述がありました。
チャネルに紐づけない会議を作成し、その会議を録画してみました。
▼こういう感じで録画の表示がチャットに
ここでも「 OneDrive で開く」になっていますね。そして保存先も1対1のビデオ通話と一緒。
▼録画開始した人の OneDrive の「レコーディング」フォルダー内
会議名が先頭に付くファイル名です。なので、後で OneDrive 側から録画ファイルを探したい場合は、このファイル名を元に検索すると良さそうですね。例えば日付がわかれば日付で検索とか、会議名が分かれば会議名で検索とか。
チャネルに紐づけた会議を作成し、その会議を録画してみました。事前情報ではチャネル会議の録画の保存先は SharePoint ですよね。
▼このように展開開始予定の1月7日から毎日1回は録画していました
これを見ると、とりあえず昨日・一昨日と今日では少し表示のされかたも変わっていますね。若干ですけどね。
まずは、昨日の方を見ると、
▼「 Microsoft Stream で開く」になっています
では、実際に今日の録画のメニューを見てみると、
▼あれれ???
う~む、「 OneDrive で開く」になってるぞ?チャネル会議なのに。で、おかしいなぁ?と思って OneDrive の「レコーディング」フォルダー内を見ても、チャネル会議の録画ファイルはありませんでした。で、試しにファイルタブを見てみると
▼ファイルタブ内に「 Recordings 」フォルダーが
こっちは英語なんだ…。中を見ると、
▼ありました
ファイルタブにあったという事は、つまり、裏側の SharePoint のチームサイトの、
▼ドキュメントライブラリ内
会議したチャネルのフォルダー内に「 Recordings 」フォルダー内にありました。
という事で、「 OneDrive で開く」って書いてあるけど、SharePoint に保存されていました。そのうち「 SharePoint で開く」に変わるんですかね。
このファイルの権限も確認してみます。
▼チャネル会議で録画したファイルのアクセス許可
なるほど、こっちは共有リンクではなく、直接アクセスですね。というより、 Microsoft Teams のチームの権限を継承していますね。メッセージセンターのメッセージにもそのような記載がありました。
冒頭にこの変更での界隈のネガティブな声でも少し触れましたが、ふと思ったんです。自動字幕・トランスクリプトは?再生速度の変更は?と。 Microsoft Stream の便利機能が使えなくなってるじゃん!って。ちょうどその話を Microsoft MVP 仲間としていた時に、太田さんからこんなページを教えてもらいました。
Microsoft Stream (従来) から新しい Microsoft Stream に移行する | Microsoft Docs
https://docs.microsoft.com/ja-jp/stream/streamnew/classic-migration
冒頭で紹介したページの次のページでしたね。ここでは New Microsoft Stream に移行されるまでの間、つまりまさに現在の状況についての説明もされています。そこには、こんな事が書かれていました。
▼Microsoft Stream (クラシック) の代わりに新しい Stream の使用を開始すると、機能は失われるでしょうか。
マジか…。つまり、徐々に追加するための準備には取り組んでるけど、それまではこれだけの機能が使えなくなるという事です。これはなかなか痛いですね。いつ追加が完了するのか?気になるけどわかりません。
いやぁ、総合的に考えると、今回の保存先が変わった事は先々の事を考えると良い事かもしれないけど、現時点ではかなり残念な感じです。もし、 Microsoft Stream に保存されていた頃に便利に使っていた機能が、 SharePoint や OneDrive に保存されるようになって使えなくなってしまった、上のスクショ内にある機能があった時は、場合によっては SharePoint や OneDrive に保存されたMP4ファイルをダウンロードし、 Microsoft Stream にアップロードするという手間で当面解決させるしかなさそうですね。
ここらへんが整わずして、先行して保存先を切り替えた事には何か意味や事情があるんでしょうね。ただ、文句を言っても仕方ないので、今は首を長くして待ちつつ、対処できるところは対処しましょう。少なくとも Teams 会議の録画は今や結構使われていると思うので、場合によってはエンドユーザーにしっかり周知しておく必要もありそう。
また、これも太田さんに教えてもらったけど、冒頭に紹介した Docs のページの下部にロードマップが記載されていました。ページ内リンク込みのリンクは以下です。
ロードマップ – 新しい Microsoft Stream | Microsoft Docs
https://docs.microsoft.com/ja-jp/stream/streamnew/new-stream#roadmap
ちょくちょく忘れないようにここをチェックしておくと良さそう(僕は忘れそう…)。