OneDrive for Business :デザイン・ナビゲーションの変更

OneDrive for Business (以下 ODfB )のここ最近のアップデートが細かいのも含めて多い気がします。僕の標準リリース環境でも展開されはじめているので今日はまとめて4つくらい記事を出していこうと計画しています。

まずはデザインやナビゲーションが変更されたアップデートについて。

2023/07/06 付けでメッセージセンターに以下のメッセージが公開されました。

▼ OneDrive: OneDrive for Web の色、フォント、ナビゲーションの変更

これは8月下旬に展開完了しているハズなので、 ODfB をブラウザーからご利用の皆さんならすでに気が付いていると思います。デザインもそうだけど一部大事なメニューの配置が変わったので戸惑った方も多いかと。

そもそも約半年前の2023年3月あたりに Fluent デザインシステムが ODfB にも適用されて見た目が変わったんですよね。

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Outlook : Outlook on the web の予定表のデザインが変わった

Outlook はデスクトップアプリよりも断然 Outlook on the web 派のどうも僕です。今や仕事でもメールはほとんど使わないけど、予定表は仕事でも家族間でもなくてはならないです。なので予定表に関しては毎日何度も見てるので見慣れているのですが、今朝開いた瞬間に違和感を覚えました。デザインが変わっているんですよね。

僕が持ってる複数環境では変更前と変更後どちらもあったので見比べます(詳しくやるもんでもないのでザックリと)。あ、あといつものことですが僕はダークモードが好きなのでスクショもダークモードの環境です。

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「 SharePoint のデザインは微妙!」という意見について

悲しいことに「 SharePoint はデザイン的に微妙。使いにくいから使ってもらえない。」って良く聞きますが、僕は必ずしもそうは思っていません。(もちろん、非の打ち所もないくらい素晴らしいとも思っていないし、不満も多々ありますが。)
少しトゲのある言い方ですが、良く学ばずにうまく構築できない・うまく利活用してもらえない人の責任転嫁だと思っています。

例えば、SharePoint の利用用途の大きな一つに「社内ポータルサイト」が挙げられると思います。 SharePoint を全社的に導入して社内ポータルサイトがない企業はなかなかないのではとも思っています。いわゆるイントラサイトという性質上、通常のWebサイトのように公開されておらず、多くの企業の担当者は「他社はどんな使い方をしているのだろうか…どんなトップページだろうか…」などモンモンとしているのではと思います。
SIerなどは業務の性質上、様々な企業の社内ポータルサイトを構築しているとは思いますが、 SharePoint 技術者がWebデザインにまで精通していない場合も少なくはなく、おのずと説得力のある提案ができずに、お客様の要件に従うだけの場合も少なくはなく、結果的に社内ポータルサイトという観点では SharePoint の成長は鈍化しているかもしれないです。
僕も長くユーザー企業側の人間だったのでモンモン組でしたが、過去に貴重な経験が数回あり、他社の社内ポータルサイトを拝見できる機会もありました。もちろん中には素晴らしいと思えるサイトもありましたが、多くは…悪口に捉えられるといけないのであまり語りませんが、…なサイトが多かったです。

通常のWebサイトとは目的が異なるのですが、やはり特に社内ポータルサイトであればIA・UXに(精通していなくとも)ある程度知識や意欲のあるメンバーが一人でも必要だと考えます。

一般的な人が「Webデザイン」って言うと勘違いしがちなのが、Webデザイナーのセンスに依存するものだと思うこと。たしかにデザインと聞けば100%アーティスティックなイメージがありますが、特に企業サイトなどでは、Webデザイナーのセンスというよりは、デザインの一つ一つは非常にロジカルなんですよね。つまり、どこにどのようなコンテンツを配置したり、余白だったり、配色なども、全てデザイン・レイアウトは論理的に説明できるというわけです。逆を言うと説明できないといけないと思っています。そういう意味でもIA・UXの観点は大事で、だいたいそこを担当する人が不在な事が多く、社内ポータルの構築メンバー視点だけで構築を開始し、言い方悪いですが構築メンバーの独りよがりなサイトになってしまいます。
しかし、あくまでも利用するのは利用者です。UXが大事というのはそういう事です。(構築メンバーの思いと利用者の感想は往々にして剥離しているケースが多いと経験則から感じます。

通常のWebサイトはターゲットが大げさに言えばネットができる世界中の人々なのに対し、社内ポータルのターゲットはいくら広くしても全従業員、とかなり絞れるのでむしろ考えやすいと思っています。つまり、しっかり考慮して構築すれば効果は高いのではと思っています。

IA・UXを本業にしている人を導入するとなると敷居が高いですが、勉強して少しでも知識をつけるだけでも違うと思いますし、そういうのが楽しいと思える人がメンバーにいるだけでも違うと思います。また、SIerに依頼する際にはそういう観点からもSIerを選定する事も大事であると思うし、SIerも SharePoint の技術者やプログラミングだけでなく、IA・UXに明るい人材をもっと増やすべきだと思っています。

これ昔から思っているのですが、 SharePoint に限らず様々な業務システムが存在しますが、UXを全く考慮されていない使い勝手の悪いシステムが多いように思います。もっともっとIA・UXを重視しお金をかけるべきかと思います。それが結果として良い製品となり、品質も高くなるのではと思います。

例えば勤怠管理システムのようにそれを導入すれば即利用できるものと違い、 SharePoint はそれ単体だけでは何もできなく、そこから「勤怠管理用に」構築を経て始めて利用が開始できる製品なので、その構築の仕方で使いやすさも左右されるのは当然で、構築が未成熟なのに SharePoint がダメだとレッテルを貼るのは、まだ早いのかなと思います。

SharePoint ビューの「既定」スタイルをCSSで網掛けにする

前回の記事では、クラシック表示のビューのスタイルを「既定」以外にすると、ビューのフィルターで複数の値でフィルターをかける事ができないという事を書きました。

SharePoint ビューのスタイルを変更すると機能落ちする

ところで「既定」スタイルのビュー、つまりリストやライブラリを作成したデフォルトのビューでは、マウスホバー時にはその行の背景色が変わるので1行を読みやすいですが、マウスホバーをしないとテキストばかりになってしまい、読みにくいです。そういう意味もあって網掛けにしたい要望は少なくはありません。

それではビューの機能落ちなく網掛けにするには?CSSでカンタンに解決します。既定スタイルのビューでは、上から偶数行のtrに「.ms-alternating」というclassがあります。ビューで「ページの編集」をし、スクリプト エディター Webパーツなどに以下を記載すれば網掛けになります。(色は好きな色で。)


<style type=”text/css”> <!– .ms-alternating { background-color: #e7e7e7; } –> </style>


▼こうなります。

ただし、実はこれも一点デメリットが。
これはSharePoint 2010 からの問題なのですが、ビューを編集するとリボンタブが「参照」以外表示されなくなるんですよね。

▼本来なら「参照」の右に「アイテム」「リスト」タブが表示されるハズが。

ビュー内のアイテムなどをクリックするとすぐ復活するのでユーザーに周知されれば大きな問題ではないのですが、これは未だに直っていない問題です。

さて、このデメリットも回避しつつ網掛けにする方法もあるにはあります。
ビューに直接CSSを記述するのではなく、CSSファイルに記述し、代替CSSでそのCSSファイルを設定する方法です。これならビューを編集せずにCSSを適用させられるので、リボンタブが消えてしまう問題は解消されます。
ただし!そうです…これにも一点デメリットが。代替CSSで設定すると影響範囲はサイト全体です。つまり他のビューや他のリスト・ライブラリも網掛けになってしまいます。

代替CSSでも適用させたいリストを特定させる方法もなくはないのですが、色々面倒なのでないと言ったほうが良いかもしれないです。

結果として、標準機能とCSSカスタマイズではデメリットのない方法は見つからないのですが、網掛けをするのに標準機能の設定では1パターンしかなかったのが、CSSにより3パターンにまで増えました。それぞれのデメリットを考慮し、別にデメリットには感じないものがあったとしたら、そのパターンで実装すれば良いと思います。

  1. ビューの設定のスタイル「網掛け」を適用
    →デメリット:ビューのフィルター機能で複数の値でフィルターできない。
  2. ビューのページの編集でCSSを直接記述
    →デメリット:ビューのリボンタブが表示されない。(アイテムあたりをクリックすると表示される。)
  3. 代替CSSでCSSを記述したファイルを適用
    →デメリット:サイト全体で適用されてしまう。

以上です。複数の値でフィルターをかけられなくても良いのなら【1】で問題ないし、リボンタブをユーザーが利用しない、もしくは解決方法を周知させられるのなら【2】で問題ないし、サイト全体のビューが網掛けになってしまうのはむしろ大歓迎の場合は【3】で問題ないし、そもそも網掛けを諦めるというカードもありますよね。

要望が実現できないと業務に多大な影響があるかどうか?影響がないなら要望を諦める選択肢も十分あって良いと思います。

本当ならデメリットが一つもない方法を提示できればスッキリしたんですけどね。もちろんもっと他の方法でカスタマイズすれば良いのですが、CSS程度のライトカスタマイズにこだわりました。

SharePoint デザインカスタマイズ検討についての考察

SharePointで社内ポータルサイトや部門サイトやチームサイトを運営されているケースが多いと思いますが、SharePointのデザインは昔から評判良くないです。特にSharePoint2013では時代がフラットデザイン化されてきている流れからか、シンプルに拍車がかかってきました。
SharePointは知っての通り国産製品ではないので、文化の違いから日本ではシンプルデザインをなかなか受け入れられない傾向にあると思います。欧米ではシンプルなデザインが好まれる傾向にあるようなので。
そこでデザインカスタマイズを検討されるかと思いますが、十分に検討をしてください。

SharePointで「見栄え」という意味でのデザインに凝る必要が本当にあるのかどうか?

日常、従業員同士の情報共有に利用される場合がほとんどかと思います。不特定多数のお客様に製品などを買っていただきたくて公開しているようなインターネット上のサイトとは用途やゴールが違うんです。

見栄えを良くすれば社内ポータルなどの利活用が促進されると安易に考えている方が結構いますが、例としては悪い例ですが「美人も三日で飽きる」です。カスタマイズ後のアクセス数は増えると思います。ただ、それも数日です。

利用用途を考えるとデザインよりもコンテンツのクオリティの方を重視すべきです。見栄えをよくするくらいなら、社内ポータルトップページに社員食堂のメニューを貼り付けた方が、よっぽどアクセス数は伸びます。
チームサイトなどは、デザインなんかにお金をかけるなら、メンバーにトレーニングをして便利さをアピールした方がよっぽど利活用促進されます。

もちろん予算が潤沢である場合は別です。見栄えを良くして損はありません。ただ、こんなご時勢ですし、費用対効果やお金をかけるべきポイントを考えるなら、SharePointでデザインカスタマイズをする際に重視すべきところは、見栄えよりも、ユーザビリティやアクセシビリティという観点です。

例えば、ナビゲーション部分をよりクリックされやすく工夫をしたり、ただのテキストなのか?リンクテキストなのか?が視認できるように工夫したり。

もちろん、カスタマイズする事による中長期的な管理面での影響やコストも検討事項です。

ノーマルのSharePointのデザインの印象が悪くても、使っていればそのうち慣れてきて気にならなくなるもんだと思います。